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『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
平成26年(2014)7月16日(水曜日)
通巻第824号
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<< 書評 >>
おどろくべし、日米安保条約の改定から半世紀を経ても『核持ち込み』の『事前協議』は一度も開かれていない、三島由紀夫の警告
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河内孝『誰も語らなかった「日米核密約」の正体』(角川oneテーマ21)
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「核は持ち込まれていた」というライシャワー元駐日大使の爆弾発言(1981年)からすでに三十三年を経過した。「密約」があったとする陰謀説的言説が日本の政官界とマスコミを蔽った。
1960年、岸内閣は政治生命を賭して不平等条約を改定し、とりあえずの政治目標を達成した。最大の問題は事前協議のことであり、集団的自衛権ではなかった。
ところが密約はなかった。存在したのは日米間の阿吽の呼吸であった。
著者の河内氏はのちに毎日新聞の記者。夜討ち朝駆けで往時の当事者に取材した。毎日新聞は特別チームを組んで、この謎に挑んだが、最終的には古森義久記者がライシャワー大使にインタビューして、この時点での結論がでた。
だが、河内氏はいうのだ。
最初から「密約ありき」という歴史観を定着させていいのだろうか? 「歴史のあやというか、微妙な、再検証すべき未解明な部分は残されていないだろうか?」とする著者は、「1957年からの安保改定交渉を跡付けながら、『それでも密約はなかった』」と明確に結論づけた、いってみれば戦後の密約史観に挑戦した画期的な労作である。
とはいえ日米間には「抜かずの剣」が存在している。
とくに米側が都合の悪い資料の公開を憚っているのだが、難関は「事前協議制度」である。おどろくなかれ、事前協議は日米安保条約改定から半世紀をこえても、まだ一度の開催されていない。
ではどうやって状況を切り抜けてきたかと言えば「安保四条の随時協議という仕組みを使って日米間で、原子力潜水艦の入港問題、米空母の母港化の問題などを事前に協議(密議)してきた」のである。
本書の指摘する歴史的変遷と外交文書、当時の取材メモなどの分析の中でも、ライシャワーが1963年に大平正芳と会見の際の討議の内容が明かされた。
そこには――。
「事前協議に言う『核持ち込み』とは、もってきて置くことで、核兵器搭載の艦船、航空機の一時立ち寄りは『核持ち込み』に該当しないのではないか」とラ大使発言に大平は見解を述べていない。
だが、国際常識から言えば、核戦略とは機密を要する性格があり、核兵器がどこにあるかなどと公開するバカはいない。もし隠し場所や潜水艦の位置が判明されれば敵に攻撃的余地をあたえ、自らを不利にするからだ。したがって、どの国であれ、政府はトップシークレットを貫く。
「外国政府に通知するはずがない。とすれば核搭載艦船の寄港や、航空機の通過について米側から事前協議を提議される可能性は、限りなくゼロに近い」と河内氏は言う。
だが、しかし。日本はこんなことでいつまでごまかし続けるのか。
自立自尊とは自主防衛、自主憲法が前提であり、吉田松陰なら、こうした欺瞞、偽善の外交を徹底して糾弾していただろう。
▲ 突如、三島由紀夫の箴言がでてくる
という思いにとらわれながら本書を読み進んでいると、最後のところで、河内氏は突然、三島由紀夫の名前をだして次の格言を引用されているのだ。
(割腹自決の一年まえ)「林房雄との対談で三島は、次のように語っている。『右翼が左翼に戦後取られたものは三つあるんですね。ひとつはナショナリズム、もひとつは反体制、もうひとつは反資本主義、三つ取られたでしょう。右翼がみんなもっていた(中略)。日本国民は自分が自主独立の国民でありたいという気持ちを一方に持ち、一方では、せっかく生活もここまで、繁栄させてきたから楽をしたい。楽をするためには安保条約もしょうがないかということはありますね』」。
だから国民は鵺的な自民党に入れてきたと三島は嘆いた。
そして河内氏はかく慨嘆するのだ。
「要は甘えを捨て、核抑止の微妙なバランスの上に立つ国際社会を生き抜く決意と智恵を日本人がもてるかどうかである。集団的自衛権の解釈変更も重要ではあるが、それは『手段』に過ぎない。だから来るべき安保再改定は、米国に対する交渉と言うよりも、日本人自身の生き様に対する内省作業になる」
(この書評は「宮崎正弘の国際ニュース早読み」7月15日号からの転載です)。
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講演会のお知らせ
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「産経新聞」編集委員の宮本雅史氏による講演会を下記の通り開催します。弊会の姉妹団体「国防問題研究会」との共催講演会になります。
記
とき 8月27日(水)18:30~20:30
場所 ホテル・サンルート高田馬場3F大会議室(高田馬場駅前)
演題 神風特攻隊出撃70年~「特攻」とは何であったのか
会費 2000円(会員千円)
主催 国防問題研究会(共催 三島由紀夫研究会)
<講師略歴> 宮本雅史(みやもとまさふみ): 昭和28年和歌山県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。産経新聞那覇支局長を経て現在同紙編集委員。主な著書『「特攻」と遺族の戦後』(角川書店)、『海の特攻「回天」』(角川ソフィア文庫)、『回天の群像』(角川学芸出版)、『報道されない沖縄~沈黙する国防の島』(角川学芸出版)その他多数
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三島由紀夫研究会 yukokuki@mishima.xii.jp
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(C)三島由紀夫研究会 2014 ◎転送自由
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