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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26年(2014)12月9日(火曜日)
    通巻第4416号 
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 台湾で何がはじまり、何がおわるのか?
  台北市新市長が政敵ナンバーツーを大抜擢
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 柯文哲・次期台北市長はなんと政敵であるはずの宋楚瑜・親民党主席に筆頭顧問を要請した。これは台湾政界の珍事?
国民党の連勝文候補を大差で破って台北市長に当選した柯文哲が親民党主席の宋楚瑜に市筆頭顧問を要請し、宋が快諾したという。

もとより選挙参謀には中国との統一をめざす中華思想に凝り固まった「新党」の立法委員経験者がついており、イデオロギー超克しようという柯文哲特有な人事は珍しいこととはいえないのだが。。。

宋楚瑜は元国民党秘書長であり、「台湾の田中角栄」といわれたほどの実力者だが、国民党の内紛で飛び出し、親民党を組織してきた。国会に同党は三人の議席をもち、李登輝元総統率いる台湾団結連盟と同議席数を誇る。

李登輝時代でも国民党政権であったから外省人を多数登用していたし、馬英九も李登統時代に法務大臣のポストにあった。
しかし、こうした動きは表層の珍事なのか、それとも画期的な何かがはじまるのか?

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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1167回】       
   ――「塵糞堆ク足ヲ踏ムニ處ナシ」(納富2)
   「上海雑記 草稿」(東方学術協会『文久二年上海日記』全国書房 昭和21年)

  △
「此度ノ上海行、最モ艱苦ニ堪ヘザリシハ濁水ナリ」。黄河水系の水を引き入れているから茶褐色に濁り、平坦な地平ゆえに水の流れは緩慢で、海から潮水が逆流する。だから流れが停滞するのは当たり前だが、「ソノ上ニ土人死セル犬馬豕羊ノ類、ソノ外總ベテ汚穢ナルモノヲ江に投ズル故、皆岸邊ニ漂浮セリ。且又死人ノ浮カベルコト多シ。コノ時コレラ病ノ流盛ンナリシニ、難民等ハ療養ヲ加フルコト能ハズ。或ハ飢渇ニ堪ヘズシテ死スル者甚ダ多シ。又コレヲ葬スルコトヲ得ズ。故ニコノ江ニ投ズルナルベシ。寔ニソノ景様目モ當テラレヌ計リナリ」

――淀んだ茶褐色な流れに、身の回りの家禽類の死骸のみならず、ありとあらゆる汚物が浮かんでいる。加えて死骸も。劣悪な環境、貧弱な医療施設である。猛威を振るうコレラを前にしては、もはやお手上げ。ただでさえ体力のない難民はバタバタと斃れる。だが、まともに埋葬はしてやれない。勢い死骸を川に流すことになる。水葬といえば聞こえはいいが、要するに川から海。そこで、ハイ再見(さようなら)――

あるいは一瞬、納富はエライところに来てしまったと思わなかっただろうか。だが上海の汚さは、この程度ではなかった。

「尚コレニ加フルニ、數萬ノ舶船屎尿ノ不潔アリ。井ハ上海街中纔カ五六所アリト云フ。然モソノ濁レルコト甚シ。故ニ皆コノ江水ヲ飲ム。多クノ大瓶ニ汲ミタクハヘ、石膏或ハ礬石ヲ投ジ置ケバ、數刻ニシテ清水トナレリ」

納富は山紫水明の国土からやって来たのだ。こんな「清水」を飲めたものではない。かくて「素ヨリ飲狎レザル惡水ナレバ、皆病マザル者ハナシ」。不幸にも「碩太郎・傳次郎・紋蔵ノ三人ハ終ニ病死セリ」。納富も病気になった。だが、「幸ニ同國中牟田氏ノ親切ノ看病」によって、「辛ウジテ存スルコトヲ得タ」わけだ。そこで納富は、「苟モ遠ク絶域ノ地ニ赴クニハソノ地理風土ヲ聞キ知リ第一時候ヲ考へザレバ、カクノゴトキ大難ニ逢フ」と猛省した。だが猛省だけで終わらないのが納富だ。新提案を記す。

――だから、中国にやってこようとするなら、上海だけに限らず、長江を遡行して他の都市に停泊するか、天津や香港などに入港すれば「水患」に煩わされることもないはずだ。天津、香港に加え廣州、瓊州、潮州、厦門、福州、鎮江、寧浪、漢口、台湾、牛荘も通商港として開放されている。だから、これらの港に向えば、多方面からの情報も入手でき、見聞を広めることもできるだろう――

納富は「苦難ノ餘リニ嘆息セリ」と呟く。考えてみれば、かつては「狭い日本にゃ住み飽きた、支那にゃ四億の民が待つ」などと放歌高吟し大陸雄飛を謳いあげたこともあったが、「苟モ遠ク絶域ノ地ニ赴クニハソノ地理風土ヲ聞キ知リ第一時候ヲ考へザレバ、カクノゴトキ大難ニ逢フ」との納富の体験談を目にすると、あまりにも無手勝流が過ぎたようにも思える。当たって砕けろではなく、堅実着実・用意周到こそが肝要ということだ。暴虎馮河、死して悔いなきは、これを匹夫の勇という、である。江戸末期の名倉の方が、後の世の大陸雄飛青年に較べ数段も合理的ではなかったか。

街を歩くと多くの関帝廟に出くわす。「清國ノ俗、關羽ヲ尊敬スルトコロ宣聖ヨリモ優レリ」とするが、納富もまた名倉と同じように関羽が商売の神様であることを知らなかったようだ。だが「近年天主耶蘇ノ二教盛ンニ行ハレテ、愚民コレヲ尊ブコト孔聖關羽ヨリ更ニ超エタリ」と。おそらく「愚民」にとっては、「孔聖關羽ヨリ」「天主耶蘇ノ二教」の方に現世利益があったのだろう。「耶蘇教内ノ唐人」の中には西洋留学に送り出される者もいたと、名倉は記す。「孔聖關羽」を拝んでいては、西洋留学は絶対に無理だ。確かに。
《QED》
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌通巻第4415号に「きょうは大東亜戦争開戦記念日(12月8日)」とありましたが、折角なら「大詔奉戴日」と書いていただきたかった。
「イランがISIL拠点を空爆」とのことですが、イランがイラン・イラク戦争でまがりなりにも辛勝できたのは、諜報部隊と暗殺部隊の活躍が大きく寄与していました。
部族社会であるイラクのキーマンたちを狙い撃ちしてイラク軍のベースとなっている兵士の出身地の部族社会をかく乱してじわじわと力をそいでいきました。あの諜報部隊と暗殺部隊はおそらく健在であり、ISISつまり私呼び方では「反イスラム国」(「イスラム国」と呼ぶとイスラム教徒に非礼となる。)に対してもおそらく活動を始めていることでしょう。爆撃よりこちらの方がはるかに効果的でしょう。
そこに米国との密約がおそらくあると思いますが、どうなることやら。
名越二荒之助著、拳骨拓史改訂の『これだけは伝えない武士道のこころ』(晋遊舎)の書評にペルシャとスパルタの戦いでのスパルタ軍の活躍が書かれています。
スパルタが最終的には勝利した後、スパルタ軍に参加した3000人の奴隷の功績に報いるためかれらは解放され自由民となったが、その後、スパルタで夜の辻斬りが頻繁に起き、いつの間にかそれら3000人の元奴隷は皆殺されていたということを読んだことがあります。
どの本かは忘れましたが、岩波文庫のあるプラトンの著書に載っていた訳注にそう書かれていたと記憶しています。
殺したのは、かれらの元戦友ではないと思いたいのですが、だれがやったとしても人間の汚い面を表しています。「そこまでするのか」という思いがあります。
(ST生、千葉)

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