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■ ベトナム衝突事件を仕掛けた中国の「黒幕」(1/4)
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南シナ海での石油掘削をめぐる中越衝突が発生して以来、関係諸国の猛反発の中で中国の孤立化が目立ってきている。

▼タイミングが悪すぎる掘削開始の不可解さ

たとえばケリー米国務長官は5月12日、両国の艦船の衝突について
「中国の挑戦だ。この攻撃的な行動を深く懸念している」
と中国を名指しで批判した。さらに5月16日、カーニー米大統領報道官は記者会見において、南シナ海での中国の一方的な行動は「挑発的だ」と改めて批判し、領有権争いをめぐるベトナムとの対立激化は中国側に原因があるとの考えを示した。

これでアメリカは、中国とベトナムとの対立においてほぼ完全にベトナム側に立つことになったのである。もちろんアメリカだけでなく、南シナ海周辺諸国の中国に対する反発も強まってきている。

5月10日から開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、中国とフィリピン、ベトナムなどが領有権を争う南シナ海問題をめぐり、関係国に自制を求める共同宣言を採択したが、首脳会議に先立つ外相会議では、南シナ海での緊張の高まりに「深刻な懸念」を表明する共同声明を発表した。
ASEAN諸国が結束して中国をけん制する立場を示したといえる。

それに対し、中国外交部の報道官は5月10日に談話を発表して反発した。
ASEAN外相会議・首脳会議の共同宣言・声明は中国を名指しで批判したわけでもなく、「関係諸国の自制」を求めているはずであるが、唯一中国だけがそれに反発したのは、要するに中国自身も、上述の宣言と声明はまさに中国に矛先を向けているものであると分かっているからであろう。

とにかくベトナムとの海上衝突の一件をもって、中国は米国から強くけん制されているだけでなく、東南アジア諸国から総スカンを食った結果となっている。
外交的に見れば、それは中国にとって大いなる誤算と失敗であると言えよう。

このような失敗はすべて、中国自らの行動が招いた結果である。
事実関係を整理すると、ことの発端はまず5月初旬、中国側が問題海域での石油掘削を一方的に宣言し実施したことにある。
それに対して、ベトナム側はまず外交ルートを通じて中国に抗議して掘削の中止を求めたが、中国側がそれを拒否して掘削を継続したことから、ベトナム船がこの海域に入って中国側の掘削を阻止する行動を取ると、中国船は逆に体当たりしてきて放水の応酬などの衝突事件に発展した。

▼混乱が観られる当局の対応

このような経緯を見れば、今回の事件は中国側の一方的な行為が原因で起きたことがよく分かるが、ポイントは、中国側が一体どうしてこのようなタイミングでこのような問題を起こしたのか、ということである。

より具体的に言えば、中国は一体なぜ、わざわざASEAN首脳会議開催の直前というタイミングを選んでこのような挑発的な行動に至ったのか、それこそが問題なのである。
ASEAN諸国の結束を促して中国自身の孤立化を自ら招く、あまりにも愚かな行動である。

5月13日付の英フィナンシャル・タイムズ紙も、
「中国とベトナムの衝突、観測筋が首ひねるタイミング」
と題する記事を掲載して、中国側がことを起こしたタイミングの悪さを指摘しているが、まさしくその通りである。

したたかな中国がどうしてこのような初歩的なミスを犯してしまったのか。
それがまず湧いてくる疑問の一つであるが、さらに不可解なのは、ベトナム船との衝突が世に知られた後の中国外交当局の対応である。

5月7日、ベトナム政府は証拠の映像を公開し、中国側の船舶がベトナム船に意図的に衝突してきたと発表、中国側を強く批判した。

それに対して8日、中国の程国平外務次官は「そもそも衝突していない」と言って、衝突という明らかな事実を頭から否定し問題から逃げるような姿勢を示している。

しかし同日午後、同じ中国外務省の別の高官が急きょ会見し、
「ベトナム側が大量の船を出し、170回以上中国側にぶつかってきた」と発表した。
つまり中国側もこれをもって「衝突があった」ことを認めたが、それは結局先の「衝突していない」という外務次官の発言を、中国外務省自ら否定することになる。この二つの発言のあまりにも明々白々な矛盾は、中国政府自身の対応がかなり混乱していることを露呈している。

・・・つづく

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