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『三橋貴明の「新」日本経済新聞』
2014/09/08
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From 三橋貴明
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●グローバル経済の勝利者、ドイツ経済の大問題
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現在、徳間書店の「2015年(仮)」執筆に取り掛かり、まずはアメリカ経済から書き始めているのですが、同国の「フィリップス曲線」は非常に「美しくない」のです。
フィリップス曲線とは、国なら国の「失業率」と「インフレ率」をマッピングし、両者がトレードオフの関係にあることを示した図です。すなわち、失業率が高い国はインフレ率が低く(あるいはデフレ)、インフレ率が高い国は失業率が低くなるという「仮説」になります。
日本の場合、実に美しいフィリップス曲線が描けます。1980年以降のデータを見ると、インフレ率が上昇すると失業率が下がり、
「インフレ率(GDPデフレータベース)2%で、失業率が2%前半に接近」
することになります。興味深いことに、日本はインフレ率が2%、3%、5%と上昇していったとしても、失業率は2%を切りません(1980年以降は)。すなわち、我が国にとって失業率2%とは「完全雇用」である可能性が高いのです。
逆に、インフレ率がマイナスとなり、デフレが深刻化していくと、失業率は上昇します。もっとも、日本の失業率は「今回のデフレーション」の期間、ついに6%を超えることはありませんでした。
日本の失業率は2%から6%の間を推移し、インフレ率と極めて強い相関関係を保ちながら動くのです。それに対し、アメリカは「一応」フィリップス曲線が成り立っているように見えないこともないのですが、日本ほど美しい曲線にはならないのでございます。
フィリップス曲線が「美しくなる」ためには、
「インフレ率が上昇し、景気が良くなると、国民が働き始める」
必要があります。当たり前ですが、国民が働こうとしない(厳密には「労働市場に参加し、職を得ようとしない」)場合、インフレ率と失業率のトレードオフの関係は成り立たなくなります。すなわち、インフレ率が健全で好景気に見え、実際に職があるにも関わらず、国民が労働市場で職を得ようとしない場合、フィリップス曲線の「美しさ」は消滅します。
細かい話をしておくと、フィリップス曲線における雇用指標は「失業率」です。生産人口の中で労働市場に参加している人、すなわち「労働人口」における失業者の割合が失業率なのです。というわけで、インフレ率が上昇し、景気が良くなると、非労働人口が労働市場に参加することにより、一時的に失業率が上昇するというケースはあり得ます。また、現在のアメリカは、FRBのイエレン議長も指摘していた通り、労働参加率の低下という「大問題」を抱えています。
そういう意味で、単純に失業率とインフレ率を組み合わせることで、フィリップス曲線を描くことは不適切なのかも知れません。むしろ、就業率とインフレ率を組み合わせた方が、正しい現状認識が可能なように思えます。
ちなみに、昨今の日本はインフレ率が上昇することで、失業率が改善し、しかも労働参加率が上昇していっています。これは、実に素晴らしい話です。日本国民の勤労意欲は、未だ失われていなかった、という事実を示している可能性が高いのです。
いずれにせよ、アメリカも日本も特定の経済指標のみを見て、
「アメリカ経済は○○である」
「日本経済は○○である」
などと、決め打ちした現状説明をすることは不可能です。正しく現実を知るためには、複数の指標を用い、多面的に現状把握に努める必要があります。すなわち、相対化です。
というわけで、三橋は「毎年の相対化活動の総決算」ともいえる徳間書店「201xシリーズ」執筆のため、数字やグラフと格闘中なのでございます。
PS
日本人が知らない本当のチャイナ・リスクとは?
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