[AC論説]複雑な台湾の政治事情


 アンディ チャン

産経新聞によると安倍首相の「安保ダイヤモンド構想」は完成間近だそうで、まことに心強い。ベトナムとフィリピンも入れれば私のPASEA構想と同じになる。米国、殊にオバマは期待出来ないから日本が主体になってやるべきだ。

アジアの平和は中国の覇権侵略を防ぐことだが、最も重要なことは台湾が中国に併呑されないことである。台湾が併呑されたら防衛線が総崩れになる。

それなのに台湾人の政治家、評論家は国際問題に関心がなく、選挙しか関心を示さない。台湾の政治事情は複雑で、民進党が中華民国の政権を取っても中国の影響から抜け出せないばかりか、親中路線を取る可能性が高い。選挙に勝っても中国に併呑されれば台湾人は中国の奴隷になり、アジア諸国も平和でなくなるしアメリカにとっても一大脅威である。

●アメリカの責任

台湾の複雑な事情はアメリカに大半の責任がある。アメリカは中華民国を承認しないから中華民国の代わりにタイワンと呼ぶようになったが、台湾独立を援助せず中国の恫喝を恐れて台湾人に「海峡両側の平和な解決」を呼びかけ、それ以上のことをしない。中国が台湾併呑をやめない限り平和解決はありえない。

台湾が独立すれば中国が武力で恫喝すると言うからアメリカは独立に賛成しない。中国の脅威に対抗できないのである。中国は武力でなく経済侵略で併呑を図るが、米国が黙視しているため、慢性的に併呑され平和が総崩れになる。

民進党は選挙に勝つため中国に媚を売る。台湾人は媚中に反対だが中国人に政権を取られるよりはマシと思っている。媚中政権はいずれ併呑される。民進党に反対して独立運動を進めると米国の反対が怖いし中国の恫喝も怖い。

●八方塞がりの台湾

独立にはどうしてもアメリカの援助が必要だが、アメリカは介入したくないから現状維持を強要する。いつまで現状を維持するのか、いつまで維持できるか?現状維持が出来なくなったらどんな結果になるのか。

選挙に頼るしかないと言っても民進党は頼りにならない。独立運動は中華民国を倒すことだが、警察も軍隊も味方につけていないから抗議は警察に弾圧される。ヒマワリ学生運動は平和な抗議運動だったが民衆は声援しても参与しないから後続の運動がない。しかもアメリカは助けてくれない。

民衆運動は平和な抗議運動だからアメリカは反対も賛成もしない。
民衆運動がもっと大きくなればアメリカは援助するかもしれないが、決まった行動方針がない。つまり現状とは八方塞がりである。

●台湾の軍隊事情

アメリカは台湾関係法で台湾が中国の武力攻撃を受ければ武力で阻止する決心があるという。中国の武力攻撃が始まったら台湾の軍隊が一時的でも攻撃を阻止しなければならない。だが今の台湾の軍隊は殆ど役に立たない。

台湾軍の装備はアメリカが提供したものである。陸海空の軍備は相当の数量を持っているが、いずれも老朽化している。タイワン政府も台湾人の政治家もアメリカに最新装備の提供を要求しているが、最新武器の提供はタイワン軍部に問題がある。アメリカが提供を渋る理由は新式武器を持って中国に逃亡する軍人がいることだ。軍人には最新機密を中国に売る者もいる。新装備を売らないのではなく、売ったらアメリカの新技術、機密、防衛計画なども中国に盗まれる。

装備の他に台湾の中国人軍人は台湾防衛の決心が薄い。兵士の問題より高級幹部が中国に対する士気を喪失しているからである。台湾軍の高級幹部は中国人が多く台湾人が少ない。中国人の幹部は機密を守れない。退役した最高級の将軍たちが中国を訪問して中国の軍人幹部と歓談し、台湾軍の退職金を続けて貰いながら中国に移住する幹部も居る。台湾軍の機密は筒抜けである。

こんな軍隊が中国と戦争したらアメリカの援軍が来るまで、数日内に降参するかもしれない。敵に寝返って味方を攻撃するかもしれない。アメリカはこんな事情を知っているのか、どんな対策があるのか。台湾人にはどんな対策があるのか。

●独立運動に不可欠な要素

選挙だけが独立運動ではない。台湾独立にはいくつかの不可欠要素がある。だが不可欠要素を真剣に探る指導者が居ない。今の独立運動はたくさん主張があるのに大切なことをやっていない。台湾独立運動は意見が多く互いに非協力的で統一した主張と行動が取れないのが問題だ。以下に述べる諸条件を実施出来る指導者が欲しいと切に思う。

まず第一に、台湾独立には米国の援助が必要だが米国の曖昧政策で実際行動は何もしていない。現状維持は中国の経済侵略と人口侵略を防ぐことが出来ない。台湾の存亡はアジア、米国の危機であると米国に知らせ、米国の台湾独立を援助を要請すべきである。

ロビー活動は台湾人の独立主張を援助させることだが、一部のグループ、TCGやTGUSAなどはSFPTの第23条に依れば米国が台湾の占領権を持っていると主張し、米国の責任を追及する態度を取っている。

SFPTには米国が台湾の占領権を持つと書いていない。アメリカは台湾の占領権を持っていない。米国に頼るくせに米国を譴責して相手を怒らせるだけである。しかも譴責する理由が間違っている。このグループの主張は無益有害である。林志昇のTCGグループは台湾は日本天皇の領土であると主張しているが根本的に根拠がない。このグループも無益かつ有害である。サンフランシスコ平和条約の内容を調べればすぐにわかる嘘で一部の台湾人を騙せても米国や日本は騙されない。

台湾独立運動は米国の支持だけでなく、日本や東南アジア諸国の援助も必要である。台湾人は選挙に没頭して国際外交を無視している。
これではアジア諸国の応援と支持が得られない。

台湾国内で選挙より大切なのは独立意識を高めて人民の一致行動を呼びかけることだが、主張がまちまちだから民衆は独立意識があっても参加しない。人民が参与しなければ何事も成功しない。

独立運動は公務員、警察と軍隊の宣伝に力を入れるべきである。歴史が証明するように政府反対運動は警察と軍隊の参加がなければ成功しない。





『台湾の声』http://www.emaga.com/info/3407.html