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                 本日のテーマ「日本語人と語る」
                                     配信日 2014年12月31日(水)
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「日本語人」とは、1945年以前は日本人だった人たちで、今は単に日本国籍を有しないだけですが、「読み、書き、話す」はもちろん、心の表現まで日本語で言い表すのです。

過日、島崎先生の本を持って何人かの先生の関係者宅を訪問しました。その中の張揚烈さん宅をお邪魔した時の話をします。張さんとは、台湾に住み始めた当初からの知り合いで、既に80を越したラホヤー(お年寄り)です。島崎先生の母校である明治小学校(現大同国小)同窓会の小ざくら会台湾支部長なのです。その母校の話から話したいと思います。

大同国小は今年4月で創立115周年の佳節を迎えました。張さんが、学校側に10年來提案していた桜の木の植樹が新校長の下やっと承諾が得られたとのです。桜と言えば日本の国花であり、今までの校長先生は難色を示し、なかなか首を縦にふらなかったとか。それが昨年就任した鄭校長は桜の苗木が無料で林務局から貰えると言うのでゴーサインを出し、100本あまりの苗木を学校の校舎を挟む形に前後50本ずつ植えたのです。前は自由路の大通りに面する形で、後ろは将来線路が高架式になるので電車の窓からも花見ができるようにしたのです。

台湾はここ十年来桜の花があちこちで見られるようになりました。緑園道や自宅の近くにある小学校の周囲歩道にも何本かが植えられ花見の時期になると近所の人たちがカメラを片手にやってきたり、桜の木のそばでミニ音楽会が開かれたりするのです。

ぼくは話を聞いて、何年か後に桜が満開になったら大通りからも、電車の車窓からも桜並木が見渡せたらすごいなあと思いました。ぼくの田舎の高校は「桜並木の清き花陰~」で始まる校歌ですが、一度も満開の桜を見た覚えがないのです。
張さんは「将来母校は桜の花園になって、日本に行かなくても母校で花見酒が飲めなあ。」と目を細めて語っておりました。「でも、それまでぼくは生きていないかも。」と言葉をつなげたので、「そんなこと言わずに花見できるまで元気でいてくださいよ。何といっても桜の植樹の発起人なんだから」と励ましたのでした。

張さんのように日本語世代の人にとっては、日本人と日本語で話す機会はほとんどないので、今回の訪問を大変喜んでくれたのです。台湾人同士だとどうしても台湾語とチャンポンになってしまい最初から最後まですべて日本語で話し合うわけにはいかないようです。それがぼくのように日本人相手に話すと日本語が自然に出てくるとか。張さん宅を訪問した時は、ちょうど年末なので日本の友人に手作りの年賀状を作っているところでした。台湾では年賀状を出す習慣がないのですが、張さんはやっぱり今の日本人以上に日本的な物の考えする人なのです。交友録を見せながら、「かっては50頁あったのに今は年々少なくなってたった3頁になってしまったよ。」と寂しそうに言いながら、筆ペンで年賀状を書いていたのです。「前は毛筆で一枚一枚書いていたけど、今は手が震えて筆で書けないのでペンを使っている」とのこと。張さんだけでなく、ぼくの知っている日本語世代の人たちは毛筆が達者な人が多いのです。
きっと書道の授業があって正月には校内書初め大会などあったんでしょうね。壁には張さんが小さい頃の家族で撮った正月の写真が飾ってありました。玄関にはしめ縄が見え、写真には写っていませんでしたが、玄関には門松をたてていたそうです。昔の日本もきっとこうだったんだろうなあと思いました。戦後は日本国籍がなくなったとはいえ、張さんの気持ちはいつまでも日本人で、別れ際、「喜早さん、本ありがとう。ご苦労だったね。」と言われたので、ぼくは「本作りが趣味で、皆さんのお役にたてばうれしいですよ。余分にあげますから小ざくら会の会員に分けてください。」と答えたのでした。台湾に来る機会がありましたら、ぜひ日本語族の人たちと接してみてください。
きっと、色々な意味でプラスになりますよ。

今年一年間ご愛読有難うございました。
それでは、よき年を迎えてください。来年もよろしくお願いします。

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