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■第1247話 お江戸の浮世風呂

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 時代が変わると、これまで使われていた言葉が「死語」になります。

 本文の最初に登場する「貰い湯」もそのひとつです。

 以前は自宅に風呂がある家は多くはありませんでした。

 しかし、近くに銭湯がない家もありました。

 それで、風呂のある家に頼んで、風呂に入らせてもらったのです。

 当然ながら、その家の人が入った後です。

 それでも、風呂に入れることは贅沢な気分にさせてくれました。


 今回は以下のメールマガジンに掲載された内容の転載です。

  メイル・マガジン「頂門の一針」2523号 2012(平成24)年2月17日(金)

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お江戸の浮世風呂
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    平井 修一

 子どもの頃に近所の本家で“貰い湯”をした。

 小屋造りの五右衛門風呂で、庭を眺めながら虫の声などを聴いていると子供心にも風情を感じたものである。

 日本人は風呂が好きだ。

 貰い湯の 五右衛門風呂に 虫の声

 風呂の語源は「室」(むろ)で、それは蒸し風呂、サウナである。

 江戸時代になると湯船(湯漕、浴槽、湯殿)と蒸し風呂を併用した銭湯(湯屋)が増えていく。

 当初は永楽銭1枚で入れたから銭湯という。


 玄関を開けると土間があり、番台でお金を払い、脱衣所へ。

 棚に履物と着物を置き、その先が洗い場。

 一番奥が浴槽部屋で、お湯が冷めるのを抑えるためと蒸し風呂効果を高めるために出入り口は小さく、腰をかがめて入る。

 この出入り口を「ざくろ口」というが、明り取りが小さいことと湯気のためにほとんど視界ゼロだった。

 このために先客は咳などして所在を示し、新客は「田舎者でござい(無礼があったらごめんなさい)」などと声をかけて浴槽に入った。

 入り口近くに浸かっているといきなりイチモツが顔にあたる危険があったという。


 湯気は洗い場にも流れてきたから霧の中のように視界不良だった。

 だから混浴でも問題にはならなかったのだが、「幕末の古老の談話によれば、もし間違ってどこかのお内儀の尻に指先でも触れようものなら、脳天から怒声と水をブッ掛けられのが必至。

 目が合うだけでも痴漢呼ばわりされかねないから緊張したそうです」

 (杉浦日向子「一日江戸人」)


 銭湯の2階は男専用の休憩室だった。

 寛いだり酒食を楽しめ、湯女(ゆな)という私娼もいた。


 客の背を流す男の奉公人を「三助」というが、別名「湯番頭」で上級職だった。

 奉公の初めは燃料集め、下足番、やがて炊き番、岡湯番(上がり湯番)、そして三助に昇進する。

 釜焚き、湯加減の調整、番台の「三」つの役を「助」けたから三助だという説もある。

 三助には能登(石川県)、越中(富山県)出身者が多く、番頭さんだから高給取りで、やがては銭湯の株(営業権)を買って経営者になる者が少なくなかったという。

 大出世だ。


 明治政府は混浴の風習を外国人に蔑視されるのを嫌い、明治2年(1869)に東京に、翌年には全国に混浴禁止を通達したが、なかなか改まらず、明治22年になってから東京その他の都市ではどうにか禁止に至った。

 それでもなお、地方の温泉地などの多くでは混浴が当たり前という時代が昭和30年代まで続き、九州や東北では今でも混浴が残っている温泉も多いという。

 各地方自治体の制定する公衆浴場条例では10~12歳以上は混浴禁止のようである。

 (参考:大日本百科事典、ウィキ)


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第1247話)(2014年09月05日号)

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