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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26年(2014)7月7日(月曜日)
     通巻第4287号 
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習近平の反腐敗キャンペーンの行方にある中国の闇資金の全貌
  米国の新税法FATCAによって巨額の不法資金は摘発されるか?
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 米国の新税法FATCAは、テロ対策の一環である。
 2001年ブッシュ政権は「テロ戦争」を宣言し、「これは長い闘いになるだろう」と言った。手始めは国家安全局の設置だった。つづいてテロリストへの資金提供を食い止めるためスイス銀行など、世界のタックスヘブン、オフショア市場へ「資料提供」を呼びかけた。

 スイスは猛反発した。
中世より顧客の秘密を守ることによって匿名口座を維持してきたスイスは、情報開示に応じたら顧客を失うではないか。信用をうしなえば銀行ビジネスは立ちゆかなくなるではないか。同時にスイスの秘密口座をもつ、世界の富豪も独裁者も、また多くの闇資金の預金者も困り果てるではないか。

 米国は巧妙な政治圧力をかけつづけ、時間的余裕を与えつつ、とうとうスイスは米国の圧力に屈した。
ただし数年の間に多くの富裕層の口座はスイスから逃げた。規制の緩いタックスヘブンや、リヒテンシュタインのようなオフショア市場、ドバイの金融市場など若干の抜け道もあった。とりわけ中国の富裕層は英国領バージン諸島を中継地点として活用した。

 しかし現時点に立って過去を眺めやれば、これもまた米国の仕掛けた罠ではなかったのか。なぜならスパイ衛星がモニターしていたのは敵性国家の電話、FAX、インターネット通信ばかりではなく、銀行間の資金の移動もモニターしていたからだ。ワシントンにある「グローバル・ファイナンシャル・インテグリティ」(GFI)がデータを掌握した。
 その結果、なにが分かったか?
 世界の闇資金、不正蓄財の多くの実態が具体的な金額とともに判明したのだ。


 ▲悲鳴を上げたロシア、北朝鮮、そして中国

 第一にロシアの新興財閥が海外へ不正に送金し蓄財してきた概要を掴んだ。プーチン側近たちがスイスや欧米に隠匿していた巨額の預金、証券のたぐい。そしてクリミア併合に対してオバマ政権は「経済制裁」を課したが、その結果でてきたのはプーチンの側近十数名の在米資産の凍結であり、しずかなブローとなった。強気だったプーチンが、そのご、ウクライナ侵攻をあきらめざるを得なかった。

 第二に北朝鮮は、十年前にマカオの口座が凍結されて干上がったように、核武装の代償は独裁者の秘密資金の凍結と逼迫、もはや北朝鮮は日本の要求をのまざるを得ない立場へと追い込まれた。

 第三が中国である。
というより今後、もっとも深刻な影響がでるのは、中国である。
 中国の富裕層、というより共産党幹部らが不正な闇資金を香港で洗浄し、英領バージンン諸島を中継地点に活用して世界に投資してきた金額は具体的に1兆800億ドル。米国は、この資金の流れを掴み、秘密裏に中国に通知した。あまりの天文学的金額が海外へ逃げていた事実に習近平は仰天したらしい。1兆800億ドルといえば邦貨換算で110兆円、日本の国家予算より多いではないか。

 中国で反腐敗キャンペーンがすすみ、劉志軍、薄煕来、蒋潔ち、周永康、徐才厚らの失脚へと繋がるのだが、中央規律委員会は具体的証拠を持っているからである。

 このたび発表された米国の新税法FATCAとは何か。
 これは「外国口座税務コンプライアンス」(THE FOREIGN ACCOUNT TAX COMPLIANCE ACT)と呼ばれ、主眼は外国銀行、証券会社、ならびに保険会社にアメリカ人顧客の情報開示を義務づけるというもの。

つまり外国金融機関は5万ドル以上の資産をもつアメリカ人顧客の情報を提供することになる。
もし違反すれば、利子、配当などの所得に30%が課税される。

 中国は内示を受けて考慮したあと、米財務省と暫定協定を結び、このFATACAに参加する用意があると伝えた(ウォールストリート・ジャーナル、7月4日)。

 中国にとって一番の目標は、すでに米国永住権(グリーンカード)を取得している中国人の金銭実態を把握できる上、汚職捜査の証拠を米国から提供されるというメリット。つまり米国にあって税金のがれのための手練手管を講じてきた富裕層の実態が判明する。
 2013年にEB5ヴィザの発給を受けた中国人は、じつに71329人。「投資移民」を促進する目的の「EB5ヴィザ」の八割が、なんと中国人だったのだ。

 二番目に中国のメリットは、これからも米国への脱出計画をたてて密かに資産を移そうとしてきた富裕層、共産党幹部への心理パニックとなる。海外への資金逃避が減少するだろうという見通しである。
 
 新法FATCAは既に6月30日から実施されており、在米金融機関およそ77000が対象である。

 しかし中国人の特性は「上に政策あれば、下に対策あり」だから、もっと巧妙に税金逃れの手口を巧妙化して来るであろう。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌4286号(読者の声1)で「東海子」氏が、「日露戦争では、日本はロシアが朝鮮兵を使って日本を攻撃するのを恐れ、朝鮮を併合しました」と書かれました。
 歴史上の出来事には多くの要因があり、思惑があります。それらを一々論ずると不毛の議論になったりして、足をすくわれます。
日韓併合が起きた決定的原因は、大韓帝国皇帝が明治天皇に韓国(朝鮮)を日本に併合するように要請した手紙を書き、それに対して、明治天皇が「一視同仁」といわれたことです。
大韓帝国皇帝がそのような手紙を書いた原因は、日本政府が強要したことであるというのが韓国の歴史学者の定説です。これを根拠に韓国の歴史学者は日本を批判します。
 平成17年に韓国で韓国人の学者が、大韓帝国皇帝が天皇に併合を求めることの可否を論ずるように下問したことを受けて行なわれた閣議の議事録を発見しました。その直後に要約が発表されましたが、今では非公開です。
内容は、始めは賛否両論があったが、3時間の議論の結果全会一致で、以下の二つの問題を解決するには、日本に併合を求めるしかないということで合意したということです。
1.ロシアの軍事的脅威
2.多額の国家財政の累積債務

 一旦非公開にしたものを公開する可能性は殆どありませんが、公開を要求し続けることと、韓国人はともかく日本国民はその議事録の内容を尊重することが重要と考えます。
 さらに日露平和条約締結に際して、たとえ高い代償を払ってでも、共産主義インターナショナルが各国支部に送った指示と結果報告の資料を公開させるべきです。
 関東大震災の際、朝鮮支部に属する者たちが何を行なったのか、また、中国でどんなことをしでかしたか、これらが公開されれば、反日宣伝の多くはふっとんでしまいます。
  (當田晋也)


(宮崎正弘のコメント)同時にいま北朝鮮の「宮廷」で行われている議論も記録がとられているのなら将来、公開したら面白いでしょうね。とんでもないことが書かれているに違いありませんから。
 小生の予感ですが、現在の北朝鮮はロシア、中国から見放され、韓国とは接触する必要がなく、となれば対日政策を百八十度変化させなければならないでしょう。



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(読者の声2)貴誌第4286号の読者の声(東海子)と宮崎先生のコメントには大いに我が意を得たり、でした。
東海子様の「敵の敵は味方」戦略は当にその通りであろう。女性大統領の韓国が日本を敵視しはじめ、事大主義の伝統に回帰してシナにすり寄ったのは敵=日本の敵=シナは味方との勘違いだろう。
一方、張成沢を処刑してシナとの関係を悪化させて敵に廻した北朝鮮は、敵=シナの敵=日本を味方とみなし、温存してきた切り札、拉致被害者の解放という最後の外交カードを切るつもりになったのだろう。
このカードの有効性は北の独裁者の意向であれば間違いなく保証される。日本側でも名宰相安倍晋三の指導のもとに我が日本国の国力強化策が内的(法的)にも外交的にも着々と積み重ねられ、特亜諸国に対する抑止力として機能するに至った。
とくに北朝鮮は国際的に孤立無援、どうしょうもない国内矛盾を解決するには日本に頼る以外に方策なしという切羽つまった状況にある。
今回の拉致被害者問題に向けた北の意欲的な取り組み体制をみればその本気度が分かる。この問題は拉致被害者の全員解放という劇的展開のもとに解決に至ろう。その時、日本人の北に対する態度もがらりと変わり双方の有効ムードが一気に醸されることだろう。
北が全面的に日本を信頼し、シナへの事大主義を完全に捨て去ることができれば、或いは先生の仰言る「驚天動地のアイディア」、すなわち北の核を日本が買い、あるいは中国、韓国への抑止力へ転化させるという戦術も実現可能性なしとしないだろう。
(ちゅん)。



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(読者の声3) 「7・5ウルムチ大虐殺5周年記念講演会、講師エリキン・エメイト氏」報告と動画です。
http://uyghur-j.org/japan/2014/07/20140705urumchi_report/
 よろしければお読みになり、拡散ください
   (三浦生)


(宮崎正弘のコメント)小生も是非、出席したかったのですが先約のため伺えず気にしておりましたが、たいへん有意義な集会だったご様子。しかも短時日にまとめられたレポートと映像、非常に参考になりました。
 読者のみなさんも、このサイトを拡散してください。



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(読者の声4)六月四日に市ヶ谷で開催された「天安門事件25周年 東京集会」には小生も参加しました。熱気溢れた会の盛り上がりに感動し、また当日の様子についてはユーチューブでも見ましたが、今月号の『正論』で特集されております。
 改めて活字で各発言者の演説内容を読みなおし、当日の追体験ができました。ながく保存したいと考えております。
  (MA生、柏市)



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(読者の声5)貴誌前号にあったコメント「NZの英語をずうずう弁」と評されていますが、おそらく犯罪人の流刑の地であったオーストラリアと混同されていると存じます。
オーストラリではTodayをトゥダイ、Eightをアイトなどと発音します。これは犯罪人にロンドンの下町の犯罪人が多かったコックニーに由来しています。
しかしNZは普通の移民が基本ですから、King's Englishです。ですから、私はオーストラリアに英語の勉強に行くのはまったく感心しませんが、NZはありだと思いますし、なかなか良いところです。
(和魂洋才田中)


(宮崎正弘のコメント)四半世紀前、NZに立ち寄ったおり、カシミアのマフラーを買った記憶がありますが、免税店なので普遍的な英語が通じたのだろうと勝手に考えていました。そうですか。失礼しました。
 豪には五月に行きましたが、あの「豪語」なる英語は本当に発音を聞き取るのに苦労しました。豪語はカンガルーとイングリッシュにひっかけて「カングリッシュ」というそうです。//