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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26年(2014)12月8日(月曜日)
    通巻第4414号 
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 「ロシアの長期的繁栄は約束されている」とプーチン大統領
  「ルーブルの下落は投機筋のスペキュレーションだ」と連邦議会で演説
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 西側の制裁により、経済が陰った。くわえて原油市場の下落はロシア経済のアキレス腱を打って通貨ルーブルは秋から三割前後も崩落した。
 ウクライナ経由のガス輸出は激減し、産油国の意図的な原油価格値下げが追い打ちをかけて、ロシア経済は元気をなくしている。
 それでもプーチンのロシアは意気軒昂である。

 プーチン大統領は12月4日、連邦議会1100名の議員をあつめて、クレムリン宮殿で演説した。
 「ロシアは成熟した国家であり、『名誉』をもとめ、『正義』を確立するための行動をとる。2014年の政治的成果はクリミア再統合であり、偉大な文明を永遠に尊重したい。ロシアは同時に多元的価値観を尊重し、周辺国を尊敬しているが、ウクライナで起きている『人権』と『暴力沙汰』は西側の偽善である。ロシアはウクライナに320億ドルの経済支援をしており、これからも継続されるだとう」として欧米のウクライナ支援とロシア制裁を強く批判した。

 また西側のロシア経済制裁は、「対抗したロシアの農作物輸入禁止、ガス輸出減によって制裁側にも大きな被害をもたらしているのであり、自らの孤立をロシアは望まない」とし、自らが孤立の道を歩むのは弱さの表現である(つまりロシは欧米の制裁には屈しない)。またルーブルの暴落に関しては「欧米投機筋のスペキュレーションであり、ロシアは変動相場制度を変更しない」と高らかに否定した。

 ロシアナショナリズム丸出し、しかし、これがロシア人の結束と団結を促していることは事実である。

 武器開発にしても「ロシアは最新鋭の武器開発レースには加わらない。ロシアはすでに軍事大国であり、ロシアの超大国としての位置は変わらない。米国のミサイル・デフェンスはロシアへの脅威とはいえ、話し合いの扉はいつでも開いている」と付け加えた。

 「成長ゼロ」という西側の仕掛ける「罠」には嵌らず、今後の成長は露西亜国民それぞれの資質に帰すものであり、組織依存、無責任という過去の過ちを克服する努力を怠ってはなるまい、とプーチンは道徳家の門限もわすれずに付け加えた。

 「ロシアが目標としているのは健全はファミリー、すこやかな国家である。伝統を受け継ぎ、前向きに安定社会を建設し、同時に進歩を追求し、いずれの国家も尊敬し、長期的国家戦略もとに前進すれば、繁栄に導かれるだろう」として演説を締めくくった。
 
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 ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ 
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 中国がアメリカを越える日は実現しない 
  むしろ若い、活気のある発展が展望できるのはインドだ


加瀬英明『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(詳伝社新書)
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 米国内でも「やがて中国がアメリカを抜きさって世界一の大国になる」と本気でのたまう学者、ジャーナリストが大勢いたが、いまは影を潜めたという。
中国を敵視する政治勢力の方がアメリカでは強くなった。共和党は議会で上下両院を制したためオバマ大統領は完全な死に体である。
 しかも全米最大の週刊誌『TIME』がオバマを「これほど信じられない無能な大統領」とまで酷評した。
 「就任直前の世論調査で、82%の高い支持率を記録した」オバマは、まさに「帚星のように現れて、大統領として選出された」が、それは「現世離れした救世主信仰」(20p)によってもたらされたかのようだった。
 オバマ大統領は「帚星」、なるほど。『救世主信仰』も納得できる微妙な表現だ。
しかし『チェンジ』も「イエス、ウィキャン」という経文も見事に色あせ、国民の大半がオバマにそっぽを向いた。だがしかし、この無能大統領が、あと二年も世界一の超大国を牽引するのだ。
空恐ろしいことである。
 加瀬氏の新著はいつものように文体が独特で、しかも深刻なほどの諧謔、そのユーモラスな表現の行間に潜む鋭角的批判精神が随所に発揮される。
 アンクルサムはまるで「アコーディオン」だと比喩する箇所など笑いをこらえる必要がある。「アメリカは外へ向かって力をふるうかと思うと、そのうち勢いあまって失敗して縮こまる」
 中国の未来に関して加瀬氏の予測は悲観的だ。
 「私は中国の現体制が長く存続することはないと見ている。中国の現体制が崩壊するときに、アジアが大きく揺さぶられることになろう」
そして「インドが大きく発展して、中国と入れ替わって、アジアの巨人経済になると思う。中国はきわめて脆弱な一党独裁体制のもとにおかれているが、対照的にインドは民主法治国家」だからだ、とする。
 数学の天才が多いインドには独創的な発明をする風土があり、大学は多く、学問の自由がある。
反対に独裁国家の中国では自由な学問が成立しないため独創的発明ができないゆえに工業の発展に限界がある。
そのうえ人口構成も若いインドと、高齢化少子化の中国の現実をみれば、近未来の発展予測は真逆ではないか、とインドの高度成長を見据えるのだ。
 アメリカの将来にも意外と楽天的な見方が本書の基調をなしている。

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 ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ 
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 北朝鮮の崩壊を懼れているのはロシアと中国であり、
  他方で中国はアメリカをアジアから排除する大戦略を持つ


井尻秀憲『中国・韓国・北朝鮮でこれから起こる本当のこと』(育鵬社、発売=扶桑社)
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 本書は台湾専門家の井尻教授が予測する近未来の中国と朝鮮半島の展望である。
 上記加瀬氏は中国に悲観的だが、井尻教授はやや楽天的である。
 習近平の野望はアジアからアメリカを排除することにある、と確信する井尻氏は、その政治的資質を意外に高く評価してこういう。
 政敵をまず排除し、党内に権力基盤を築くために習は反腐敗キャンペーンを組織して、薄煕来、周永康を失脚させたが次の対象はどうみても江沢民だろう。かれは「共産党トップに立ちながらも自己の野心と様々なコンプレックスも併せ持つ特異なリーダー」であるがゆえに「宇宙、海洋、サイバー空間の分野での安全保障を重点政策として、能力強化に乗り出した」。
 だから「党と軍に四つの組織を新設し、―安全保障委員会、―国防軍隊改革深化、―中央改革全面深化、―中央インターネット安全情報化グループのトップに就任した」わけだ。
 そのうえで習近平は「アジア新安保はアジアの地域安保=アジアはアジア人で守る」「中国主導で、中国を封じ込めようとするアメリカに対抗し、日本とは政経分離で、政治は語らないが、経済では日本と交流する」という戦略が発動されている。
 また北朝鮮は崩壊の危機に直面しているが、そのことをおびえているのがロシアと中国であり、尖閣への軍事行動の暴発を避けようとしているのも習近平であるが、軍への制御が効かないと分析されている。
 客観的事実をれっきした上での学術的手法による未来予測であるだけに説得力がある。

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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1165回】   
  ――「入唐シ玉フハ室町氏以来希有ノ?・・・豈一大愉快ナラスヤ」(名倉12)
名倉予何人「支那見聞録」(『幕末明治中国見聞録集成』ゆまに書房 平成九年)

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 「頑固ニ―西虜ヲ悪ム」が余りに西洋を「厭フモノ」も困るが、やはり忌むべきは「本朝ニアリナカラ本朝ヲ尚フノ意モ無」い「西虜ヲ称誇」する輩だろう。名倉の時代から150年余が過ぎた現在では「西虜」に加え「米虜」「中虜」「露虜」「韓虜」などなど様々な「虜ヲ称誇」し得意然と糊口を鬻ぐ輩が後を絶たない。だが、この種の振る舞いの根底に、日本人が気づかぬままに刷り込まれてしまった屈辱的思考方法が潜んでいるはずだ。

 その「虜」について名倉が問うと、上海の西門守護役人の陳汝欽は「佛則模英則驕魯則泰ト云ヘリ」。そこで名倉は「是亦吾輩所見ト相符セリ」と。つまり名倉もまたフランス人は「模」、イギリス人は「驕」、ロシア人は「泰」と見做していたということになる。イギリス人は態度がでかく、ロシア人は物事に動じない。さてフランス人の「模」だが、極く普通に考えれば標準的で当たり障りがないとなるが、洞ヶ峠タイプとも考えられる。

 名倉は太平天国軍との戦いに臨んだ武将の話に耳を傾け、練兵場に足繁く通っては清国軍の操練からも何かを学び取ろうとする。

 「許多ノ戎行ヲ経歴シ来タル武功将軍(中略)等」の考えは、「実戦ニ臨テハ陣法隊名等ノハ論スル所ニ非ス只兵卒ノ先ス奪敗セサル者勝ヲ得ナリ」と共通していた。だから過去の戦歴を考究し具体的に陣形を動かして実戦さながらの演習することはもちろんだが、やはり実戦と訓練は違う。「両陣會戦ノ際只虚々実々ヲ以テ勝敗ヲ決スト云ヘリ」。戦場での勝敗は、指揮官による用兵の巧拙・優劣にあるということだろう。

 混乱した戦場で隊伍を機能的に動かすにために日本でも「金鼓旌旗」が使われるが、清国軍の操練をみるに極めて簡素化されている。「実戦ニ馳シ用ユル真操ノナレバ如此簡易ニ形容ヲ粧ヒ飾等ノナシ」。戦況が時々刻々と変化する戦場においては、命令伝達は簡単明瞭・緩急自在・周知徹底が肝要だ。ところが太平の世に慣れ実戦から遥か離れた日本における用兵法は巧緻を競う余り指揮官の意思が伝わり難く、兵卒を自在に動かせない。

じつは名倉は「是マデ実戦ニ施ス所ノ真操ヲバ看タルナ」かった。彼が日本で学んだ兵法は精緻に過ぎる。だいいち兵卒だって覚えにくい。戦場で兵卒が動かなければ敗北は必至となる。「今本朝ノ操法ノ如クニテハ金鼓ノ約束歩法ノ疾舒亦甚タ六ケ敷?無益ノニ工夫ヲ費ヤシ力ラヲ用ユルアリ又士卒モ学ヒ難ク覺ヘ易カラズ」。やはり「今本朝ノ操法」は実戦向きではなかった。「只甲越長沼流杯云ヘル兵法ノミ骨折テ金鼓ノ約束歩法ノ疾舒等マデ之ヲ善シト思」っていたが、清国軍の「操法ヲ看ルニ及ンテ大ニ発明セシアリ」と。やはり「本朝ノ操法」に革命を起こさなければダメだ。名倉は大いに悟る。//