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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)4月1日(水曜日)
    通巻第4502号 
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 米国の親中派もそろそろ中国評価の矛を収め、批判に乗り出した。
  キッシンジャー、アイキャンベリーにつづきシャンボー教授も
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 ▼「中国共産党は崩壊する」と予測する有名教授はハト派の親中派だった

親中派の論客として知られ『トウ小平伝』も書いたデーヴィッド・シャンボー(ジョージワシントン大学教授)は大胆にも中国共産党の崩壊を予測し、「ウォール・ストリート・ジャーナル」(3月6日)に寄稿した。小誌でも真っ先に伝えたが、その詳細を紹介する。

中国に衝撃と反発を運び、「環球時報」は、痛烈にシャンボーを批判した。中国はキッシンジャー、ブレジンスキー、エズラ・ボーゲルらとともに、シャンバーを親中派学者として優遇し、北京の国際シンポジウムにも何回か招待してきただけに、裏切り、あるいは変節と受け取ったからだ。

彼の「中国共産党崩壊」論の概要次の通りで、中国共産党が統治の破綻を示す五つの予兆をシャンポーは指摘している。

 第一は体質的な腐敗である。絶対的権力は絶対的に腐敗するというのは歴史の真理、はじめから予測されてきた。
 くわえて中国は秦の始皇帝以来、汚職はDNAである。

 党幹部ならびに富裕層が海外へ資金持ち逃げ、子弟等の海外逃避が続いている。賄賂で得た不正資金を香港やマカオで、あるいは上海経済特区などで資金洗浄(マネーロンダリング)して、海外へ逃し、「外国籍」の資金に化かして中国に還流させる。これが熱銭と呼ばれ、株式、不動産投機に熱中する。
 子女を海外へ留学させ、家人を送り込み、あるいは愛人に海外で出産させ、たとえば米国の国籍を取得させる。万一の逃亡先をこうして長期的計画のもとに、多くが工作している。
愛国を強調する人たちにこの傾向が強い。

 このことが意味するのは、共産党の将来が不安でたまらないからだ。つまり、党独裁体制はそろそろ終わりだぞ、という認識が普遍的になっている証拠だとシャンバー教授は示唆するのである(そんなこと、拙著で過去二十年、筆者は口すっぱく言ってきたが、アメリカ人学者はいまごろになって気がついたのかな?)。


 ▼ゴルバチョフとは対極の路線を走る習近平だが、終着駅は同じ「崩壊」

 第二に習近平のゴルバチョフとは対極の路線が結果的に同じ地点(つまり党の崩壊)へ向かわせるとソ連崩壊との対比と類似である。いやシャンボー教授の「崩壊論」の特色はこのポイントにあると言って良いかもしれない。

習は「ソ連の崩壊は政治改革と情報公開が元凶で、中国はそうした愚策を採らない」として政治改革を徹底的に拒否し、情報管理の強化に乗り出した。
 政治的抑圧を強化し、メディアを規制し、ネット監視を強め、知識人への締め付けなど多角的な言論統制を展開した。

2013年4月に中国共産党中央弁公庁は「現在のイデオロギー領域の状況に関する通報」(いわゆる「9号文件」)を通達したが、これは西側の「普遍的価値」の否定だった。「憲政民主主義」「市民社会」「報道の自由」「新自由主義経済」などを論じてはならないとして、天安門事件後に西側が仕掛けた「中国に民主化」を促したキャンペーンに対して、江沢民政権が「和平演変」(社会主義体制を切り崩す陰謀)として警戒したように、西側の価値観が中国で普及することを極度に懼れている。


▼習語録はうずたかく積まれ、無料なのに党幹部学校の書店でも誰も持ち帰らない

 第三に中国共産党の「宣伝工作」(プロパガンダ)が中国国内にあってさえ効果を失っている事実をシャンボ?教授があげている(そんなこと、言わなくても、反日のはずの中国人観光客が蝗の大群のごとく日本にやってきて爆買いする様を目撃すれば、中国の宣伝は効果を挙げていない現実は子どもでも諒解できる)

 習近平が唱える「愛国主義による中華民族の復興が中国の夢である」という虚ろなスローガンを無邪気に受け入れ、信奉する人々はもはや存在しない。
追従組がいくら宣伝しても、本気で宣伝しているわけではなく、聞く側もまったくしらけている。そうした状況をシャンボー教授は「裸の王様」と揶揄した。

というのも、彼は北京の中央党校校内の書店で山積みとなっていた習近平「大衆路線」を宣伝する無料の冊子を誰も持ち帰らない風景を目撃したからだ。

 第四に習近平政権が力点をおく「反腐敗キャンペーン」だが、従来の教訓が示すように、成功する見込みは殆どない。
一党独裁体制の弊害、透明性を欠いた経済運営や、会社情報操作、政府が統制するメディアや、法治の欠如が原因だが、それだけではない。

反腐敗キャンペーンと喧伝しながらも、その標的が偏っている。
すなわち習の権力闘争が密接にからむ反腐敗キャンペーンは江沢民元主席に連なる人々を選択的に追及しているため、かえって政治的軍事的なリスクが高まるという危険性がある。

中国のゴッドファーザーでもある江沢民元主席は胡錦涛政権の十年間「院政」を敷いたが、いまだに健在である。

他方、習が自派閥を持たず、権力基盤を強固としていない段階で守旧派、最大利権集団の上海派を標的としたことは、無謀ともいえる。
江沢民に習近平が挑むのは危険を増大させる(シャンバー教授は明言していないが、軍クーデタ、暗殺というシナリオがある)

 第五に経済構造の歪みである。
国有企業再編は遅々として進捗せず、改革の進展を阻む党機構と利益集団、すなわち国有企業や地方の党幹部が妨害にでてくるだろう。

鉄鋼、セメント、電解アルミなどの在庫がしめすように、余剰生産能力の効率的再編が進まず、三月の全人代がはじめて言及したのは「銀行とて倒産することがある」として銀行の預金者保護のペイオフを導入する政策変更があった。これから中国の銀行の倒産も開始されるだろう。
 
これらが、いまの中国情勢をさらに複雑にさせ、状況は混交し、やがて共産党の支配体制を終焉に導くことになる

 「共産党の統治に対して中国の民心がすでに離れつつあることを考えれば、中国共産党の終盤は近い」と同教授はウォールストリート・ジャーナルに寄稿したのだった。
            ○○○○ ◇ ○○
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1222回】  
   「最モ困却セシ者ハ便所ニテアリシ」(曾根2-3)
曾根俊虎『清國漫遊誌』(績文舎 明治十六年)
 
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 「同文同種唇齒ノ國」、「怨みに報いるに徳を持ってす」、「日本人民も中国人民も同じく日本軍国主義者の被害者だ」に共通するものはなにか。それは《口先外交》である。軍事力にせよ、昨今の日本で流行りのクール・ジャパン式ソフト外交にせよ、やはり先立つモノが、それ相応に必要だろう。ことに兵器は莫大な予算がなければ備えられない。だが、《口先外交》は一銭も要らないうえに、相手の心を支配してしまう。心を支配すれば相手から靡いて来るわけだから、後は煮て食おうが焼いて食おうがお好み次第。俗にいう“鴨葱”というヤツだ。費用対効果を考えても、これほど安上がりで効率的な外交はないだろう。相手(この場合は日本)が敵意を持たないばかりか、こちら(この場合は中国)の言うがまま。明治期以来、じつは日本は《口先外交》に翻弄されてきたといえるのだ。

「同文同種唇齒ノ國」である日本と清国の兄弟国が力を合わせ「歐米ノ凌辱」に対抗すべしという曾根の考えが、後に盛んになる「アジア主義」の萌芽と言えるかどうかの判断は暫く措くとして、当時の日本には一方に「巨?一?燕京ヲ陥レテ後ニ止マン」、一方に日清両国は「兄弟」であればこそ「家庭ニ葛藤アルモ豈ニ平穏ニ之ヲ治スルノ良法」を求めるべきだという2つの考えがあり、最終的には前者が後者を押さえたからこそ、明治政府は台湾出兵に踏み切ったということだろう。

これに対し清国側は、自国が置かれている悲劇的情況を深刻に捉えるわけでもなく、相も変わらず過剰なまでの大国意識。そうでなければ、「東洋一點彈丸ノ小島・・・〔中略〕小國ノ大國ヲ侵ス豈ニ勝ツノ理アラザランヤ(東洋[にほん]なんて弾丸一粒ほどのチッポケな小島だ。戦争せずとも降伏させてやる。どだい小国が大国に戦勝しようだなどと、ふざけ切った話だ)」などと嘯いたままでいられるわけがない。この自己認識や自己省察なき誇大妄想癖もまた、かの民族の特徴の1つ。彼らの夜郎自大ぶりが何とも滑稽だが、《口先外交》は冷徹な計算に支えられていることも忘れてはならない。敵を侮るな、である。

閑話休題。おそらく日清両国闘うべからずという主張が退けられたからこそ、曾根は「杭州ニ遊ヒ鬱ヲ西湖ニ洗ハン?ヲ約シ」て上海を後に「清国漫遊」に一歩を踏み出したはずだ。

舟で進み、時に陸に上がり、また舟に戻る旅だった。何処に行っても曾根らを囲んだ老若男女が「外國人々々々ト呼ビ交々去リ交々來ル恰モ朝市ノ如キ混雜ヲ極メ」た。よほど日本人が珍しかったのだろう。どこの街でも夜になると「夜中巡邏スル者アリ砲ヲ發シ鐘ヲ鳴ラシテ盗賊ニ戒備セリ」というのだから、やはり治安は悪かったわけだ。

ある街では規模は大きいものの、「人家希レニシテ荒蕪多ク處々斷橋灰壁等ヲ見ル」。そこで「土人」に尋ねると、以前は1万戸を数えた「繁華昌榮ノ村落」だったが、太平天国軍に占領されてしまった。その結果、太平天国軍攻撃に当たった「官軍ノ焼?掠奪ヲ被リ今猶舊時ニ復スル能ハザリシコソ遺憾ナリ」と。敵である太平天国軍を撃退した後、あろうことか「掠奪」を恣にする。これが清国の、いや中国歴代の「官軍」の特徴である。どこへ行っても目にする太平天国軍の傷跡だが、庶民が被った被害の少なからざる部分が「官軍」による「掠奪」であることは、もはやいうまでもないだろう。

上海から「六晝五夜」の旅の後、“地上の天国”と形容された杭州に到着する。太平天国軍の残した傷跡もみられるが、「北地ノ如ク汚衣ヲ着シ臭氣ヲ帶ビタル者アルヲ見ス」というから、杭州は曾根が10年ほど前に歩いた天津や北京ほどは汚くはなかったわけだ。

やがて念願の西湖に舟を浮かべ、岸辺の古刹に向う。大歓待された後、吾哲と名乗る大僧が語るアヘン戦争以後の惨状に耳を傾ける。
曾根の「鬱」は洗い流せただろうか
       ○○
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)AIIB(アジアインフラ投資銀行)について、日本には千載一遇の機会が到来したと思う。その理由は以下。
97年のアジア通貨危機を経て以後、宮沢首相肝いりのアジア通貨基金(AMF)構想は、米中の反対で潰されました。その両国がAIIB構想を巡り対立含みですが、ドルと元の関係から見て、どういう決着になるかは予断を許しません。
そこでわたしは以下の提案をします。//