■YUKI von MURATA氏からの「シリア情勢レポート」
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曽野綾子+クライン孝子共著「いまを生きる覚悟」
http://shop.chichi.co.jp/item_detail.command?item_cd=958
クライン孝子  著書紹介一覧
http://www.takakoklein.de/buch.htm
◆週刊現代
ゴールデンウイーク05/12合併特大号にて
<<【全国民必読】曽野綾子×クライン孝子 
「覚悟と品性」――いま日本人に問われていること
http://www.zassi.net/mag/WGENDAI/20120512/i/000.jpg
http://www.zassi.net/detail.cgi?gouno=31354 >>
(註;弊社HPでもご紹介させていただいております。
http://www.chichi.co.jp/book/20120423_gendai.html
致知出版社 番園雅子拝)=として曽野さんとの対談が大きくとりあげられましたことで、多くの皆様から、本を手にしての感想メールが届いています。ありがとうございます>>

◆さてもYUKI von MURATA氏より貴重な「シリア情勢レポート」
◆<<2.シリア・アラブ共和国情勢とイラン
◆2-1.国連安保理
◆2-2反中国人及び反ロシア人感情が高まる
◆2-3シリアの体験談と現在のシリア情勢
◆2-3-1シリアの情報統制
◆2-3-2-1シリアの監視・密告社会と内乱
◆さらなる日欧米豪印同盟強化を行なう必要がある。
◆2-3-2-2中東における独裁政権の側面
◆2-3-3シリアとイランの強い繋がり
◆2-3-4裕福な湾岸のアラブ諸国(イエメン除く)のイラン
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◆さてもYUKI von MURATA氏より貴重な「シリア情勢レポート」が届きましたので、掲載させていただきます。
◆<<2.シリア・アラブ共和国情勢とイラン

◆2-1.国連安保理
シリア制裁についてロシア、中国が国連の安保理で拒否権を行使した。それに対してアメリカ合衆国はこれらの国を非難した。だが、内心一番ほっとしているのはアメリカ合衆国やイスラエルかもしれない。このシリア情勢を中心にした視点でみれば、中東エリアは膠着状態である。もちろん、長期的にはアメリカ合衆国はシリアの現政権が打倒され、穏健派の政権が成立することを望んではいる。

スニン派アラブ諸国(裕福アラビア半島の諸王国)は現在のシーア派・アラウィ派(シリアの支配階級10%強、シリア国民の大半はスニン派)アサド政権を批判する一方で、自由化で新たな混沌となる勢力がシリアから自国(オイルマネーで潤う裕福なスニン派のアラブの諸王国で王制の廃止などの影響を与えるようなことがないように)へ広がることは望んでいないと見ることができる。このことから多くのアラブ諸国は適度なスニン派シリア市民の支援とアサド政権批判をする程度に留まっていると言ってもよい。言い換えれば、シーア派・アラウィ派アサド政権がスニン派市民と対話し、もう少し穏健路線を歩み、シリアから混乱を国外に持ち出さないで欲しいというのがスニン派の裕福なアラブ諸国の本音である。アラブ諸国もアラブ諸国も本格的にはシリア問題に関して動きたくない、あるいは動けないと言うのが本音である。

他方シーア派のイランと同じくシリア内では少数派であるシーア派・アラウィ派のアサド政権との繋がりは強い。また両国はヒズボラ(レバノンでのイラン型イスラム共和国)とイスラム原理主義組織ハマス(パレスチナのイスラム)への支援がある。それ故にテロ支援国家と言われている。このような関係からイランとしてもシリアに対してシリアの現政権がこれらの両組織をうまくコントロール下に置くことが重要であり、両組織の内のヒズボラが暴走またはアサド政権への内乱という対立を望んでいない。それはイスラエルへの牽制という均衡を失うことにもなるからである。この均衡を壊したくないと本音がある。故にシーア派のイスラム社会から見てもやはりシリア情勢は膠着状態であると見てよい。

他方、イスラエル、アメリカ合衆国もアラブ諸国の問題に深く関わりたくはないのが本音である。それにシリアは石油、天然ガスといったエネルギー資源が豊富でないということもある。仮に国連で可決されていたら、困るのはアメリカ合衆国だと言うことは、アメリ合衆国がシリアに介入した場合のアラブ諸国の反応あるいはこの地域の政治バランスの変化を想定すれば理解できよう。もちろん、イスラエルが介入(イスラエルの生存に関わる事態以外は介入しない)することはアメリカ合衆国の介入以上にアラブ諸国は望んでいない。更なる混乱と破壊をもたらす事になる。そのことをイスラエル自身は理解している。

さらにイランへの攻撃も絡むとこの地域が膠着状態であった方がアメリカ合衆国、イスラエルにとっても有利でもあると見てよい。

◆2-2反中国人及び反ロシア人感情が高まる現在、シリアではスニン派の多く市民は反中国人及び反ロシア人感情が日々高まっている。現地に滞在する東洋人及び欧米人は中国及びロシア人に間違えられないように注意したほうがよい。現地ではアフリカで傲慢な中国への反感から中国人が殺害されるような事態はまだ聞かないが、中国人及びロシア人に対して「殺す」「殺したい」「殺してやりたい」など言うス二ン派市民が増加していると報告がある。貴方が日本人あるいはドイツ人である場合は問題ありません。(ただし、アサド政権側からはジャーナリストに対する制限はある)
ただし、反アサドなどと現地で軽率に公言しないこと。

◆2-3シリアの体験談と現在のシリア情勢
シリアはイスラエルの情報部員エリ・コーエンがシリア政府要職に潜入活動し、逮捕され処刑された国である。著者は女王陛下の大英帝国・ロンドンで彼の活動に関するレポートを読んだ数ヵ月後にシリアを初めて訪問した。当時はハーフィズ・アル・アサド大統領(前アサド大統領・現大統領の父)が統治していた時であり、当時はまだソ連の強い影響下があった。ヨルダン王国・首都アンマン国際空港で、シリアに行くならヨルダンで両替したほうがレートはいいと銀行から忠告を受けた。両替した紙幣はシリアの入国検査に引っかからないようにマジシャンのように手のひらからお札を消すしかないが。ルフトハンザー・ドイツ航空が優先予約で確保したロイヤル・ヨルダン航空はこれでもかという鉄腕アトム(アストロボーイ)の主題歌のように繰り返される様々な角度から撮ったヨルダン航空機と自我自賛のような自社PRの映像は興味深いものだった。やがて、色あせたそしてくたびれたソ連製航空機ツポレフのシリア航空機などが並ぶダマスカスに夜中に到着した。(今日はカラーや機体は以前より洗練されている。)東側陣営の影響下があったため、信条として西側陣営では最高級の贅沢をするときもあるが対立していた東側陣営には余計なお金(外貨獲得)は使用したくなかった(東側陣営の政治・非合法活動などに還元されるからだ。)。ホテルは予約せず、真夜中にタクシーで市内の一番安いボロ宿(睡眠と荷物の保管だけ)で英語、ドイツ語が通じない宿主とドイツ語が話せる運転手を介し交渉し外国人向けの公定料金をさらに値下げさせた。現金を先払いし、外国人宿泊に関する情報などの提供は必要以上に避けた。夜はゴキブリなどが、シャワー、トイレ、野戦病院にあるような金属パイプのベットの下の床をはいずっていた。スーツケースやドイツ製高性能装備品類はもう一つのベットの上に置いた。持参のドイツ製虫除け剤を散布して寝ていた。森やジャングルの中よりましだ。カーテンはベットのシーツより薄い。明かりをつければ外から丸見えだ。夜空の明かりで部屋の中を動くしかなかった。この宿の目の前には最高級ホテルがあった。早朝はこのような高級ホテルで、このようなホテルに相応しいあつらえのいい英国調の服装で、英国で食事に満足したければ朝食を二回食べればよいというように、一日分が十分足りるぐらいの食事をした。実際、昼や夜も軽いスナック程度か取らない時もあるぐらい市内を縦横に動き回る日もあるからだ。同時に当時のアラブ諸国でありがちな野菜不足をここで解消していた。このシリアの監視社会の痕跡を可能な限り消すために全て現金で処理した。

◆2-3-1シリアの情報統制
ダマスカスは聖書に記述されているぐらい古く歴史がある大都市である。