【仮住民票】「国籍・地域」欄で「中国」とされている在日台湾人

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」より転載



 改正「出入国管理及び難民認定法」の趣旨を理解していない総務省の失態

◆「仮住民票記載事項通知書」で「中国」と記載されていることに疑問の声

 今年の7月9日(月)から日本に住む外国人は、これまでの「外国人登録証明書」(外登証)が廃止され、新しい在留管理制度として、特別永住者には「特別永住者証明書」、特別永住者以外(中長期在留者)には「在留カード」が交付される。これは、3年前の平成21(2009)年7月8日に改正「出入国管理及び難民認定法」(法律第79号、7月15日公布)が成立したことによる。

 この法律が制定されたことで、外登証の国籍欄で「中国」と表記されていた台湾出身者は、在留カードの「国籍・地域」では「台湾」と表記されるようになる。

 一方、外登証廃止の措置に伴い「在日外国人の在留状況をこれまで以上に正確に把握するため」(法務省入国管理局)、在日外国人も日本人と同じように7月9日から住民基本台帳に記載し、新たに住民票が作成される。

 5月半ばくらいから、各自治体は在日外国人に「仮住民票記載事項通知書」あるいは「仮住民票通知」が郵送されている。東京の場合、新宿区は5月11日、大田区は5月14日に発送されたようだ。この仮住民票は7月9日に住民票になる。

 もちろん、住民票作成の対象となる在日台湾人のもとへも届いている。この「仮住民票記載事項通知書」には、氏名、生年月日、通称、性別、世帯主、続柄、住所、外国人住民となった日に続き「国籍・地域」欄が設けられている。

 ところが在日台湾人の場合、この「仮住民票」の「国籍・地域」欄では「中国」と表記されている。これを受け取った在日台湾人の間では「どうして『中国』と表記されるのか」という疑問の声が挙がっている。

 在留カードの「国籍・地域」欄では「台湾」と表記されることが決まったことに伴う住民票なのだから、「仮住民票」であっても「台湾」と記されるのではないかと考えるのは筋が通っている。当然といえば当然の疑問だ。

 また、「仮住民票記載事項通知書」では「変更等のない場合は、仮住民票の内容のとおり住民票が作成されますので、特に届出等の必要はありません」とも記していて、果たして住民票では「台湾」と表記されるのか、不安に駆られている台湾人も少なくない。自治体窓口に確認してみると「住民票では『中国(台湾)』と記される」などと不安に拍車をかける返答をするところもあるそうで、自治体の窓口でもよく分かっていないようだ。

◆総務省・外国人住民基本台帳室の返答

 そこで本会は、住民基本台帳(住民票)を所管する総務省に連絡、外国人の住民票に関する事務を担当する外国人住民基本台帳室に連絡を入れて確認してみた。

 外国人住民基本台帳室によれば、総務省は、本年2月10日付で自治行政局長が「仮住民票の作成に関する通知」を都道府県知事宛に出したという。この局長通知のポイントは、外国人住民票における「国籍・地域」欄の記載は在留カードの記載と一致しなければならないということだそうだ。つまり、台湾出身者は在留カードの「国籍・地域」欄では「台湾」と記載されるので、住民票も「台湾」と記載されなければならないと考えているという。

 ただし、この通知では外国人住民票の「国籍・地域」欄の記載は外登証に基づいて記載せよと記されているという。

 そこで、すでに在留カード化は法律で定められているのだからおかしいのではないかと問い質すと、「まだ外登証が有効なので致し方ない」という返答だった。

 では、外国人住民票における「国籍・地域」欄の記載は在留カードの記載と一致しなければならないということを、自治体には通知しているのかと問うと、「仮住民票の作成に関する通知」と同時に、自治行政局長が本年2月10日付で通知した「住民基本台帳処理要綱」で記しているとの返答だった。

 しかし問題は、「仮住民票記載事項通知書」の国籍・地域欄が「中国」や「中国(台湾)」と記載してある場合は、どのように訂正するかだ。

 それについて質問すると、担当者は「自治体の窓口に外登証原票の表記訂正を申請すれば、正式な住民票では『台湾』と記載される」という返答だった。

 また、この「仮住民票記載事項通知書」をこのまま放っておいたらどうなるかと問うと「在留カードの記載と一致しなければならないという前提なので、在留カードが発行される今年7月9日以降は『台湾』と記載される」という返答だった。

 そこで、「7月9日その日から記載されるのか」と念のために確認すると「いつから連携が始まるかまだ分からない」との返答。つまり、在留カードと新住民票が同時スタートできない、タイムラグが出てくる可能性を否定しなかった。7月9日の朝一番に住民票を取ってみたら、まだ「中国」と記載されていることもありうるということだ。

 そこで、台湾出身者の在留カードと住民票の「国籍・地域」欄の記載名が異なるのは、外国人住民基本台帳室としては避けたい考えのようだから、やはり同時スタートできるよう力を尽くして欲しいと激励して電話を切った次第だ。

◆念のため自治体窓口に外登証原票の表記訂正の申請を!

 いずれにせよ、在日台湾人が受け取った「仮住民票記載事項通知書」の「国籍・地域」欄では「中国」と表記されているのだから、これは「変更」の対象だ。総務省では「在留カードが発行される今年7月9日以降は『台湾』と記載される」というが、「内容に誤りがあった場合は、市民課外国人登録担当(電話:042-724-4225)にご連絡またはご来庁ください。お申し出がなければ訂正できません」(東京都町田市)と通知している自治体もあるので、念のため、自治体の窓口に外登証原票の表記訂正を申請しておいた方がよさそうだ。

 それにしても、3年前に制定された改正「出入国管理及び難民認定法」で外登証の国籍欄で「中国」と表記されていた台湾出身者の場合、在留カードでは「台湾」と表記されることが決まっていた。

 この法律に基づいて住民票を作成するのだから、総務省自治行政局長の「仮住民票の作成に関する通知」では、但書きとして「仮住民票記載事項通知書では、台湾出身者の『国籍・地域』は外登証に基づいて『中国』と記載されていますが、正式な住民票では『台湾』と記載されます」とでも記すよう通知しておけば、在日台湾人に不安を起こさせなかったはずだ。自治体から仮住民票記載事項通知書を送付する場合も、そのように記しておけばなんの問題も起こらなかったはずだ。各自治体のホームページでも、そのような但書きはないようだ。

 これは、改正「出入国管理及び難民認定法」の趣旨を理解していない総務省の失態としか言いようがない。

◆総務省・外国人住民基本台帳室 TEL:03-5253-5111

◆新宿区:仮住民票に関する通知をお送りしています
 http://www.city.shinjuku.lg.jp/foreign/japanese/oshirase/1205/1205_4.html

◆法務省入国管理局:中長期在留者の方向け「新しい在留管理制度がスタート!」
 http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_1/