奮闘する東電職員をおとしめる朝日新聞
今、発売中の雑誌「WiLL」に防衛医科大学校精神科学講座准教授の重村淳氏が「東電職員に敬意と労いを」というタイトルの論文を寄稿なさっています。重村さんは原発事故から二ヶ月後の2011年5月6日、福島第一、第二原発で働く作業員と面談して彼らの抱えるストレスの深刻さを感じられたそうです。原発で働いている職員は、そのほとんどが地元住民です。彼ら自身も被災者なのです。自宅や財産を失った人もいれば家族や友人を失った人もいます。それでも発電所の爆発という非常事態を前にして、自分のことは後回しにして必死に奮闘してきたのだと思います。彼らの命がけの、英雄的な働きによって被害の拡大が防げたにもかかわらず、社会の雰囲気は東電=悪、というもので、現場で働く作業員に対する心ない仕打ちがいろいろあるそうです。
重村さんの論文によれば、職員が制服のまま避難所に帰ると「おまえ、こんなところで何やっているんだ。早く原発に行って直してこい」と罵られたり、「こっちへ来るな」と言われたり、胸ぐらを掴まれたりするそうです。アパートの大家さんに「うちは東電お断り」と入居を拒否されたり、ようやく部屋を借りられたと思ったら、ドアに「東電出て行け」と張り紙をされる・・・などの実例があるそうです。彼らは東電の経営者ではありません。復興の遅れから来る被災者の怒りや焦りが何の罪もない作業員に向けられているとしたら、本当に残念なことです。
事故から3年、作業員の抱えるストレスはもう限界に達しているのではないか、と思います。最近は退職者があとを絶たないそうです。専門的な技術を持った人がそれでなくても少ないのに、このまま行くと作業のできる人がいなくなってしまうのではないか、と心配です。
作業員の苦労を労うどころか、彼らを事実に反して貶めている新聞があります。そうです! またもや朝日新聞です! 5月20日、 朝日新聞は一面トップで「所長命令に違反 原発撤退」と書き、その下に「福島第一所員の9割」 と書きました。ご丁寧に2面まで「葬られた命令違反」という大見出しです。福島第一原発の吉田所長が「第一原発の所内に限らず、近辺で線量の低いようなところに退避すること」と命令したのに、所員の9割がその命令に「背いて第二原発に撤退した」と朝日は報じているのです。
欧米のメディアはすぐさまこの朝日の記事に反応して「原発事故の際、日本人も現場から逃げ去っていた」と報じました。韓国のメディアは嬉々として「日本版セウォル号事件だ」「集団のために個人を犠牲にする日本のサムライ精神を自画自賛した日本の報道機関と知識人たちは(朝日の報道に)大きな衝撃に包まれた」と大々的に報道しました。しかし、これは事実ではありません。職員たちは吉田所長の命令に従って第二原発に撤退したのであって「命令違反で逃げた」のではありません。現場を捨てて逃げる作業員など日本には一人もいないだろう、と思います。
自らの仕事に誇りを持ち、懸命に復旧作業に取り組んでいる作業員たちはこの記事を読んでどう思うでしょうか? 吉田所長が亡くなって反論できないのを良いことに、作業員たちを貶めて朝日新聞は何が面白いのでしょうか? つくづく、この新聞は日本にはいらない、と思いました。
重村淳さんは「原発事故は一企業だけの問題ではありません。福島だけの問題でもない。事故の徹底的な原因究明、再発予防対策が重要なのは言うまでもありませんが、現在進行形の事故に対する一日も早い復旧、これは原発推進派、反対派を問わず、社会全体が共通して願うことです。現場の最前線で働いている人の健康を守ることが、一日も早い復旧に繋がるという共通認識を持ってほしいのです」と訴えていらっしゃいます。
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