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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26(2014)年5月19日(月曜日)
通巻第4237号
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(本号はニュース解説が有りません)
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◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆
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あのスノーデンは米国から「売国奴」とののしられながら
機密情報をなぜ世界に漏洩したのか、錯誤の正義感と使命感から?
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グレン・グリーンウォルド『暴露 スノーデンが私に託したファイル』(新潮社)
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スノーデン事件は世界に衝撃をもたらし、オバマ外交は一時的に頓挫を余儀なくされた。なにしろ同盟国の指導者の携帯電話も米国は盗聴していたのだ。とりわけドイツのメルケル首相は怒った。うまい演技だったとする見方も有力だが。。。そしてクリミア、ウクライナ問題で欧米の制裁決議に温度差が露呈した。
衝撃は四つある。
第一に米国内で機密情報に接する仕事に従事している関係者は30万人とも言われているが、かれらの任務遂行を脅かした。米国マスコミ、議会はスノーデンを犯罪者扱いするばかりと想像されたが、なんと連邦議員の多くが逆にNSAの予算削減を提案した。先頭に立ったのは保守派でティーパーティに近いロン・ポール議員だった。
あまつさえ西海岸を中心にスノーデンの行為を英雄視する向きも顕著となり、ハリウッドで映画化されるという時代の空気の激減ぶりがある。アメリカはWASP主導の国ではなくなったのだ。
第二にグーグルやマイクロソフト、アップル、ヤフーがNSAに協力していたことが暴露され、世界市場で米国製が悪影響を受けた。
第三は同盟国の指導者の電話も盗聴してきた事実がばれて、米独関係が一時的に冷却するなど、計り知れない外交上のデメリットが生まれた。(とはいえ、橋本政権のとき既に米国が日本のあらゆる機関を盗聴していることを認識しており、その後、日本の政治家と高級官僚は電話での会話内容に注意しており、ドイツは知らなかったジェスチャーで外交得点をあげただけで事前から知っていたのである。ちなみに「ミスターYEN」といわれた榊原英資(当時財務官)はワシントンから本庁への電話も小銭をジャラジャラもってホテル近くの公衆電話からかけたことを回想録に記している)。
第四にスノーデンの秘密暴露によって中国と露西亜がおおいに得点を挙げた。とくに中国は習近平とオバマ会談の直前であり、米国側は中国のハッカー攻撃を正面から非難できなくなった。
またスノーデンはその後、ロシアへ亡命した。
総じて言えることは「個人のプライバシーが監視されていることであり、これはジョージ・オーエル『1984年』の世界ではないか」という不安と疑問が西側社会に広がったことである。
さて本書はスノーデンが暗号によって、筆者グレンにネットを通じて接触をしてきた時期から、これは本物という臭いをかいで香港のホテルで十日間をインタビューと検証に注ぎ込み、その過程での出来事を基軸に前半部を仕上げている。
著者のグレンはニューヨーク生まれだが、ブラジル在住で、英紙『ガーディアン』に寄稿するジャーナリスト兼弁護士。世界の機密情報の専門記者としてブログを持つ。
▲最初の暗号名は「キンキナトゥス」だった
スノーデンは最初「キンキトゥス」と名乗って接触してきたという。でも「キンキナトゥス」って?
キンキナトゥスは紀元前五世紀ごろの農民上がり、ローマを外敵から守ったが、「ローマを滅ぼすと、ただちに進んで政治権力を返上し、ふたたび農民にもどった」として英雄視される。
ではなぜ、スノーデンはスクープ先のメディアを米国の新聞をえらばす、漏洩報道メディアを英国に絞り込んだのか?
その理由はすっぱ抜きで有名な「ワシントンポスト」が「体制派メディアが政府の秘密を報道するときの暗黙のルールに律儀にしたがう」であろうと推測できたからで、また事件直後から、むしろスノーデン攻撃に躍起だった「ニューヨークタイムズ」も同じ理由。現に後者は2004年のNSAの捜査令状なしの盗聴事件のすっぱ抜きをブッシュ政権の圧力で十五ヶ月も待たされ、ブッシュ当選後に報道した「前科」があった。
しかし本書には書かれていないが、他方において米国のネット偵察により、中国の共産党高官が一兆ドルを海外に運び出して密かに隠匿している証拠もつかんでおり、また欧米が導入を禁止している中国の華為技術などが、「トロイの木馬」だと繰り返し批判されているのも、当局が「たしかな証拠」を握っているからであろう。
評者(宮崎)は嘗て拙著『ウィーキリークスでここまで分かった世界の裏情報』(並木書房)のなかでも指摘したことだが、アサンジをひたすら「英雄視」する左翼ジャーナリズムとは一線を画したいし、スノーデンの行為も素直に賞賛する気持ちはない。国家の機密を自らの明確な意志で漏らしたことは祖国への裏切りである。
古来より基本的に国家には機密があるものであり、機密のない日本が、世界の裏側におきている実態を知ることは果てしなく重要なことではある。だから本書の読後感を率直に言えば後味が悪い。
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いま、もっともホットな議論=「集団的自衛権」の公開講座
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いま、もっともホットな議論は「集団的自衛権」
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『憲法解釈の変更』?
「グレーゾーン」?
絶好のタイミングで、もっとも知りたい情報を解読します!
「集団的自衛権」で日本中は揉めています! 世界も注目している日本の安全保障、現場の参議院議員から、もっともホットな議論!
第253回国防問題研究会公開講座(三島研究会との共催です)
記
とき 5月23日(金曜日) 午後六時半(六時開場)
どなたでもご参加いただけます
ところ アルカディア市ヶ谷 会議室(看板は「三島研究会」です)
講師 宇都隆史(参議院議員、防衛大学、松下政経塾出身)
http://www.utotakashi.jp/
演題 「対中戦略と我が国防衛体制の問題点」
会費 おひとり二千円(会員は千円)
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宮崎正弘最新刊の案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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六月一日発売決定!(都内主要書店は5月30日に並びます)
宮崎正弘の最新作 『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円)
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高度成長で世界を瞠目させ、企業の中国進出がめざましかったが、力をつけるや軍事力増強を背景に横暴にして傲慢となった中国は世界から嫌われる。米国はアジアシフトへ移行し、アセアンは反中国で結束した。
しかし国内に目を転ずれば中国は汚職、公害、借金の三重苦にうめき、暴動は年間20万件、新興宗教が跋扈し、自爆テロが各地でおこり、共産党幹部は海外へ逃亡を始めた。
まさに歴史を振り返れば、いまの中国は王朝末期ではないのか? そうだ、中国の時代は終わったのだ!
まもなく予約募集を開始します
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1080回】
――「そして治療は労働者は全部無料ですよ」(木下8)
「近くて遠い国、北鮮」(木下順二『世界の旅 8』中央公論社 昭和38年)
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文学者の木下にしても、共同通信のジャーナリストの村岡にしても、その発言はおよそ文学者にもジャーナリストにも似つかわしくない。単なる政治的プロパガンダに踊らされた自動筆記機以外のなにものでもないことは、誰の目にも明らかだろう。にもかかわらず当時、木下やら村岡のダボラによって、北朝鮮が“地上の楽園”であることが華々しく喧伝され、空恐ろしくも我がメディアで大いに持てはやされていたのである。
だが、ウソは誰が口にしてもウソである。断じてウソである。決してそうとは思わないが、世間では名作の誉れ高い『夕鶴』の作者であろうとも、その人物の発言がすべて正しいわけがない。むしろウソに近い、いやウソそのものということだって少なくない。専門家は専門を離れれば素人同然、いや素人以下。にもかかわらず、その素人以下の発言が専門家の“権威”によって裏打ちされ、巧妙に商品化され、広く世間に流布される。
この繰り返しによって、やがてダボラは世間に定着し、権威を持った“定説”に変じてしまうカラクリ。これを言論の粉飾サギというべきか。いや、ウソを本当だと信じ込ませ、相手を想うが儘に操ろうというのだから、言論の「オレオレ詐欺」というべきだろう。
かく考えると、これまで見て来た米川、柳田、安倍、桑原、南原、宇野、本多、中島、中野など、一世を風靡した“進歩派”やら“良識派”の中国印象記は、まさに、それに当てはまるといっておく。あるいは、この列に大江健三郎、開高健、亀井勝一郎なども加えておきたい。
ともかくも、彼らが垂れ流した無責任極まりないホラ・ウソによって、毛沢東による独裁国家がバラ色の彩られた道徳国家に、金日成の北朝鮮が地上の楽園し粉飾されて伝えられたことは間違いなかった。
ようやく木下にとっての「きわめて充実した十日間の日程」も終わりを迎える。だが、やはり後ろめたいのか、「その間の見学は表通りを歩いただけのようなもの」であり、本当の庶民の生活に接したわけではなく、いいところだけを見せられて、感心しているという人があるかも知れない」と些か“反省の弁”を記す。だが、北朝鮮の現状からすれば「求めて欠陥を見ようとすることは、あまり意味がないようにぼくには思えます」との抗弁も。
やはり相手の指示のままに振る舞い、相手の説明をそのまま書き写した10日間だったということだろうが、トンだ「充実した十日間」であったことは確かだ。
北朝鮮から中国に戻るために新義州へ向かう列車の中で、通訳が「そらァ、現在の朝鮮は足りんとこだらけですよ」。「ただね、わたしたち朝鮮の人民には、来年はわたしたちの生活がどうなるか、さらい年はどう伸びるかということが、つまり、わかっているわけです。だからわたしたちは、こうやって苦しい中で希望をもってやっていかれるですよ」と語る。これに対し木下は、「いつわりのない実感をこめて語られた(通訳の)Mさんのこのことばは、ぼくのなかに自然にはいって来ました」と感想を持つ。//
