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┃日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信 ┃ http://www.realist.jp
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├ 2014年3月14日 「謎の武装集団(笑)」で「 divid and rule 」!?(訂正版)
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※管理人です。

昨日配信の「アメ通」の本文に、おくやまさんの元原稿ではなく、メルマガ編集時に発生した誤字がありましたので、訂正版を配信します。大変失礼致しました。

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おくやまです。

今回も引き続きウクライナ情勢についてお話致します。

ロシアの動きが非常に勉強になるものでしたので、これについて簡単に分析してみます。

「バランス・オブ・パワー(Balance of Power)」という概念は、多少なりとも国際政治を学んだことのある方でしたら、聞いたことがあるかもしれません。

この概念は「リアリズム」の理論では極めて重要なものでして、国家の大きな動きを教えてくれるものであるとされております。

「お。奥山はまた横文字か・・・」

というツッコミが、今回も入りましたね・・・(苦笑)

それでは、横文字はやめて「勢力均衡」、または「合従連衡」(がっしょうれんこう)と言えば、ピンと来る人もいるでしょうか?

もちろん論者によってこの「バランス・オブ・パワー」という理論の解釈は、かなりその見解が分かれるわけですが、大枠ではいくつかの原則があるといえます。

私が現在書いている地政学の本や、すでに発売している10巻ものの「地政学講座」CD( http://www.realist.jp/geopolitics.html )
でもこの理論について説明しておりますが、本稿でもそのエッセンスを簡潔にお伝えしたいと思います。

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まず、すでに十分な力をもった「覇権国」があるとしましょう。

皆さんが、ここでパッと思いつくのはアメリカかと思いますが、今回のケースではロシアを想定してください。

この「覇権国」が、他国に対して影響力を保持しておきたいと目論んでいるとします。

つまり、ロシアが常にウクライナやクリミア半島で「力を維持したままでいたい」、「ナンバーワンで居続けたい!」と思ったということです。

 ※まあ、実際その通りなんですが・・・(笑

この場合、「覇権国」が採用する典型的な戦略が

「分断して統治せよ」(divid and rule)

というものでして、他国の力を弱めておくために、その国の内部の勢力同士を分断して争わせておくわけです。

また、このように「分断」しておけば、それぞれの国が「覇権国」に対して、まとまった勢力として歯向かってくることがないので、覇権国側としては安心、ということになります。

「うわー、汚いなぁ」

と思われましたか?

ですが、あらゆる「覇権国」というものは、多かれ少なかれ、このようなことを歴史上何度もやってきております。

その分かりやすい例として、往年のイギリスの政策がありまして、アイルランドをカソリック(南)とプロテスタント(北)で分断するですとか、インドからイスラム系のパキスタンを分離させるといったことを冷酷に実行しております。

このことによって、それぞれがいがみ合い続けるわけですから、たとえ支配体制が終焉したとしても、その時の恨みを秘めた被支配者側が、団結して元支配側に歯向かってくることはないというカラクリなわけです。

まさに「分断」して「統治」する、という悪賢い知恵です。

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では、今回のウクライナ情勢下ではどうなるのか?
というと、とりあえず2つのレベルで考えることができます。

まず1つは、ロシアが「ウクライナ全体」に対して行った「分断」政策。

これはウクライナの内部のロシア系の住民を使って、たとえばクリミア半島だけロシアに併合したり、そのための支援をしたり、または直接軍隊を派遣して分断を図るというものです。

これはクリミアに現在侵入していると言われている、「謎の武装集団」(笑)を使って、ロシアはすでに実践中。

そして、私が今回特に注目したいのは、<ミクロなレベル>での分断政策です。

具体的には、ロシアがクリミア自治共和国側に対して仕掛けている「分断統治」の工作です。

まずは以下のニュースを御覧下さい。

▼クリミア差し出しウクライナ救うか、対プーチン戦略にジレンマの欧米
http://www.afpbb.com/articles/-/3010152

このデータによれば、クリミア自治共和国の内部の人種構成は、人口が多い順に、

1,ロシア系
2,ウクライナ系
3,タタール人

ということになります。

この構成を念頭においているロシア側が、今回どのような行動に出ているのかというと、

ずばり、<少数民族であるタタール人の取り込み>

です。

たとえば以下の報道を見てください。

▼ウクライナ:「ロシア入り」思惑先行…クリミア地元幹部
(http://mainichi.jp/select/news/20140311k0000m030071000c.html)

(転載はじめ)

クリミアでは、編入を危惧する先住民族クリミア・タタール人に配慮する発言も出始めている。
アクショーノフ首相は10日、タタール人側に副首相と2大臣職などを提示するとロシア通信のインタビューで表明した

(転載おわり)

これは、

クリミアの支配を強めたいロシア系(というかロシア政府)側が、少数民族であるタタール人にもっと大きな権限を与える

ということになりますが、
賢明なる読者の皆さまはもうお気付きの通り、「バランス・オブ・パワー」の原則に則った極めて戦略的な動きです。

私は、講演やCDなどで、何度もこの考え方を述べておりますが、

覇権国側、つまり<1位である側>がとるべき戦略は、

「3位と連携して、2位を抑える」

というものです。

これをクリミア内部の状況にあてはめると、

前述の通り、クリミア自治共和国の内部の人種構成は、

1.ロシア系/2.ウクライナ系/3.タタール人
ですから、1位のロシア系は、

「タタール人と連携して、ウクライナ系を抑える」

ということになります。

こうすれば、クリミア自治共和国内におけるロシア系の「覇権」状態は維持されます。

もちろん「ロシアと通じてウクライナ系を抑える」という役回りを演じさせられることを警戒しているタタール人もいるため、スムーズにロシアの思惑通りになるとは限りません。

しかし、ロシア側にしてみれば、「強い側が弱い側を弱いままにしておく」ということは、戦略の基本中の基本ですから、こうせざるを得ない、という事情もあるわけです。

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今回、簡単にご説明してきた通り、「バランス・オブ・パワー」のメカニズムだけでなく、「分断して統治せよ」(divid and rule)などという手法も国家間の国際政治のレベルのみならず、それぞれの国家の国内レベルでも作用しているものです。

現実の国際政治の上では、このような典型的な「リアリスト」的な発想のもとに、様々な行為が行われているのです。

私達日本人は、このことについてよくよく肝に銘じておくべきなのです。

( おくやま )

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戦後、封印された学問となっていた地政学ですが、日本に軍事学部がない以上、防衛大にでも行かないとなかなか学ぶ事ができません。
といいますか、防衛大でもそれほど専門的に教える講座はないと聞いています。

そこで、日本人がより戦略的思考を持つためにと2013年4月よりCD教材で10回に渡る地政学講座を開設しました。

「日本で地政学を本格的に学ぶ教材はこれしかない」

というものです。

今回、「地政学講座の第10回、未来の地政学だけ」を特別に販売することに決めました。

なぜ、第10回だけか?
それは、第10回のテーマが「未来の地政学」だからです。

▼「奥山真司の地政学講座」:未来の地政学
http://www.realist.jp/geopolitics10.html

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▼「リアリズム」の理論とは何か?
~ジョン・J・ミアシャイマー『大国政治の悲劇』から読み解く~
http://www.realist.jp/mea2.html

勃興する中国、混迷を続ける欧州、そして、冷戦終結後の世界で覇権を握ったかと思いきや、ここに来て、衰退の兆しも見え始めた米国。

その米国が、東アジアから撤退する可能性すら囁かれている現在、これを読んでいるあなたは、日本が大変な岐路に立っている、大変な状況に置かれている。
と言われれば、必ず納得するはずです。

では、そんな厳しい現状で、私たち日本人は何をすべきなのでしょうか?
それは・・・
古今東西、国際政治の底流に脈々と流れ続ける、学問・学派としての「リアリズム」を真摯に学ぶことです。

しかし・・・
日本国内で一般的に言われているような、ともすれば、“世俗主義"的な意味合いで語られる


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