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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
第113号(7月31日)
*尖閣に公務員を常駐させよ



 日本領である尖閣諸島に中国公船が毎日のように接近し、ときに領海侵入を犯している。このまま放置すれば、やがて毎日のように領海侵入するようになり、中国人が尖閣に上陸するようになる。毎日のように上陸されれば、一体どちらの国が実効支配しているのか、分からなくなるだろう。中国は「日本が尖閣を盗み取った」と主張しているが、実際は中国が尖閣を盗み取ろうとしているのである。
 これを阻止する最良の策は、尖閣に日本の公務員を常駐させることである。昨年の衆議院選挙における自民党の選挙公約にも「尖閣に公務員を常駐させる」旨盛り込まれている。自民党はこの選挙に圧勝して政権与党に返り咲いたわけだから、当然公約は実行される筈であった。

 実はこの選挙公約が発表されたのは、昨年11月21日だが、その10日前に刊行された電子マガジン「言志」第4号に、小生は、尖閣に中国人が上陸、不法占拠する事態を懸念して「日本政府がここに施設を作り公務員を常駐させれば、こんな事態は防げるのである」と書いた。
 「公務員、常駐」という文言は尖閣に関しては、これ以前には見当たらない筈で、小生も「政府職員の配置」という表現を最初考え、しかしこれでは地方公務員である警察官が含まれるか不明確なので「公務員を常駐」という表現にした覚えがある。
 「言志」は発刊されてまだ日が浅かったが、突然衆議院が解散となり早急な選挙公約作りに頭を悩ませていた自民党関係者が購読していたことは間違いなく、だとすれば小生が尖閣公務員常駐案の最初の提案者だということになる。

 ところが、その後この公約は急速にトーンダウンし、いまだに実行される気配がない。数日前、チャンネル桜の水島総社長がとある会合でこの真相を明かした。衆院選後、安倍総理は日米首脳会談を直ちに設定しようとしたが、オバマ大統領は「尖閣に公務員を常駐させるつもりなら会わない」旨、注文を付けたという。
 水島社長は安倍政権周辺に太いパイプを持っているから、この話は真実であろう。オバマ大統領としては公務員常駐を阻止することで中国に恩を売り、対中交渉を有利にし、同時に日本には「尖閣は米国が守ってやるから、その代償としてTPPに参加して日本の市場を米国に開放せよ」と迫った訳だ。
 
 米国としてはいわば一石二鳥の戦略だった。安倍総理はやむなく尖閣常駐を先送りにし、TPPへの参加を表明した。当然その代償として米国は尖閣を守らなくてはならない。ところが米国の対中交渉はものの見事に失敗した。
 6月上旬の米中首脳会談で、米国は中国に尖閣への挑発をやめるように迫ったが、中国は現在に至るまで挑発行動をやめていない。一昨日、米議会上院が尖閣を含む東シナ海、南シナ海における中国の威嚇行為を非難したが、これは中国の無法ぶりとオバマの無能ぶりを同時に証明する決議だと言っていいだろう。
 オバマ大統領が尖閣を守ると約束したから、安倍総理は尖閣への公務員常駐を見送ったのであり、オバマがその約束を実行できない以上、日本は尖閣に公務員を常駐させる他はないであろう。
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軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
主著:「国防の常識」(角川学芸出版)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)
「総図解よくわかる第二次世界大戦」(共著、新人物往来社)など


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