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『三橋貴明の「新」日本経済新聞』
2014/12/01
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From 三橋貴明
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【今週のNewsピックアップ】
●ユーロ国債「金利」暴落!
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11957876916.html
●EUの投資プログラム
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11958298281.html
日本の経済や政局も大変なことになっていますが、ユーロ圏も負けてはおりません。ユーロ圏全体の11月のインフレ率は、0.3%(見込み)。五年ぶりの低水準になりました。
国別でみると、ドイツが0.5%、スペインは▲0.5%。ちなみに、ECB(欧州中央銀行)が提示しているインフレ目標は、2%。
インフレ率が2%を切ると、ECBの基準で「物価安」、1%を切ると「デフレ化の危険ゾーン」という定義になります。すでにして、ドイツまでもが「危険ゾーン」に突入し、スペインは完全にデフレ化しています。10月の数値でいえば、ギリシャが▲1.8%と、「深刻なデフレ」の段階に至っています。他のユーロ諸国も、先頭グループであるギリシャ、スペインを猛追し、物価上昇率が一国、また一国とマイナスに突っ込んでいるのです。
インフレ率が低迷する反対側で、ユーロ諸国の国債金利が「暴落」しています。すでに長期金利1%割れ国となっていたドイツに続き、フランス、オーストリア、オランダ、ベルギー、そしてスウェーデンの五か国までもが、長期金利が1%を割り込んでしまったのです。本稿執筆時点のフランスの長期金利は、0.97%です。
インフレ率が低迷する反対側で、長期金利が極端に下がる。誰も金を借りない。設備投資をしない。モノやサービスを買わない。だから、物価が上昇しない。
銀行は、積み上がる預金の貸出先に困り、政府に貸し付ける(国債を買う)結果、金利が下がる。金利が下がっても、誰も金を借りない。設備投資をしない。モノやサービスを買わない。だから、物価が上昇しない。
まさに、どこかの国で発生した現象が、そのままユーロ諸国で起きつつあるわけです。
インフレ率の低迷を受け、ECBは量的緩和を拡大することになると思いますが、バブル崩壊後にデフレ化した国では、金融政策の拡大が実体経済における投資拡大に「結びつきにくい」状況が生まれます。どれだけお金がじゃぶじゃぶで、金利が低くても、企業経営者は儲からないと判断すれば投資をしないのです。そして、儲からない環境とは、まさに「モノやサービスが買われない」状況になります。
事の本質は、需要の不足です。お金の不足ではありません。とはいえ、ECBはお金を発行することはできますが、需要を創出することはできません。デフレ期の需要の創出は、政府にしかできないのです。すなわち、財政出動です。
11月26日、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長が、欧州議会において、EU圏に蔓延する低成長や高失業率を解消するため、3150億ユーロ(約46兆円)規模の投資プログラム案を発表しました。210億ユーロ(約3兆円)規模の基金を設置し、投資を保証することで、民間投資を促すとのことです。
ユンケル議長は、12月のEU首脳会議で大枠を承認、来年初めの実施を目指すと語っていますが、例により財政均衡原理主義のドイツなどが懐疑的な態度をとっており、承認されるかどうかは不明です。
ユーロ圏の政府が「需要創出」の財政出動に踏み切れない場合、ECBの発行したユーロは銀行を経由して「金融経済」の世界に流れ込みます。実体経済との乖離が拡大し、いわゆる「バブル」と呼ばれる現象が発生する可能性があるわけです。
バブルは、弾けるからバブルです。バブルが崩壊すると、ご存知の通り、実体経済に多大な影響を及ぼします。
現在、日本においても実体経済と金融経済の乖離が発生しています。総選挙の結果がいかなるものになろうとも、2015年はかなり厳しい一年になりそうです。
PS
2015年の日本を考える上で、このVideoは必見です。
http://youtu.be/FYzYGcCtZpI
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