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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成24(2012)年10月26日(金曜日)
   通巻第3797号 大増ページ号
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 狸がばかす葉っぱがお札? それでも2035年に中国人民元は基軸通貨に
    米ドル基軸通貨体制をはたして中国経済が脅かすのか
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 嘗てハーマン・カーンは「21世紀は日本の世紀」と予言した。フランシス・フクシマは「米国が冷戦に勝利し、やがてイデオロギーは自由が世界の価値観を一元化し、歴史は終わる」と言った。ほかにもいろいろな予測があったが、みな外れた。

 「2035年に中国の人民元が世界経済の基軸通貨として米ドルを超えるだろう」という衝撃的な予言が或るエコノミストに拠ってなされた。

  アービン・サブラマニアンは「ピーターソン国際経済研究所」(ワシントン)の上級研究員。世界的なエコノミストとして高名である。 オックスフォード大学で博士号、ハーバード大学、ジョンズ・ホプキンズ大学でも教えたが、IMFのガット交渉でも活躍し、現在はインド政府経済顧問もつとめるかたわら、欧米のメディアに頻繁に寄稿する。

 サプラマニアンが世界のマスコミから注目された所以は「人民元は十年以内にドルを凌駕することはないが、2035年には基軸通貨としてドルの地位を代替するだろう」という悲観的(アメリカ人にとって)予測を展開したからだ。

 かれは世界史的展望から英国、米国の帝国的覇権の一環として英国ポンド、米ドルの周期的役割と、その歴史を分析し、そうした手法を用いて人民元の圧倒的な強さを予見して見せた(2011年九月発刊の『ECLIPSE』。中国の経済力がやがて米国のヘゲモニーを喪失させる、という意味である)。
 
彼は世界経済の秩序という展望に立脚すれば中国は危険は帝国になる可能性は薄く、むしろ新経済秩序を領導してゆくのではないか、と楽観的なのである。

 実は衝撃的なスピーチが東京IMF・世銀大会でなされていた。
 バーナンキFRB議長の演説よりも、中国からきた中国人民銀行副総裁のスピーチに聞き入る聴衆が多く(周小川が欠席したのでマスコミはこの中国演説を無視したか、小さく扱った)、副総裁は「中国は外貨準備をいつまでの米ドル基軸とはしない。過去の米ドル依存態勢をあたらめる」と言ったのである。

 エクアドルやヨルダンという国々では事項通貨を国民が信用せず、米ドルが日常の決済手段。ジンバブエでは、そのドルさえない。
 同じ事がアジア周辺国家でおきつつある。人民元通用経済圏はベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー。そして当該国家の通貨よりレートがつよいのは香港、台湾、韓国。

 日本では人民元は紙屑としてしかまだ扱われておらず、免税店でしか人民元を受け取らないが、そうした動向もやや変貌している。
日本政府は昨秋に中国国債の購入を宣言したうえ、12年6月から人民元と日本円との直接取引を始めたのだ。そして人民元と為替取引、貿易など交易決済を開始した国々では、はやくもドルによる決済取引増加比率との取引量が急拡大した。

 英誌エコノミスト誌(12年10月20日号)によれば、急拡大順位は韓国、インド、マレーシア、フィリピン、タイ、台湾、南ア、インドネシア、イスラエル、シンガポール、チリとなっており、米ドルとの取引が急激に落ち込んだのは南ア、韓国、インドだという。

とはいえ新興国家51ヶ国のうち32ヶ国は依然として米ドル本位制であり、米ドルの陰りがみえるのは東南アジア諸国。さりとて「ドル・レートが1%変動するとアジア通貨は0・45%動き、対比的に人民元は1%動いても、アジア通貨は0・19%しか変動しない」(数字はいずれも英誌エコノミスト誌)。

 「それはそれとして、2035年に人民元がドルを凌駕する基軸通貨になるだろう」と前掲のサブラマニアンは続けた。
 日本が米国の顔色をこそこそと見ながらも政府財務省は、あれだけの反日暴動で100億円もの被害を被りながらも、中国に協力する姿勢を崩していない。
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(休刊のおしらせ)小誌は10月27日から29日が休刊となります
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(1)「中国バブル破裂地帯をゆく」(『新潮45』「野蛮な中国」特集号、発売中)
(2)「台湾の反日漁船の黒幕」(『月刊日本』11月号、発売中)
(3)「中国の軍艦が尖閣にやってくる」(『撃論プラス 奪われる日本』、発売中)
(4)「党大会直前、中国次の指導部を予測する」(『エルネオス』11月号、31日発売)
(5)「もっとも効果的な中国制裁は通貨直接取引の停止だ」(『正論』11月号、発売中)
(6日中国交回復四十年 周恩来、トウ小平、江沢民列伝」(『臨時増刊 正論エクストラ18』、発売中)
(7)「大川周明 亜細亜の夢を読んで」(『世界と日本』10月25日号)
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前号書評『日本興国論』で「女性天皇に関して怪しげな議論をすすめている手合いも元左翼の連中であり、気合いをいれて対応する必要があるとされて、その理由を歴史を遡って簡潔に叙されている」とありました。
そこで、三島由紀夫研究会の先代事務局長三浦重周氏の遺稿集「白骨を秋霜に曝すを恐れず」(K&Kプレス刊)のなかに次のように「女性天皇」が書かれていましたのでご紹介します。
「(引用開始)この問題について、私見を述べることとする。
一、歴史的に一貫して「男系主義」であり、そのため現行皇室典範でも第一条は「皇位は、皇統に属する男系の男子がこれを継承する」と定めていること。「男系」とは父方の系統を意味し、皇位継承資格は古来、父方の血統に天皇を持つ男系であることを大原則としていること。
二、「女性天皇」は歴史上10代8人いるが、いずれも皇后だった未亡人か独身の皇女であり、飽くまで「臨時的措置」であったこと。「女性天皇」が退位した後は必ず男系に戻っていること。「女性天皇」が即位後に子供を出産しても、その子供が即位した例はなく、もし「女性天皇」を認めその子供を皇位継承者とした場合、皇統が男系から女系へと代わり「万世一系」といえなくなること
三、「女性天皇」容認論は明らかに天皇ー皇室の「無化」を狙っていること。
 四、もし今現在の宮家から男系男子の皇位継承者がいなくなるとすれば、宮家を復活するか旧皇族からの養子を認めれば済むこと。
五、現在憲法改正法論議が高揚し「天皇規定」についても様々に論じられているが、日本天皇の本義は「現御神天皇」であり、即ち国祖の直系であり国祖の精神を如実に現在まで護持し賜う天皇を神として仰ぎ、国家の不易の中心として奉らなければならないということ。明治憲法の第一条から第四条まではこの本義に踏まえた近代立憲主義の根本規範であり、したがって「女性・女系天皇」や現行憲法の「象徴天皇」は勿論、「象徴天皇」をそっくり継承する自民党新憲法案や、「象徴天皇」を更に無化することを企む「女性・女系天皇」等々は断じて認められないこと(平成17年10月24日) 」(引用止め)
 以上です。
  (FF子、小平)



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(読者の声2)ちょっと先の話ですが、北九州の愛読者の皆さん、とりわけ佐賀県の皆さん、下記の要項で宮崎正弘先生の独演会があります。