「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成24(2012)年8月21日(火曜日)弐
通巻第3730号 <8月20日発行>
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羅援少将がまた吠えた
中国海軍の空母を「釣魚島号」と命名しよう
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次から次へと対日強硬発言で知られる中国人民解放軍の羅援少将(軍事科学学会副秘書長)がまた吠えた。
19日に北京で開催された「釣魚島問題討論研究会」の席上、中国戦略文化促進会常務副会長でもある羅援は「釣魚島が中国の主権であるからには最初の空母を『釣魚島号』と命名してはどうか。韓国海軍の最強戦艦が『独島』というように」と発言した。
同討論会は『環球時報』が主催し、専門家およそ二十名が集まったとされる。
羅援はつい最近も「釣魚島に軍艦を派遣し、周辺で軍事演習を行え」と発言、また三沙市昇格のときも南沙、中沙、西沙諸島が統合されて「三沙市」となった以上、軍管区分区を設営すべきである」とも発言した。
彼の発言は人民解放軍内でタカ派のガス抜き効果があり、軍の主流ではない。
それよりパンダをセンセン、カクカクと命名したら如何とした石原発言の二番煎じでは?
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「中国が火星探検だって? お笑い草もいいところだ」(ロムニー)
「中国は最重要同盟国だ」(ゼーリック前世界銀行総裁)
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ゼーリック前世界銀行総裁が、ロムニー陣営の外交政策委員会のトップに就いた。
その前にライオン下院議員が「副大統領候補」に指名された。
かたや親中派の代表格、こなたタカ派でティパーティのウケが良いダークホース。しかし共和党はオバマに勝つ意気込みがあるのか、選挙に本気で臨もうとしているのか、この人選を見る限りは疑わしくなった。
ゼーリックは野心家で、しかもロビィスト的な親中派である。
このため共和党保守陣営から蛇蝎のごとく嫌われている。キッシンジャー嫌いが多い保守派を刺激するような人事である。
そこで保守派の不満のガス抜きにロムニーは、ライオン議員を副大統領候補にあてバランスのとれた正副チケットとした。
ロムニー自身は大の中国嫌い、「わたしが大統領となってホワイトハウスへはいったらまっさきにやることは『中国を為替不正操作国』に認定することだ」と言うたびに拍手喝采されてきた。
つい最近も中国の宇宙計画、とくに火星探査衛星打ち上げを聞いて「お笑い草だ」と発言した。
ブッシュ・シニアは1988年レーガン人気の残照のなかで、副大統領に保守陣営からダン・クエールを選んで副大統領候補とした。相手はギリシア系のデュカキスが民主党大統領候補で軽量級、楽勝だった。
1992年、再選は当然の趨勢だったが、保守からテキサスの大富豪ロス・ペローが突如出馬したために共和党の票が割れ、漁夫の利で「アーカンソウの馬の骨」といわれた泡沫候補が大統領となった。
クリントン二期目に共和党が選んだ候補者はボブ・ドールだった。ドールはベテラン議員だが、なにを言っているのか分からない、ワシントン政治には長けていても国民に訴えるパンチ力を欠いた。
「まだ夫人のエリザベスの方が候補としてマシだ」とからかわれた。
ドールは副大統領に、やはりタカ派で保守のウケが良いジャック・ケンプを選んだ。だが共和党は求心力を欠き、クリントンに遠く及ばず惨敗した。
2000年選挙は息子のブッシュ・ジュニアがかろうじて当選したが、副大統領はチェイニーというタカ派だった。
08年、オバマが本命ヒラリーを民主党予備選で勝ち抜いてきたが、共和党はマケイン・ペイリンという正副チケットで大敗した。オバマは「チェンジ、イエス、ウィキャン」と言っただけで、ムードに乗った。
そして2012年、オバマ不人気、経済低迷という絶好のチャンスに、共和党はロムニーなるモルモン教徒の穏健保守を選んだ。予備選段階でティ・パーティの威力凄まじく、副大統領をタカ派から選ばなければ共和党の団結はありえない。だからライオン議員を副チケットとしたが、一方で外交委員会トップに、保守陣営がもっとも嫌うゼーリック前世界銀行総裁を持ってきた。
バランスを取ったつもりかも知れないが、こういうジグザグを見せつけられると、ロムニーは自ら勝機を放棄しているのではないか。
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