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西村眞悟の時事通信
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ロシアと欧米、馬淵論文に注目せよ
No.960 平成26年 4月18日(金)

 ウクライナ情勢とクリミアのロシア併合に関して、我が国に入る外電は、ほぼ全てウクライナのこの度の事態を、
親欧米の民主勢力と親ロシア勢力との衝突と観たうえで、
ウクライナの民主勢力をロシアのプーチン大統領が武力で弾圧しようとしている、
プーチンのロシアは、百五十年前にクリミアに軍隊を南下させた帝政ロシアに回帰して再びクリミアを武力で併合した、
と伝えている。

 しかし、民主勢力と専政勢力との衝突というお決まりの次元で、このウクライナ情勢を眺めて対処するだけでは、我が国は国策を誤る。
 このウクライナの危機の本質を、見事に摘出した論文がある。
 それは、「正論」五月号に掲載された
 元ウクライナ大使の馬淵睦夫氏が書いた論文
「『ウクライナ』で怯むな!
  対露外交を深化させる世界的意義」である。
 この馬淵論文を、諸兄姉に、是非お読みいただきたい。

 とはいえ、本論文の骨格を記しておく。
 ウクライナ危機の本質は、ロシアの石油と天然ガスの天然資源を誰が支配するかを巡るロシアと欧米との戦いだ。
 その上で、馬淵氏と親しいウクライナの大学教授は、「今回のウクライナの騒動は、マフィアとマフィアの争いだ」とシニカルに見ていた。
 ウクライナの政変は、「民主化運動」ではなく民主化の衣を着た民族政権転覆活動で、その背後にアメリカがいる。

 ソビエト崩壊後に生まれた新ロシア市場経済を目指し急激な市場経済化を実施したが、これを主導したのはアメリカの新自由主義経済学者のグローバリスト達だった。
 その結果、価格統制を外したので年率三百倍というハイパーインフレが起こりロシア庶民の生活は窮乏し、
同時に石油を含む国営企業の民間への払い下げは、一夜にして新興財閥成金を生み出し、ロシアは超格差社会に一変する。
 そして、エリティン時代の八年間でロシアのGDPは半減した。
 この状態を放置すれば、疲弊したロシアの天然資源は、アメリカが背後にいるグローバル資本家の手に落ちる。
 よって、二〇〇〇年に大統領に就任したエリツィンはロシアを建て直す為にロシアの天然資源を守ろうとした。ロシアのGDPの半分を占めるに至った天然資源を欧米の多国籍企業に牛耳られてロシアの建て直しは不可能だからである。
 よって、この時からアメリカを中心とした欧米つまりグローバリストとロシアつまりスラブとの戦い、即ちグローバリズムとナショナリズムの戦いが始まった。

 このように見てみれば、今までの西側報道には腑に落ちないことがある。
 今回のウクライナ危機が、ヤヌコビッチ大統領がEUとの連合協定を拒否したことを切っ掛けに起こったことは確かであるが、
親欧米の歴代大統領の時は、EUの方が、ウクライナの加盟に反対していたのだ。EUの側がウクライナの加盟に反対していたという事実は意図的に報道されない。

 西側の報道は、ヤヌコビッチ大統領は、二〇一〇年の民主的な選挙で正当に大統領に選ばれた大統領であることを、何故か西側は報道しない。
 この民主的手続きで選出された大統領を暴力で転覆させたのが今の暫定政権であることもあまり報道されない。
 
 二月のソチオリンピックの開会式に欧米首脳は欠席したが、その理由はプーチン大統領が同性愛結婚を認めないからだという。
 しかし、二〇〇八年の過酷な人権弾圧を実施している中国の北京オリンピックの時には、欧米首脳はいそいそと出席していた。

 このように、欧米グローバリズムは、明らかにロシア・プーチンのナショナリズムに対して不当なレッテルを貼ろうとしている。
 
 このグローバリズムとナショナリズムの相克というウクライナ危機の本質を観れば、我が日本は、両者の共存のはかれる文明論的立場にある。

 以後詳しくは、
 是非、今発売中の「正論」五月号の馬淵論文を読まれたし。


http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?page=960


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