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『三橋貴明の「新」日本経済新聞』
2014/03/17
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From 三橋貴明
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【今週のNewsピックアップ】
●経世済民の達成を!
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11793933153.html
●シラー教授の疑問
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11794807119.html
ノーベル経済学者のシラー教授(ケース・シラー指数のシラー教授)が来日し、消費税増税をするにも関わらず、楽観的な発言をする安倍総理について、
「首相は『消費税増税が景気回復の腰を折る心配はあるが、楽観している』と話していた。私にはその根拠が理解できなかった」
と語りましたが、三橋も何故に総理が「楽観」できるのか、さっぱり根拠が分かりません。
ちなみに、シラー教授は、昨年十月にも来日しており、その時は、
「最も劇的だったのは、明確な形で拡張的な財政政策を打ち出し、かつ、増税にも着手すると表明したことだ。
日本政府は対GDP(国内総生産)比で世界最大の債務を負っているので財政支出を批判する人が多いが、ケインズ政策によって最悪の事態が避けられてきた面もあるのではないか。一方で、安倍晋三首相は消費増税も行うと明言しており、財政均衡を目指した刺激策といえる。私は、このような債務に優しい刺激策を欧米も採用すべきだ、と主張している。
現在、米国では拡張的な財政政策を提案しても政治的に阻止され、困難な状況にある。「増税」という言葉は忌み嫌われている。世界中で財政緊縮策が広がる中で、日本の積極策がどういう結果になるか注目している」
と語っています。要するに、「消費税増税もするが、財政拡大もする」とのことで、昨年時点では評価していたわけです。
今回の来日において、シラー教授は、金融政策に偏重しがちな安倍政権について、
「市場は人々の心理に依存するためアベノミクスの成功がいつまでも続く保証はない。映画が大ヒットするかどうか100%確信を持てないのと同様だ」
と、実にもっともなことを言っています。別に、期待インフレ率や市場における「期待」を否定する気はさらさらありませんが、それこそ期待について「100%の期待は持てない」わけでございます。
2014年度の予算は、増税で8.1兆円分の所得を吸い上げ、公的年金の給付削減が1兆円、そして公共投資が前年度と比べ1.3兆円減るため、総額で10.4兆円の緊縮予算になります。というわけで、シラー教授のいう「債務に優しい財政刺激策」は行われません。
無論、現在の日本にとってもっとも適切な策は「増税せず、財政政策を拡大する」ですが、「増税して、財政政策を拡大する」は、「増税して、財政政策を拡大しない」よりははるかにマシです。
総需要の不足を原因とするデフレ期に、総需要を削減する緊縮策を打ち、金融緩和で「市場の期待が上昇すれば、総需要が増える」などとやることは無茶も甚だしいというか、小泉政権期に一度失敗しています。小泉政権期は、量的緩和に加え、アメリカのバブルという総需要(純輸出)の拡大があったわけですが、反対側でバリバリと公共投資を削減していき、コアコアCPIが下げどまった(明確なプラスではなく)のは、06年のことでした。(その後、リーマンショックでまたもや下落開始)
結局、安倍政権は、
「金融緩和をすれば、借り入れや投資が増える【はず】だ」
「法人税を減税すれば、企業が賃上げをしてくれる【はず】だ」
「消費税を増税しても、更なる金融緩和をすれば影響はない【はず】だ」
という、複数の【はず】に頼った政策を推進し、増税により名目GDP縮小を招き、減収になるという橋本政権と同じ過ちを繰り返そうとしているように見えます。
しかも、今回は前回とは異なり、公共事業による景気下支えもできません。人手不足という、新たな問題が浮上してきているわけです。橋本内閣後の景気失速は、小渕政権の拡張的な財政政策により、一時的に持ち直しましたが、今回はそれすらないのです。
安倍政権は、来月以降、何度も「こんな【はず】では・・・」という局面にぶつかることになるでしょう。そのとき、「経世済民」を目指す方向に政策を転換するか、それとも既存の路線でいくか。既存路線でいった場合、安倍政権はレームダック化し、総理が望む長期政権は夢幻と終わることでしょう。
PS
なぜ、韓国国民はグローバル資本主義の被害者なのか?
http://www.youtube.com/watch?v=ZK5RY5rIGs8
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