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■第1324話 リー・クアンユーの功罪(後編)

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 今回は以下のメールマガジンに掲載された内容の転載です。

  メイル・マガジン「頂門の一針」3610号 2015(平成27)年3月26日(木)

 作者の勤務の都合により、予告無しで配信を休む場合があります。

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(前編から続く)


●エリート政治の成功と結果

 シンガポール成功の要因はエリート政策である。

 優秀な人物を育て、人材を使って公務員、政治家に仕立てた。

 その結果として政治はエリート貴族政治を作り上げたが、落し穴もあった。

 彼の家族がエリートだからリー王国になってしまったのだ。


 リー・クアンユーの息子たちは英国留学のエリートだから自然に後継者となった。

 リー・クアンユーの長男リー・シェンロンはシンガポール総理だし、二男はシンガポール航空局の局長で、元はシンガポール電信の総裁だった。

 リー・シェンロンの妻は政府の投資企業テマセクのCEOである。

 リー・クアンユー2代目が政治、企業、投資会社の総裁となったらリー王国である。


 資源のない、人種雑多で教育程度が低いシンガポールを50年でゼロから一流の国に仕立てた功績は偉大である。

 しかしこの偉大さには独裁の影が付き纏う。


●民主平等はあり得ない

 シンガポールでは民主平等は本物でない。

 強制的平等である。

 人種的分配で公務員から大企業などのエリート政治を採れば強権政治といわれ、不平等であり人民の不満が起きる。

 真の民主は複雑な人種構成、複雑な教育程度では達成できない。


 リー・クアンユーの特筆すべき功績はシンガポールの大多数(80%)を占める中国人の汚職と悪習慣を除去したことである。

 シンガポール政府は汚職を追放するため公務員の待遇を大幅に引き上げ、汚職を防止した。


 また中国人の悪習、ゴミのポイ捨て、ところ構わず痰唾を吐く、麻薬と博打などの悪習を除去することに成功した。

 この業績の偉大さは現在の香港、台湾でいくら頑張っても中国人の汚職を追放できないことと比較すればよくわかる。


 また、シンガポールは外国の人材を取り入れ、外国企業の参与を歓迎したため、世界有数の金融センター、海運業センターのほか、医学、科学の分野でも成功を収めた。

 その代り優秀な人材のほかに労務者も取り入れる必要があった。


 エリート人材には最高のサラリーで招致し、労務者はシンガポール人より低い賃金で雇うと言う不公平さが目立っている。

 貧富の格差が増大しているのである。


●今後のシンガポール

 リー・クアンユーは偉大な政治家だったが、強引さと家族政治で批判された。

 近年になってシンガポールでは民主運動が活発になり、リー・クアンユーの独裁政治に反対する者が増えた。


 民主政治は全民参与の政治であり独裁政治に反対する。

 民衆の教育、知識程度が上がれば民主政治の要求がいや増すのは当然である。

 しかしシンガポールのような複雑な要素が多い国で民主運動が活発になればシンガポールの将来の発展に翳が差すのではないか。

 後継者リー・シェンロンの政治は困難度を増すであろう。


(完結)


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第1324話)(2015年04月11日号)

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・ 作者は、中澤勇二(台湾名 陳澤民)です。

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