陸路での輸送により、海路に比べて時間短縮のメリットを得られるだけではない。
米軍がアジア・太平洋地域でプレゼンスを強化している中で、中国のタンカーの航行が万が一、妨げられる事態が生じても、陸路で担保できるというわけだ。
また、ミャンマー、中国両政府は高速鉄道の建設を計画しており、東南アジア軍事筋は「中国には有事の際に鉄道を使い、武器や装備、兵員を輸送する狙いがある」と指摘する。
一方、ミャンマーからすれば「ガス生産量の大半をタイに輸出しているなど、大量の資源を輸出に振り向けており、パイプラインによる対中輸出もその一環だ」(政府筋)という。
そのあおりで国内は供給不足だ。電力不足などの要因でもある。
このため、とりわけ対中輸出に対する国民の不満は強い。
ラカイン州関係者も「天然ガスと石油は州内を通過し中国へ行くだけで、州には何ら恩恵がなく州民は怒っている」と打ち明ける。
===
この記事の内容は、以下のようなポイントにまとめられます。
1,パイプラインが、ミャンマーと中国の間で開通。
2,新しいエネルギーのルート、しかも運搬される量も膨大。
3,陸路によってマラッカ海峡のエネルギールートが迂回できるようになる?
4,それに沿って鉄道も計画されている。
5、ミャンマーの地元にはあまり恩恵がない。
ということになります。
この記事では多少なりとも「地政学的」な分析がされておりますが、私はまだまだ踏み込みが弱いと感じました。なぜなのでしょうか。
まず確認しておかなければならないのは、現在一般的になされている大戦略レベルのいわゆる「英米系」の古典地政学の本質は、
「資源の場所とその通り道、そしてそれが消費される場所」
という(陸上・海上)交通線のロケーション(地理)が決定的に重要になってきます。
どこに通り道があるか?が、安全保障の脅威や脆弱性がどこにあるのかを教えてくれるからです。
その次に、その物資の流れにどのような「テクノロジー」が関わっていて、さらにはそれが国家間のパワーバランスや「世界観」(脅威の認識)にどういった変化を与えるのか、という点を見ていかなければなりません。
これについて私は色々なところで「古典地政学の三位一体」ということで、地政学には「地理」、「テクノロジー」、「世界観」という三つ要素のダイナミックな関係があると論じていることは、すでに私の著書や地政学講座などに触れているかたには当然の知識かと。
そこで、この関係性を踏まえたところで上の記事をもう一度を見直してみますと、
【地理】:中国とミャンマーをつなぐ陸路、そしてマラッカ海峡
【テクノロジー】:パイプラインと鉄道
【世界観】:マラッカ海峡の航行に不安を感じている中国、不満なミャンマーという構図が見えてきます。
ここでわれわれが忘れてはならない大事なことは、これが「テクノロジー」によって変化している、「動きのある地政学」というイメージです。
地政学というと、どうも“固定化した地理"の中で展開される安全保障の学問というイメージがありますし、それはある程度までは間違いではないのですが、実はこのような変化を起こす「テクノロジー」(この場合はパイプラインと鉄道)によって、その地理環境における戦略面での意味が変わってくるのです。
これについて、アメリカの地政学者であるニコラス・スパイクマンが非常に鋭いことを言っております。
「通信・交通のスピードや、産業界の技術の発展は、必然的に特定の国々のパワーポジションを変動させることになる。
つまり地理的な事実は変化しないが、それらが対外政策に与える意味は変化するのだ」
結論をいえば、ミャンマーのパイプライン(と鉄道)の完成によって、中国には大戦略における選択肢が一つ増えて、安全保障に影響を与えたということになります。
そしてこれは、中東から原油をタンカーで運搬しているわれわれにとっても見逃せない話であるということは言うまでもありません。
これについてさらに詳しく勉強したいという方は、ぜひ地政学講座のCDを。
http://www.realist.jp/geopolitics.html
( おくやま )
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GHQ,マッカーサーが日本に上陸したとき、あまりに何もない貧しい国であることに驚きました。
なぜ、日本だけが、イギリスもドイツもできなかった機動部隊をつくり米国と太平洋上で戦争ができたのか?
それは日本人の精神や積み上がった学問だと悟ったマッカーサーは日本にある有益な図書7,000冊以上を焚書します。
指定図書の研究、回収は、静かに、極秘に行われました。
そこには、日本人の精神をささえてきた歴史の本の数々から、アメリカ研究や資源研究の本、そして、戦略にかかわる本、地政学の書籍もありました。
戦後日本では地政学は勉強できません。
大学で専攻できる学部、学科はありません。
今回、英国で学んできた地政学を奥山真司先生が禁断の学問・地政学を復活させるつもりで、語り尽くします。
ついにやります。
「奥山真司の地政学講座」
詳しくはこちらから
http://www.realist.jp/geopolitics.html
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米国発の中国分析について知りたくないですか?
世界覇権国アメリカにはたくさんの中国レポートがあり、そのため、またさまざまな立場の中国対策があります。
日本国内にある中国情報と全く違う視点であるため非常に視野が広がります。
・パンダハガー(親中、媚中)とドラゴンスレイヤー(反中)という2つの立場から中国問題を切り込んでいます。
・資源含めた経済面からと中国包囲網という戦略からの視点も加わります。
詳しくは以下のURLをクリックして下さい。
http://www.realist.jp/china.html
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(編集後記)
管理人です。
今回のおくやまさんのお話ですが、おもしろいですね~。
これぞ、まさにおくやまさんの真骨頂。
現在、おくやまさんは多忙を極めておりまして、なかなか執筆の時間が取れないようなのですが、ここは、読者の皆様に成り代わり、おくやまさんに、さらに執筆して頂けるよう、タフに交渉してみます・・・(笑)
さて、週末、管理人は、
▼自滅する中国: なぜ世界帝国になれないのか
http://goo.gl/RDoyP2
を読み始めたのですが、これは面白いです!
ルトワック氏の本はいままで読んだ事がなかったのですが、これは文体も非常に読みやすく、かつ、これまで、おくやまさんが提唱している、「戦略の階層」などの概念を知っている方にとっては、
「おぉ!なるほど!」と思わず膝を打ってしまうような記述が多々あります。
これは、管理人からも強くオススメです。
ぜひぜひ、お手にとってお読みになってみて下さい。
「いや・・・、そんな時間がとれないよ・・・」
という方には・・・
▼「中国の地政学と大戦略の失敗」CD
http://www.realist.jp/china.html
もございますので・・・(笑)
( 管理人 )
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[続きはコチラから]
https://mypage.mobile.mag2.com/WebLeading.do?id=2Vpvr7DcFjn&position=4500#position
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⇒ http://bn.mobile.mag2.com/bodyView.do?magId=0000110606
米軍がアジア・太平洋地域でプレゼンスを強化している中で、中国のタンカーの航行が万が一、妨げられる事態が生じても、陸路で担保できるというわけだ。
また、ミャンマー、中国両政府は高速鉄道の建設を計画しており、東南アジア軍事筋は「中国には有事の際に鉄道を使い、武器や装備、兵員を輸送する狙いがある」と指摘する。
一方、ミャンマーからすれば「ガス生産量の大半をタイに輸出しているなど、大量の資源を輸出に振り向けており、パイプラインによる対中輸出もその一環だ」(政府筋)という。
そのあおりで国内は供給不足だ。電力不足などの要因でもある。
このため、とりわけ対中輸出に対する国民の不満は強い。
ラカイン州関係者も「天然ガスと石油は州内を通過し中国へ行くだけで、州には何ら恩恵がなく州民は怒っている」と打ち明ける。
===
この記事の内容は、以下のようなポイントにまとめられます。
1,パイプラインが、ミャンマーと中国の間で開通。
2,新しいエネルギーのルート、しかも運搬される量も膨大。
3,陸路によってマラッカ海峡のエネルギールートが迂回できるようになる?
4,それに沿って鉄道も計画されている。
5、ミャンマーの地元にはあまり恩恵がない。
ということになります。
この記事では多少なりとも「地政学的」な分析がされておりますが、私はまだまだ踏み込みが弱いと感じました。なぜなのでしょうか。
まず確認しておかなければならないのは、現在一般的になされている大戦略レベルのいわゆる「英米系」の古典地政学の本質は、
「資源の場所とその通り道、そしてそれが消費される場所」
という(陸上・海上)交通線のロケーション(地理)が決定的に重要になってきます。
どこに通り道があるか?が、安全保障の脅威や脆弱性がどこにあるのかを教えてくれるからです。
その次に、その物資の流れにどのような「テクノロジー」が関わっていて、さらにはそれが国家間のパワーバランスや「世界観」(脅威の認識)にどういった変化を与えるのか、という点を見ていかなければなりません。
これについて私は色々なところで「古典地政学の三位一体」ということで、地政学には「地理」、「テクノロジー」、「世界観」という三つ要素のダイナミックな関係があると論じていることは、すでに私の著書や地政学講座などに触れているかたには当然の知識かと。
そこで、この関係性を踏まえたところで上の記事をもう一度を見直してみますと、
【地理】:中国とミャンマーをつなぐ陸路、そしてマラッカ海峡
【テクノロジー】:パイプラインと鉄道
【世界観】:マラッカ海峡の航行に不安を感じている中国、不満なミャンマーという構図が見えてきます。
ここでわれわれが忘れてはならない大事なことは、これが「テクノロジー」によって変化している、「動きのある地政学」というイメージです。
地政学というと、どうも“固定化した地理"の中で展開される安全保障の学問というイメージがありますし、それはある程度までは間違いではないのですが、実はこのような変化を起こす「テクノロジー」(この場合はパイプラインと鉄道)によって、その地理環境における戦略面での意味が変わってくるのです。
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つまり地理的な事実は変化しないが、それらが対外政策に与える意味は変化するのだ」
結論をいえば、ミャンマーのパイプライン(と鉄道)の完成によって、中国には大戦略における選択肢が一つ増えて、安全保障に影響を与えたということになります。
そしてこれは、中東から原油をタンカーで運搬しているわれわれにとっても見逃せない話であるということは言うまでもありません。
これについてさらに詳しく勉強したいという方は、ぜひ地政学講座のCDを。
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GHQ,マッカーサーが日本に上陸したとき、あまりに何もない貧しい国であることに驚きました。
なぜ、日本だけが、イギリスもドイツもできなかった機動部隊をつくり米国と太平洋上で戦争ができたのか?
それは日本人の精神や積み上がった学問だと悟ったマッカーサーは日本にある有益な図書7,000冊以上を焚書します。
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大学で専攻できる学部、学科はありません。
今回、英国で学んできた地政学を奥山真司先生が禁断の学問・地政学を復活させるつもりで、語り尽くします。
ついにやります。
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日本国内にある中国情報と全く違う視点であるため非常に視野が広がります。
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管理人です。
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これぞ、まさにおくやまさんの真骨頂。
現在、おくやまさんは多忙を極めておりまして、なかなか執筆の時間が取れないようなのですが、ここは、読者の皆様に成り代わり、おくやまさんに、さらに執筆して頂けるよう、タフに交渉してみます・・・(笑)
さて、週末、管理人は、
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ルトワック氏の本はいままで読んだ事がなかったのですが、これは文体も非常に読みやすく、かつ、これまで、おくやまさんが提唱している、「戦略の階層」などの概念を知っている方にとっては、
「おぉ!なるほど!」と思わず膝を打ってしまうような記述が多々あります。
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ぜひぜひ、お手にとってお読みになってみて下さい。
「いや・・・、そんな時間がとれないよ・・・」
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