◆中西輝政『迫りくる日中冷戦の時代、日本は大義の旗を掲げよ』を読み解く
※要旨
・日本の主権侵害や安全保障への脅威として、いずれも日本という国の存立に関わる深刻な「危機の連鎖」が、この2年足らずの間に、繰り返し起こっているわけである。その背後にはいったい何があるのか、日本人はいまこそ冷静に、そして深く腰を下ろし目を凝らして、このような流れを引き起こしている大きな構図に目を向けなければならない。
・これから日本は、中国にどう対処すればよいのか。それにはまず、あまりにも希薄化した日本人の国家観を再建するとともに、何よりも世界が共有する普遍的な価値観という「大義の旗」を掲げること以外にはない。
・国際情勢というものは、普段は平静に見えていても、実は危機の際にその本質を見せるものである。
・中国海軍の南太平洋への急速な進出が意味するものは何か。普天間問題を論じるにしても、東シナ海や尖閣諸島への中国の支配拡大を抑止しようとすれば、日米同盟は常に、グアムの米軍拠点と一体で考えざるをえない。とすれば、中国は日米側のその戦略に対抗すべく、必ずグアムを南から脅かす動きに出るはずである。
・米豪両国はもちろんのこと、東南アジアや欧州諸国のリーダーたちは、政界、経済界を問わず、たとえ今のところ口に出しては言わなくても、中国との冷戦的な対立がもし起こったら、「わが国はどうすべきか」ということを、決して「想定外」にはしておらず、そうなったときの自国の対応策について日々、その思考をめぐらせていることを忘れてはならない。
・中国にとって北朝鮮は、きわめて重要な「核心的利益」なのだ。同じ「核心的利益」とされるものに序列をつけるなら、第一が中共の一党独裁体制維持、第二が北朝鮮体制の維持、第三がチベット、ウイグル、第四が台湾、第五が南シナ海+東シナ海と言ってよい。
・過去も現在も未来も「北朝鮮問題」とは結局、狡猾な戦略を駆使する「中国共産党」の問題に行き着くのである。残念ながら、日本人にはこのことが見えないため、北朝鮮の拉致や核の問題を中国とは切り離して論じられてきた。
・いまや中国は、経済力と軍事力の膨張によって、物理的に朝鮮半島全体を支配下に置くことが可能になりつつある。北朝鮮東北部の羅津港の使用権を得て、そこに中国の経済特区をつくり、そこを拠点として、日本やアメリカ、ロシア、韓国との貿易が始まってきている。
いずれにせよ、現在すでに朝鮮半島全域が中国の貿易と軍事のネットワーク圏に組み込まれてしまったことは紛れもない事実だ。
・中国が自ら「宗主国」を任じているのは、北朝鮮に対してだけではない。朝鮮半島全域に対してだけでもない。日本、とりわけ沖縄に対しても、間違いなく「宗主国」意識を抱いている。
・尖閣が破られれば、中国は必ず沖縄まで手を伸ばし、自らの手中に収めようとしていると見られる。
・日本人は「スパイ」と聞くと国家機密を盗むことを思い浮かべるが、中国の諜報活動はそれらに重きを置かない。中国のエリートが行うのは、もっと重大な任務だ。それは「日本の政策を変えさせる」ことである。
・日本人からすれば想像できないだろうが、中国ではロシアや北朝鮮以上に国策の中心に諜報活動がある。いやむしろ、それが中国文明の本質とさえ言ってもいい。孫子の時代から政治とは謀略であり、謀略を伴わなければそれは政治ではない、というほどである。
・中国は日本人の反応を注意深くチェックしている。毎日の新聞、テレビ番組を、それぞれ担当者をつけてすべてチェックし、要約し、毎日数十ページの冊子にして、「今日の日本の世論のムード」と題して最高指導部まで上げていく。それほど、日本人の心理を微に入り調べつくしている。
・カネもさほどかかわらず、いますぐ自力でできる新冷戦時代の生き残り政策として、早急なる「スパイ防止法」の制定を提案したい。
・防諜体制の構築は、いわば純粋に「守りの政策」なのだが、平和的に中国の弱点を衝く徹底的な攻撃手段がないわけではない。それは、政府が先頭に立って、対外広報や宣伝活動に打って出ることである。
・日本が対中戦略で持っている最も有効な武器は、自衛隊でもなければ経済や先端技術でもなく、「人権・民主化」という「大義の旗」なのである。日本がこの「大義の旗」を明確に掲げるかぎり、アメリカは日米安保の文言と関わりなく、日本を守らざるをえないからである。
・この「敵の最大の弱点」を公明かつ正々堂々と衝くことこそ、日本が追求すべき最も有効な対中戦略なのである。
・人口わずか500万人の小国であるノルウェーがノーベル賞において、中国の圧力に屈しなかったのも、民主主義的価値観、さらには人間普遍の正義の観念を明確に持っていたからであり、欧米諸国をはじめとする世界各国がその価値観を共有していたからだ。
※コメント
中国に関しては、より一層の研究・調査が必要のようだ。近く、中国では指導者層が大幅に変わる。それについても今後の動向とあわせて注目したい。
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