4月29日に四谷で丹羽経済塾が開かれました。今回は人数が少なめでしたが、それだけ議論する時間も取れました。丹羽博士と言えば、政府貨幣論の第一人者として高名な方ですが、本当は政府貨幣論だけではなく、ケインズの思想史的意義についても熱心に主張されています。今回もやはり思想史的な面からの講義がありました。

ケインズは1883年6月5日生まれで、同年3月14日にカール・マルクスが亡くなっています。

英国で産業革命が起こり、封建制から自由主義の時代が始まり、フランスでルソーが活躍して人民主権の思想が西欧で広まり、1789年のフランス革命があり、好景気と大不況が繰り返す時代に突入します。そして1848年にカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの共産党宣言。

ここまでは中学、高校の世界史の授業で習った話。


 丹羽先生によるとケインズはこういう時代背景の中で経済学を越えた思想史の範囲にまで及ぶ業績を残していることを強調されておられます。当時の経済学はマーシャルが完成したとされ、市場は自由にしておけば価格の調整機能が働いて全て巧く行くという結論です。しかし現実は好景気と不景気の繰り返し。マルクスはそこを把えて資本主義にはそういう事態にならざるを得ない矛盾が内在している、だから共産主義でなければならないと結論付けています。

それに対し、ケインズは歴史主義、決定論、ニヒリズムに対し、人間の英知で不況は克服出来るという論理を経済学的に展開しました。フランスのアルベルト・カミュや哲学者のカール・ポパーなどと同じくする傾向の思想です。

そしてそれはケインズの経済学は当時の欧州を覆う社会思想に真っ向対立する学説でした。ケインズ革命と呼ばれる所以です。そんな講義内容の展開でした。


 それで現代ですが、日本もアメリカも欧州も反ケインズ経済学一色。不可解なことこの上ない。日本政府の発表では日本の生産設備の稼働状況は97%かその前後くらいだと言っている。しかし97%と言うのは超完全雇用状態。そんな話、巷で聞いてみれば良い。どこが超完全雇用なもんか!です。如何に浮世離れした話か直ぐ判る。

更に政府の発表で出鱈目なのが乗数効果。乗数効果と言うのは自生的投資が数倍の国民所得を生み出すという理論。

日本の場合、その数値は昔から約2,5倍。年によ多少のブレがあっても0、1か2程度。数値は政府が発表しているし資料を見れば一目瞭然。
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ご参考
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2001/qe011/__icsFiles/afieldfile/2012/02/26/gaku_mfy01168.csv
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2011/qe114_2/__icsFiles/afieldfile/2012/03/08/gaku-mcy1142.csv
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当初私は政府の発表を聞いて、乗数効果の概念が変わったのかとも思いました。しかし7~8年くらい前でしょうか、雑誌のインタビューだか対談だかで竹中平蔵氏が述べていたのですが、日本の乗数はかつては2,5だったが最近は何故か1,1か1,0なんですよと述べているのです。つまり概念は変わっていないわけです。

では政府は政府自身が発表している上記の資料をどのように説明するのでしょう?好い加減なものですね。その話を丹羽先生切り出すといい終わらないうちに「概念は変わっていない」でした。


丹羽博士の著書『新正統派ケインズ政策論の基礎』128ページに「GDPと自生的有効需要諸項目の伸び率比較」という資料が出ています。これは丹羽博士が政府の資料から纏めたもので、様々な時代の期間の資料を纏めるとどれも自生的有効需要の伸びとGDPの伸びがピタリ一致しているのです。

自生的有効需要の中身自体は公共工事が多かったり、企業の設備投資が大きかったりでデコボコですが、総額の伸びはGDPの伸びとピタリ一致。つまり減税が効果的か、公共工事が効果的かという議論は全くナンセンスという事になります。


 話題を変えて、最近主権回復の記念日、日本独立記念日。そんな馬鹿な事を言ってる人達が少なからずいます。この問題、フランスのビシー政権が参考になると思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%BC%E6%94%BF%E6%A8%A9

第二次大戦の話し、フランスはドイツに負け、占領されました。フランスはナチスドイツの言いなりでしたが、かろうじて「主権国家としてのフランス政府存続は達成された。」のです。

日本はポツダム宣言を受け入れ、その米軍の占領を承諾しました。その監視機関のGHQに操られましたが、天皇制は維持され、内閣も維持され、国民によって選ばれた内閣の手によって大日本帝国憲法に従って憲法は改正されました。だから日本は形式的には外国の植民地を経験していません。実質を言えば、アメリカだってイスラエルの植民地じゃないかと言える訳です。しかし形式的にはアメリカはイスラエルの植民地ではありません。

米軍の占領を経験した日本も主権は形式的には日本にありました。何故それなのに、主権回復記念日だとか独立記念日だとか言うのか理解に苦しみます。


国家が記念日にすると言う事は実質は兎も角、形式的にも外国に支配下にあったと認めることになるのですから。

多分、そう言う自虐的な事を言う人は根が左翼的なのだろうと思います。そして今まで言い続けてきたので今更変えられないという処ではないでしょうか。



   栗原茂男
               【純日本人会】 http://www.junnihon.com/
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