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『三橋貴明の「新」日本経済新聞』
2014/12/25
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From 柴山桂太@滋賀大学准教授
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2014年も残すところわずかとなりました。今年を振り返ると、国際社会で大きな動きがいくつもありました。ウクライナ危機にISIS、南シナ海を巡る領土問題に、欧州の反EU勢力の台頭と、来年以後さらに大きく展開しそうな事件に溢れています。一言で評するなら、「地域紛争の同時多発」に振り回された一年でした。
その上、12月に入り原油価格の大幅な値下がりで、ロシアの通貨ルーブルが暴落するなど、新たな混乱が生じています。1985~6年にも原油価格が暴落し「逆オイルショック」と言われましたが、今回はその再来という見方も出てきました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141224-00064164-diamond-bus_all&p=1
1980年代の「逆オイルショック」はソ連の崩壊を早めたと言われ、97~8年のルーブル暴落はロシアを財政破綻に追い込みました。今回も、ベネズエラやロシアで大きな混乱が生じると予想されています。他方、原油安はアメリカや日本など消費国の経済に追い風になるとされていますが、さてどうなるでしょうか。
今回の原油安は、供給要因(サウジアラビアが減産に応じなかった)や需要要因(中国経済の減退など)から分析されていますが、金融要因も重要と思われます。アメリカのQE停止と、来年にも見込まれる利上げを織り込んで、資源市場からマネーが引き上げていることが原因とする見方です。
この見方を提唱している一人、経済学者のジェフリー・フランケルは、過去、アメリカの利上げ局面では常に原油(をはじめとした資源価格)の下落が生じてきたと指摘しています。
http://www.project-syndicate.org/commentary/commodities-oil-falling-prices-by-jeffrey-frankel-2014-12
過去のパターンでは、アメリカの金利下落の局面では商品価格の上昇が、金利上昇期には商品価格の下落が生じてきました。上記記事でフランケルは、ここに四つの回路があると言っています。
第一に、金利上昇局面では原油や鉱物など貯蔵できる商品の価格が下落する。金利が低いうちに採掘しておこうとするため、供給が増加するためです。
第二に、金利が上昇すると企業は在庫(原油の備蓄など)を抱えたがらなくなります。
第三に、金利が上がると高リスクの商品取引から資金を引き揚げて、国債を買い始めます。そのため原油をはじめとした商品価格の下落が生じるわけです。
第四に、金利上昇はドル高につながるため、ドル建て商品価格が下がるということです。円建てでは、それほど商品価格は下がっていません。(対ドルで見た)円安が進んでいるためです。原油安の恩恵をもっとも受けるのは、今のところアメリカということになります。
では2015年はどうなるのでしょうか。順調に原油価格が下がっていくのでしょうか。もしそうなれば、アメリカだけでなく日本にとっても恩恵は小さくないでしょう。しかしロシアがこの事態を座視するとは思えません。原油や天然ガスはプーチン政権の生命線ですから、必ず何か動いてくるものと思われます。また世界の投機マネーの動きが不安定化していますので、何かの事件をきっかけに再び商品市場に流れ込むという事態も想定されます。
『フォーリン・アフェアーズ』最新号で、今後の原油市場ではボラティリティ(価格の急変)が大きくなるという記事が掲載されています。つまり現在は、「原油の高止まり」時代が終わり、再び価格が不安定する時代を迎えたということです。私もこの見方が正しいように思います。
http://www.foreignaffairs.com/articles/142333/robert-mcnally-and-michael-levi/vindicating-volatility
原油だけではありません。来年前半にはECBの量的緩和が行われる可能性が高まるなど、為替も大きく動くものと見込まれます。国際政治も波乱含みです。つまり2015年は、国際金融市場の全体で、ボラティリティが大きくなる「不確実性の時代」が本格的に到来することになるでしょう。
ボラリリティの上昇は、投機筋にとっては絶好のチャンスなのでしょうが、地道に経営している民間企業にとっては頭の痛い問題です。先日、個人的な会話で中小企業の社長が次のように述べていました。
「円安になるのは一向に構わないのだが、急な円安だと対応できない。半年後に再び円高になるというような不安定な状況だと、事業計画が立たない。」
おそらく多くの企業人が似たような感想を抱いていることでしょう。最近のピケティブームで、不平等の問題が広く認知されるようになりましたが、極端な不平等だけでなく極端な不安定も、経済全体の運行に支障を来すという事実にもっと目を向ける必要があります。
27日に政府の経済対策が閣議決定されますが、報道では予算規模が3.5兆円とか。随分少ない数字です。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0U823I20141224
張られた伏線が一挙に回収されていくように、2015年の国際社会は、2014年の出来事がさらに大きな事件へと展開していくものと思われます。この混乱の中で国民経済をどう防衛していくのか。政治の智慧が試される一年となりそうです。
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