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    『三橋貴明の「新」日本経済新聞』

     2014/04/28


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From 三橋貴明


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●韓国大崩壊 ただ1つの理由
https://www.youtube.com/watch?v=ZK5RY5rIGs8


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【今週のNewsピックアップ】
●トリクルダウン経済学は神話だ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11829896387.html

●続 トリクルダウン経済学は神話だ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11830844605.html

変な話ですが、トリクルダウン仮説(あるいはトリクルダウン理論)とは「ナショナリズム的」です。すなわち、トリクルダウン仮説は、
「富裕層や企業に減税をすると、投資が国民経済の中に滴り落ち(トリクルダウン)、広く豊かさが『国民』に浸透していく」
という説明になっているのです。「国民」経済の成長に貢献し、「国民」を豊かにするわけですから、トリクルダウン仮説はナショナリズムに基づいていることになります。

法人税減税や富裕層減税などを推進する人たちは、「国民経済の成長」が目的であると主張しています。ならば、一つだけ、
「法人税減税や富裕層減税を実施し、企業や富裕層の可処分所得を増やし、それが『外国に投資される』ことがない」
ことを証明しなければならないはずです。

とはいえ、現実には国境を越えた資本移動が自由化されているわけで、日本国民の「損」に基づき企業などの可処分所得(企業の場合は純利益)が増え、それが「外国」にトリクルダウンする可能性は普通に存在しているのです。

不思議なことに、法人税減税の議論を見ると、「財源」の問題ばかりがクローズアップされ、「使い道」について話されることはありません。大まかにパターン分けすると、
「法人税を引き下げることで企業の国際競争力が高まり、成長する」
か、もしくは、
「法人税を引き下げることで外国企業の投資が増え、成長する」
のいずれかが「決定事項」になっており、上記を実現するための財源をいかに調達するか、こればかりが話し合われています。

バカバカしい限りです。何しろ、日本政府は1998年、1999年と二年連続で法人税を引き下げたのです。法人税引き下げで「経済成長」が達成できるならば、なぜ98年以降の日本がデフレに突入したのか、なぜ98年、99年と、二年連続で我が国の民間企業設備(国内への設備投資)が激減する羽目になったのか、説明する必要があるはずです。

更に書くと、日本の民間企業設備は、98年以降、一度も97年の実績値を上回ったことがありません。その反対側で、97年時は3兆円程度だった対外直接投資が、13年には14兆円弱と四倍以上に拡大しました。驚くなかれ、日本企業の「外国への直接投資」が史上最大になったのは、2013年なのです。
こんな有様では、法人税を減税すれば「国内に投資がしたたり落ち、経済が成長する」などと説明されても、「嘘つくな」と返さざるを得ないわけです。正直、
「法人税を引き下げても、国内への投資は増えないかも知れない。とはいえ、企業の対外直接投資は増え、外国で雇用や所得が創出されるだろう。一応、地球レベルで見ればトリクルダウンが発生しているわけで、それでいいじゃないか」
と、強弁された方が、まだしも「理解」はできます。(もちろん「納得」はしませんが)

とはいえ、当たり前の話として上記の「真実」を国民に正直に話した日には、猛反発を買うことになります。というわけで、トリクルダウン仮説の説明では、
「富裕層や企業に減税をすると、投資が国民経済の中に滴り落ち(トリクルダウン)、広く豊かさが『国民』に浸透していく」
と、いかにも「国民」のためでもありますよ~、という理屈付けがなされているわけです。無論、上記は単なる方便で、本当に国民経済のため「のみ」にトリクルダウンを実現したいならば、法人税減税と同時に「資本移動の制限」を主張しなければ筋が通りません。

が、現実に資本移動の制限を主張する政治家は皆無に近いわけでございます。

ジョセフ・スティグリッツ教授のコラムを読むと、現在はアメリカをはじめ、多くの国々の国民が「嘘まみれのトリクルダウン」に苦しめられていることが分かります。改めて振り返ると、85年頃から・小平が唱えた改革開放の基本原則、すなわち「先富論」も、まさにトリクルダウン仮説そのものでした。

というわけで、今後、政治家の方にお会いした際には、
「法人税を引き下げれば成長するとは、トリクルダウン仮説に基づいている。とはいえ、資本移動が自由化されている現在においては、国内へのトリクルダウンは発生しえないではないか!」
と、当たり前の突っ込みをガンガン入れていってほしいのでございます。三橋は日本こそが、トリクルダウン仮説に代表される「間違った経済学」の呪縛から、最も早く解放されるべき国であると、今でも信じているのです。


PS
三橋貴明の無料Video「雇用破壊」
日本人を貧民化させるのは国益なのか?
http://youtu.be/IsJZZaD-rPQ


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