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■第1230話 鰻は夏ではなく冬が美味なのだ(前編)

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 日本料理の代表のひとつが「鰻の蒲焼」です。

 「代表」とは言っても、それほど古い歴史はありません。

 江戸時代後半の登場です。

 しかし、当初は下層階級の食べ物でした。


 今回は以下のメールマガジンに掲載された内容の転載です。

  メイル・マガジン「頂門の一針」3376号 2014(平成26)年7月26日(土)

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鰻は夏ではなく冬が美味なのだ
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        渡部 亮次郎

 土用の丑の日や夏バテ予防に食べられるが実際はウナギの旬は冬で、秋から春に比べても夏のものは味が落ちる。

 「夏バテ防止の為に土用の丑の日に鰻を食べる」風習は、夏場の売り上げ不振に悩んだ鰻屋に請われて、平賀源内が考案した広告コピーが基との説がある。


 しかし夏バテを防ぐためにウナギを食べる習慣は、日本では大変古く、万葉集にまでその痕跡をさかのぼる。

 すると源内が言い出すまで、夏バテ云々は廃れていたのかもしれない。


 うなぎは高タンパクで消化もよく、日本料理の食材としても重要で、鰻屋と呼ばれるウナギ料理の専門店も多い。


 皮に生息地の水の臭いやエサの臭いが残っているため、天然、養殖を問わずきれいな水に1日~2日いれて、臭みを抜いたものを料理する(泥抜き・臭み抜きと呼ばれる)。


 1970年代、大阪勤務の頃は昼飯時、上ニ(上本町2丁目)にあった小さなうなぎ屋に入り、割いて焼く筋を見ながら堪能した。

 東京のように蒸さないので脂が多く、美味しかった。


 近畿地方ではウナギのことを「マムシ」と呼ぶが、これはヘビのマムシとは関係なく、鰻飯(まんめし)が『まむし』と訛り、それが材料のウナギに転用されたものである。


 他に、関西での調理法(正確には浜松以西)の特色である、蒸さずに蒲焼にして、飯の上に乗せた上に更に飯を乗せて蒸らす「飯蒸し」(ままむし)から来たという説、飯の上にウナギやたれをまぶすものとして「まぶし」が転じたとの説もある。


 また、ウナギという名前については鵜飼の時に、鵜が飲み込むのに難儀することから鵜難儀(ウナギ)となったという江戸の小噺がある。


 徳川家康の時代に江戸を開発した際、干拓によって多くの泥炭湿地が出来、そこに鰻が住み着くようになったため鰻は労働者の食べ物となったが、当時は蒲焼の文字通り、蒲の穂のようにぶつ切りにした鰻を串に刺して焼いただけ、という食べ方で、雑魚扱いだった。


 鰻が現在のような形で一般に食べられるようになったのは江戸後期からで、特に蒲焼は江戸発祥の料理であることから、江戸の代表的食物とされる。


 蕎麦ほど徹底した美学はないものの、「鰻屋でせかすのは野暮」(注文があってから一つひとつ裂いて焼くために時間がかかる)、「蒲焼が出てくるまでは新香で酒を飲む」(白焼きなどを取って間をつなぐのは邪道。したがって鰻屋は新香に気をつかうものとされた)など、江戸っ子にとっては一家言ある食べものである。


(後編へ続く)


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第1230話)(2014年07月28日号)

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