そもそも、マレー沖海戦は、日本がシンガポール上陸作戦を実施する上での海上補給路を確保するために、どうしても勝たなければならない戦闘でした。勝って制海権を確保しなければ、マレー半島に進出した日本陸軍への補給ができず、日本は、何万という将兵を孤立させてしまうのです。だから、なにがなんでも勝たなければならない。
一方、英国軍にしてみれば、日本を追いつめ、開戦に踏み切らせたわけですから、すでに何ヶ月も前から日本がやってくることを見越して、準備万端整えて、日本軍を待ち受けています。マレーの海域で、英国海軍は、100%確実に勝利できる体制をひいていたのです。
開戦の6日前の12月2日に、英国の誇る最新鋭の巨大不沈戦艦である「プリンス・オブ・ウェールズ」、巡洋戦艦レパルス、その他駆逐艦4隻からなるG艦隊をシンガポールのセレター軍港に入港しました。
旗艦であるプリンス・オブ・ウェールズは、14インチ(35.56cm)砲を10門装備した巨大戦艦です。搭載する対空砲はポムポム砲と呼ばれ、1分間に6000発もの弾丸を発射するというすさまじいものです。
プリンス・オブ・ウェールズのこの対空装備は、英国が2年前のヨーロッパ戦線で、ドイツ・イタリアの航空機に空襲された際の経験から装備されたもので、いかなる航空機であれ、すべて撃ち落とすことができるだけの訓練も十分に積まれていたのです。
そしてこの大英帝国誇る巨大不沈戦艦は、当時の国王ジョージ6世の兄王である、エドワード8世の即位前の王太子プリンス・オブ・ウェールズの名前を冠していたのです。いかに英国がこの戦艦に自信をみなぎらせていたかがわかります。
英国艦隊のもうひとつの戦艦レパルスも、建造年月はウエールズより古いものの、装備はウエールズと同じです。それまで航空機による爆撃を完全に撃破してきている経験豊富な戦艦です。
そして英国東洋艦隊司令長官は、実戦経験の豊富な英国の誇る最強の士官、トーマス・フィリップス海軍大将です。英国は、日本のマレー上陸部隊の輸送船団を攻撃するために「Z部隊」を編成し、12月8日17時過ぎに、全艦シンガポールを出撃しました。まさに最強の布陣です。
これに対し、日本が対抗して派遣できたのは、金剛と榛名の二隻です。両艦とも近代化の改装こそ受けていたものの、艦齢は27年。兵装・装甲の厚さも巡洋艦程度の実力しかありません。
これはどういうことかというと、陸上にたとえれば、爆走する大型ダンプの集団に、たった二台の原チャリで棍棒持って挑むようなものなのです。普通に考えたら、無茶としかいいようがないのだけれど、日本海軍というのは、そういう戦いでもかつての日清、日露で勝利したという実績を持つ軍隊です。決して侮れない。だからこそ、英艦隊は必勝の布陣を敷いたのです。
一方日本は、英艦隊に敗れれば、シンガポール攻略を図る日本陸軍への支援を絶たれ、下手をすれば全滅の憂き目を持ちます。マレー沖海戦は、それだけ重要な海戦なのです。にもかかわらず、さける艦船は、金剛と榛名しかない。
しかも事前の情報によって、日本は、英艦隊が、世界最強戦艦のウエールズまで投入していることを掌握しています。それでも勝たなきゃならない。そういう状況にあったのです。
英国艦隊出撃す。
この情報をもとに、日本はサイゴン(いまのホーチミン)にある航空基地から、航空機(九六式陸攻59機、一式陸攻26機、計85機)を出撃させます。
後の坊ノ岬海戦(大和)、レイテ沖海戦(武蔵)のときのような何百という航空機部隊ではありません。数の上でもごく少数です。しかも航空期部隊は、それぞれに散開し、全機が殺到できるわけでもない。
そうしてはじまったのが、マレー沖海戦です。猛烈な英国艦隊の対空砲火の中、日本の航空隊は、果敢に英艦隊に挑みました。ウエールズを葬った日本の航空隊は、前田孝成大佐率いる元山海軍航空隊所属の第一中隊(石原薫大尉)9機と第二中隊(高井貞夫大尉)の6機、あわせてたったの15機です。ボムボム砲の猛烈な対空砲火の中、その戦いがいかに激しいものだったかは、想像に難くない。
この戦いで、ウエールズ撃沈の報告を聞いた英国首相チャーチルは、「あの艦が!」と絶句したそうです。
後にチャーチルは「第二次世界大戦回顧録」で次のように述べています。
「第二次世界大戦における戦い全体のなかで、その報告以外に、私に直接的な衝撃を与えた報告はなかった」
最強戦艦ウェールズと、レパルスの沈没は、それだけ衝撃的な、「ありえない」出来事だったのです。
マレー沖海戦では、まず戦艦レパルスが沈み、次いで戦艦ウエールズが被弾し、沈没やむなしとなりました。このときウエールズの艦長のトーマス・フィリップス司令長官は、日本の航空隊に向け、乗員を退官させるので、30分時間をほしい、と打電します。
ウエールズの乗員たちは、巡視船エクスプレスに乗り移り、エレクトラとヴァンパイアが沈没したレパルスの乗組員を捜索し、エレクトラが571名、ヴァンパイアがレパルスの艦長と従軍記者を含む225名を救助、乗船させています。
その間、日本の襲撃部隊は、空で待機しました。英国軍の救助活動の間、いっさいの攻撃行動をせず、空で待機したのです。これまた、世界の戦史に残る出来事です。
当時の飛行機は、いまの時代にあるようなハイブリットでも省エネでもありません。燃費がよくないのです。30分の上空待機というのは、帰還するのに必要なギリギリの燃料しか残らないということです。もしその間に英国の航空隊が急襲してきたら、日本の航空隊は帰還するための燃料を使い果たし、全機、墜落のリスクを負っています。それでも日本の攻撃隊長は、戦闘を休止し空で待機を指示しました。
ウエールズの乗員が全員退艦しました。そのウエールズのデッキには、ひとり、トーマス司令長官が残りました。船と命をともにするためです。
このとき日本の航空隊は、全機整列し、一機ずつデッキ前を通過して、トーマス長官に最敬礼を送ったと伝えられています。トーマス長官は、その間、ブリッジから挙手敬礼をもって答えた。そして日本の航空機との挨拶の交換後、トーマス司令はデッキに体を縛りつけ、艦とともに沈んでいます。
ちなみに、マレー沖海戦におけるプリンスオブウェールズの戦死者は、艦が轟沈していながら、総員の20%です。戦闘中の死亡者以外、全員が助かっています。
そしてさらにマレー沖海戦の翌日には、日本軍機が、再度戦闘海域に飛来し、機上から沈没現場の海面に花束を投下して英海軍将兵の敢闘に対する敬意と、鎮魂を行っています。
では、この戦いの三年半後に行われた坊ノ岬沖海戦はどうだったでしょうか。
※明日のメルマガに続く





=========
【2】携帯で接続の皆様へ
=========
日心会ML等に携帯からお申込みや閲覧をご希望の方へのご連絡です。
せっかくお申込みをいただき、当会からお返事をさしあげても、携帯の≪迷惑メールフィルタ≫によって当会からのメルマガやメーリングリストが届かない、というケースが頻発しています。
お手数ですが、日心会入会申込の際、次の2つのドメインの受信が可能になるように、あらかじめご自身で携帯への設定をお願いします。
【ドメイン】
@nippon-kokoro.com
@freeml.com
●^∀^人^∀^●
回回回回回回回回回
<編集 配信>
日本の心を伝える会
<代表者ブログ>
ねずさんの ひとりごと
http://nezu621.blog7.fc2.com/
回回回回回回回回回
※配信停止依頼はコチラ
↓ ↓ ↓
assist@nippon-kokoro.com
(必ず件名に「配信停止依頼」と書いてください)
一方、英国軍にしてみれば、日本を追いつめ、開戦に踏み切らせたわけですから、すでに何ヶ月も前から日本がやってくることを見越して、準備万端整えて、日本軍を待ち受けています。マレーの海域で、英国海軍は、100%確実に勝利できる体制をひいていたのです。
開戦の6日前の12月2日に、英国の誇る最新鋭の巨大不沈戦艦である「プリンス・オブ・ウェールズ」、巡洋戦艦レパルス、その他駆逐艦4隻からなるG艦隊をシンガポールのセレター軍港に入港しました。
旗艦であるプリンス・オブ・ウェールズは、14インチ(35.56cm)砲を10門装備した巨大戦艦です。搭載する対空砲はポムポム砲と呼ばれ、1分間に6000発もの弾丸を発射するというすさまじいものです。
プリンス・オブ・ウェールズのこの対空装備は、英国が2年前のヨーロッパ戦線で、ドイツ・イタリアの航空機に空襲された際の経験から装備されたもので、いかなる航空機であれ、すべて撃ち落とすことができるだけの訓練も十分に積まれていたのです。
そしてこの大英帝国誇る巨大不沈戦艦は、当時の国王ジョージ6世の兄王である、エドワード8世の即位前の王太子プリンス・オブ・ウェールズの名前を冠していたのです。いかに英国がこの戦艦に自信をみなぎらせていたかがわかります。
英国艦隊のもうひとつの戦艦レパルスも、建造年月はウエールズより古いものの、装備はウエールズと同じです。それまで航空機による爆撃を完全に撃破してきている経験豊富な戦艦です。
そして英国東洋艦隊司令長官は、実戦経験の豊富な英国の誇る最強の士官、トーマス・フィリップス海軍大将です。英国は、日本のマレー上陸部隊の輸送船団を攻撃するために「Z部隊」を編成し、12月8日17時過ぎに、全艦シンガポールを出撃しました。まさに最強の布陣です。
これに対し、日本が対抗して派遣できたのは、金剛と榛名の二隻です。両艦とも近代化の改装こそ受けていたものの、艦齢は27年。兵装・装甲の厚さも巡洋艦程度の実力しかありません。
これはどういうことかというと、陸上にたとえれば、爆走する大型ダンプの集団に、たった二台の原チャリで棍棒持って挑むようなものなのです。普通に考えたら、無茶としかいいようがないのだけれど、日本海軍というのは、そういう戦いでもかつての日清、日露で勝利したという実績を持つ軍隊です。決して侮れない。だからこそ、英艦隊は必勝の布陣を敷いたのです。
一方日本は、英艦隊に敗れれば、シンガポール攻略を図る日本陸軍への支援を絶たれ、下手をすれば全滅の憂き目を持ちます。マレー沖海戦は、それだけ重要な海戦なのです。にもかかわらず、さける艦船は、金剛と榛名しかない。
しかも事前の情報によって、日本は、英艦隊が、世界最強戦艦のウエールズまで投入していることを掌握しています。それでも勝たなきゃならない。そういう状況にあったのです。
英国艦隊出撃す。
この情報をもとに、日本はサイゴン(いまのホーチミン)にある航空基地から、航空機(九六式陸攻59機、一式陸攻26機、計85機)を出撃させます。
後の坊ノ岬海戦(大和)、レイテ沖海戦(武蔵)のときのような何百という航空機部隊ではありません。数の上でもごく少数です。しかも航空期部隊は、それぞれに散開し、全機が殺到できるわけでもない。
そうしてはじまったのが、マレー沖海戦です。猛烈な英国艦隊の対空砲火の中、日本の航空隊は、果敢に英艦隊に挑みました。ウエールズを葬った日本の航空隊は、前田孝成大佐率いる元山海軍航空隊所属の第一中隊(石原薫大尉)9機と第二中隊(高井貞夫大尉)の6機、あわせてたったの15機です。ボムボム砲の猛烈な対空砲火の中、その戦いがいかに激しいものだったかは、想像に難くない。
この戦いで、ウエールズ撃沈の報告を聞いた英国首相チャーチルは、「あの艦が!」と絶句したそうです。
後にチャーチルは「第二次世界大戦回顧録」で次のように述べています。
「第二次世界大戦における戦い全体のなかで、その報告以外に、私に直接的な衝撃を与えた報告はなかった」
最強戦艦ウェールズと、レパルスの沈没は、それだけ衝撃的な、「ありえない」出来事だったのです。
マレー沖海戦では、まず戦艦レパルスが沈み、次いで戦艦ウエールズが被弾し、沈没やむなしとなりました。このときウエールズの艦長のトーマス・フィリップス司令長官は、日本の航空隊に向け、乗員を退官させるので、30分時間をほしい、と打電します。
ウエールズの乗員たちは、巡視船エクスプレスに乗り移り、エレクトラとヴァンパイアが沈没したレパルスの乗組員を捜索し、エレクトラが571名、ヴァンパイアがレパルスの艦長と従軍記者を含む225名を救助、乗船させています。
その間、日本の襲撃部隊は、空で待機しました。英国軍の救助活動の間、いっさいの攻撃行動をせず、空で待機したのです。これまた、世界の戦史に残る出来事です。
当時の飛行機は、いまの時代にあるようなハイブリットでも省エネでもありません。燃費がよくないのです。30分の上空待機というのは、帰還するのに必要なギリギリの燃料しか残らないということです。もしその間に英国の航空隊が急襲してきたら、日本の航空隊は帰還するための燃料を使い果たし、全機、墜落のリスクを負っています。それでも日本の攻撃隊長は、戦闘を休止し空で待機を指示しました。
ウエールズの乗員が全員退艦しました。そのウエールズのデッキには、ひとり、トーマス司令長官が残りました。船と命をともにするためです。
このとき日本の航空隊は、全機整列し、一機ずつデッキ前を通過して、トーマス長官に最敬礼を送ったと伝えられています。トーマス長官は、その間、ブリッジから挙手敬礼をもって答えた。そして日本の航空機との挨拶の交換後、トーマス司令はデッキに体を縛りつけ、艦とともに沈んでいます。
ちなみに、マレー沖海戦におけるプリンスオブウェールズの戦死者は、艦が轟沈していながら、総員の20%です。戦闘中の死亡者以外、全員が助かっています。
そしてさらにマレー沖海戦の翌日には、日本軍機が、再度戦闘海域に飛来し、機上から沈没現場の海面に花束を投下して英海軍将兵の敢闘に対する敬意と、鎮魂を行っています。
では、この戦いの三年半後に行われた坊ノ岬沖海戦はどうだったでしょうか。
※明日のメルマガに続く





=========
【2】携帯で接続の皆様へ
=========
日心会ML等に携帯からお申込みや閲覧をご希望の方へのご連絡です。
せっかくお申込みをいただき、当会からお返事をさしあげても、携帯の≪迷惑メールフィルタ≫によって当会からのメルマガやメーリングリストが届かない、というケースが頻発しています。
お手数ですが、日心会入会申込の際、次の2つのドメインの受信が可能になるように、あらかじめご自身で携帯への設定をお願いします。
【ドメイン】
@nippon-kokoro.com
@freeml.com
●^∀^人^∀^●
回回回回回回回回回
<編集 配信>
日本の心を伝える会
<代表者ブログ>
ねずさんの ひとりごと
http://nezu621.blog7.fc2.com/
回回回回回回回回回
※配信停止依頼はコチラ
↓ ↓ ↓
assist@nippon-kokoro.com
(必ず件名に「配信停止依頼」と書いてください)