「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年2月15日(金曜日)弐
通巻第3879号
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中国のジニ係数が本当に「0・62」なら、革命が近い
GDPの48%をしめる不動産投資、天も懼れぬ不公平な分配
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中国は「革命前夜」の様相を示してきた。それゆえに軍事的緊張を意図的に作り出す習近平政権の裏の狙いは国民の不満の行き先を「日本が悪い」とすり替える壮大な陰謀である。
冷静な報道で知られる英紙「フィナンシャル・タイムズ」には中国語版がある。その華字版がこう表現した(2月14日付け)。
「軍事対峙増加中日擦槍走火風険」(軍事的対立関係は日中間の軍事衝突に陥る危険性が増している)
なにが矛盾か?
6億5000万人の農民がいよいよ政府への怒りを露わにしていることだ。政府を敵と農民が明確に認識しはじめた事実は、歴史の転換点である。
農民プロレタリアートが権力に敵対するのだ。ネットでは習近平は「ラストエンペラー」と呼ばれている。「この共産党王朝は彼で最後だ」という意味である。
不公平きわまりない分配、その典型例を「ウォールストリート・ジャーナル」が中国の不動産取引の実態のケースを検証し、克明に伝えた(2月15日付け)。
四川省成都で養魚場を営んでいた女性は、土地の収用に反対していたが、度重なるマフィアの嫌がらせに嫌気し、とうとう土地を手放した。2010年12月だった。補償金は一平方メートルあたり、僅か9元だった。
地方政府は、この土地に高級マンションを建設するとして、業者に転売した。一平方メートルあたり640元。なんと70倍強。差額は地方政府の懐に入った。
土地を買ってマンションを建てた業者は、高級住宅を売り出して一平方につき6900元という値段をつけた。この土地の価格取引はデーベースに記録されていると同紙は伝えた。
▼ジニ係数が0・62だと、革命による政府転覆は近い
四川省成都にある西南財経大学が調査した結果「ジニ係数」は0・62だった。ただちに中国国家統計局は反論し、中国のジニ係数は0・43と訂正したが、誰も信用しなかった。なにしろ「あれは誰も信用していない」と発言したのは李克強(次期首相)その人であり、この醜態的発言をウィクリークスが暴露した。
中国のジニ係数は異常値であり、「一般的には0・4だと暴動が頻発し、0・5を越えると革命がおこる」が、すでに「革命水準」を超えて中国のジニ係数が0・6を越えているのだから、今後どうなるのか?
前述のような不公平な土地の収用は全国的規模で行われており、土地買収と土地転配との差額は日本円で24兆円前後と見積もられる。不動産投資はGDPの48%を占める。
富の偏在は、高級幹部の資金海外隠匿に繋がり、共産党幹部は海外へ逃げる準備に余念がない。革命が近いからである。
一学年700万人と見られる中国の大学新卒者にまったく就労チャンスがない。
よほどの優秀な学生しか外資系にはいれない。国有企業にはコネがないと入れない。多くは親のすねをかじるか、アルバイトで糊口をしのぎ、マンションの地下室の共同ベッド生活(これを蟻族、モグラ族という)。
まさに、この現象は学生のプロレタリアート化であり、少数の金持ちだけが冨を独占し、国家を支配するという構図はマルクスの分析通りであり、もはや中国共産党の正統性はない。学生が主体となるプロレタリアート革命がおこる懼れが強まる。
さて。実態として「中国のGDPは実質的にマイナスとなっており、表向きの発表と実態とは巨大に乖離している。最近は貨物輸送量で計るという方法があるが、アメリカの学者は偵察衛星による光の量が決めてである」と専門家はいう。
つまり光の量が低いのはモノが動いておらず、あちこちに在庫が貯まっている証拠であり、くわえて大気汚染が凄まじく、全土が「アラル海化」(湖が砂漠化)するという恐怖のシナリオが日々進んでいる。
すでに中国から「直接投資」として流れ出したカネは2011年が652億ドル、12年が688億ドル。このうち56%が一度香港へおくられ、そのごケイマン、バージン諸島へ流れ込んでいることが判明している(間接投資は含まない)。
それなのに中国へまだ進出を続ける日本企業。あのヤオハンの教訓がまったく生かされておらず、日本企業は最終的にいかなる撤退劇を演じるのか?
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(週末休刊のお知らせ)小誌は16(土曜)から17日(日曜)を休刊します。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)新聞・テレビといった大手メディアは以前から偏向報道の傾向が強いですが、とくに「アジアでは~」といった場合、ほとんどが中韓のこと。青山繁晴氏によると、経団連の米倉会長が安倍総理(総理就任前の話です)の改憲論について「周辺諸国を困らせて・・日本経済を駄目にする」と言ったところ、安倍氏に「その周辺諸国はどこですか?」と逆襲され、本音は中国なのでしょうが、そうも言えず「そりゃ例えばフィリピンとか」。
「フィリピンはむしろ日本の改憲を歓迎しているんです、中国に困っていますから」と追い込まれた米倉会長、安倍氏を逆恨み、ネチネチと安倍批判を続けたという。こんな話は大阪の番組でしか紹介されなかったのですが、年明けから風向きが変わってきたようです。韓国国家ブランド委員会の資金が尽きたのか、東京の番組でも韓国に対し遠慮ない番組作りがでてきました。1月にはTBSの朝の番組で韓国経済の実態を紹介、ネットでは「あのTBSが!」と話題になりました。GDPの76.5%が10大財閥が占め、好調なのは大企業のみで貧富の差が拡大。「皆が韓国企業に対して『おかしい』と思い始めた」、現代(ヒュンダイ)自動車の例では「誇大広告を出していたことがアメリカ政府の調査で分かった」と燃費のごまかしを指摘、さらにヒュンダイのロゴがホンダそっくりなのは「アメリカでは燃費がいいのは日本車という定説があるから」。
アメリカの広報会社の調べによれば韓国の企業信頼度は先進26カ国中で最下位、韓国への観光客も激減。これは事実で大手旅行会社2月のソウル行き予約は半減、デルタ航空(旧ノースウェスト)は成田~ソウル便を5月末をもって運休するほど。
http://www.j-cast.com/2013/01/25162806.html?p=all
2月11日放送のテレビ東京「未来世紀ジパング」では「日本人が知らない衝撃の韓国~その光と影」として韓国の超格差社会の実態を放送しました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20130211/
韓国といえばサムスン、ニューヨーカーにテレビブランドを訊くとソニー・パナソニック・シャープ・サムスン。「サムスンはどこの国の会社?」と尋ねると日本という声も多数。番組では紹介されていませんがサムスンの戦略は展示会や広告で絶対に韓国色を出さないこと。広告で相撲・桜・富士山など日本イメージを使ったことは有名です。タイにいた頃もサムスンを日本企業と思っている人がいました。それでもサムスンのマーケティングはたいしたものです。とあるホテル、最新の3Dテレビなどサムスン製品を体験できる部屋があり、その製品はサムスンが無償で提供。人気も上々だという。さらに他の部屋全室の液晶テレビも特別価格で提供、ホテルは経費を抑えられサムスンは広告効果が大きく、どちらも満足する戦略です。


