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■ 「仕事しろ」尋常でない人民日報論評の真意、集団的ボイコットに出た「幹部」たち
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先月26日付の人民日報は、
「ミスせず、仕事せず。このような幹部に何の価値があるか」
と題する論評を掲載した。
論評は党と政府の「各級幹部」の最近の仕事ぶりについてこう描写する。

「今、一部の幹部は仕事への情熱を失い、仕事ぶりが手ぬるくてやる気はまるっきりない。
ミスさえ起こさなければよいと思って、進んで仕事しようとはしない。
重要な仕事でも細小のことであるかのように取り扱い、急を要する仕事でも先延ばしにする。
その結果、本来なら推進すべきプロジェクトは停止してしまい、完成すべき仕事は放棄されたままである」

共産党機関紙の人民日報が共産党幹部の仕事の怠慢ぶりを暴露して「そんな幹部に価値あるか」と問い詰めるのは尋常なことではない。
背後には何があるのか。

習近平指導部は今政権内での腐敗撲滅に力を入れ、「トラもハエもたたく」というスローガンの下ですさまじい腐敗摘発運動を推進している。
その一方、「倹約令」を打ち出し、幹部たちによる公費飲み食いや公費旅行などを徹底的に制限している。
指導部は「整風運動」と称して各級の幹部たちに互いに批判し合うことを強制し、幹部同士の間で異常な緊張関係を作り出そうとしている。

その結果、全国の幹部たちは戦々恐々として極端な保身に走り、ぜいたくや汚職などから一時的に身を遠ざからせ、じっと嵐の過ぎ去るのを待つのみである。その一方彼らは、上から追及されるような失敗さえ起こさなければと思い、仕事は必要最小限の範囲内でこなせばよいと考えている。
厳しい取り締まりを強行する指導部への強い不満もあって、全国の幹部たちはお家芸の面従腹背で仕事に対する実質上の集団的ボイコットに走っているのである。

上述の人民日報の辛辣(しんらつ)な論評は、幹部集団のこのような煮えきらない態度に対する指導部のいらだちの表れであろう。
実際、首相の李克強氏も5月末の国務院会議で地方の幹部たちの仕事の怠慢ぶりを取り上げ、机をたたいて叱責したと伝えられている。

6月下旬に国務院が6つの省(日本の県に当たる)に中央直属の「監督チーム」を派遣して地方政府の仕事ぶりを「監督する」という異例の措置を取ったのも、こうした事情の反映であろう。

とにかく今、集団的ボイコットに走る共産党の幹部層と習近平指導部との間で、目に見えない闘いがすでに始まっている。

だが、指導部の方にはおそらく勝ち目がない。
共産党的独裁体制の中では、下の幹部が指導部に公然と反抗すれば直ちに潰されるが、進んで仕事しない程度のことならいちいち「摘発」される心配はまずない。
数十人の中央指導部が数百万人の幹部の日々の仕事ぶりに目を光らせることは物理的にも不可能だ。

「監督チーム」派遣の手もあるが、全国の各地方政府にあまねく派遣すれば何万人の人員が必要となろう。
しかしこの「何万人」の人員も結局幹部集団の一員であるから、彼らまでが進んで仕事しないなら、指導部はもはやお手上げである。

そうすると、幹部たちの集団的ボイコットの厚い壁の前で指導部はいずれ敗退して彼らと妥協する道を探る羽目になる。
そのためには、習近平指導部、というよりも習主席自身が、その肝いりの腐敗撲滅運動や「倹約令」を中途半端なところで終息させてしまう公算が大である。

しかしそれでは習政権は徹底的に「民心」というものを失って政権基盤の弱体化を招くことになりかねない。
そうすると、習主席はますます軍への依存を強めることになるから、軍人たちの政治介入はよりいっそう深刻な問題となるのではないかと思う。

( 石 平 )

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