◆西所正道『東亜同文書院・風雲録』を読み解く


※要旨



・1901年、中国の上海に創設された高等教育機関(のちに大学)。
設立母体は、東亜同文会(会長は近衛篤麿)で、中国に関するエキスパート育成に取り組んだ。
戦前海外に設立された高等教育機関としては、最古の歴史を持つ。

一高(のちの東大)、海軍兵学校、陸軍士官学校、東京商科大学(のちの一橋大学)と並んで、
中学生憧れの5大校と言われた。



・日清戦争後、東亜同文会は、日中の共存共栄を目指し、それを実現するエキスパートを養成しようとした。
そのエキスパートたちが、ビジネス、文化交流を通じて、日本、中国、朝鮮の3カ国と真の提携を図り、アジアの平和を実現する。
東亜同文会が「東亜同文書院」を設立した背景には、そうした基本理念があった。



・東亜同文書院は、敗戦とともにその歴史を終えるが、その間に輩出された学生の数は、4000人以上にのぼる。
彼らは建学の精神を実現せんと、商社などの一般企業をはじめ、外務省、政界、大学、マスコミ、諜報部門など、あらゆる分野に巣立っていった。



・学生は、3つの方法で募集された。
1つは、全国各県でおこなわれる試験により選抜された。
各府県から数名の選抜となるため、かなりのエリートが派遣された。
これらは、公費留学生である。

2つ目は、企業派遣である。
満鉄や大手新聞社などの組織から派遣される。

3つ目は、一般入試を受けてくる私費留学生。



・東亜同文書院は、1939年に大学になるまで、高等専門学校令による指定校(外務省管轄)であったため、
授業科目は高等商業学校のカリキュラムに準拠した内容だった。
ただ、修業年限は、中国語の習得に力を入れたため、普通の高等専門学校より1年長い4年間だった。

28期の授業をもとに見てみる。
科目は週34コマ。
基本的には高等専門学校であるため、簿記や会計学、銀行論、貨幣論、民法、商法、経済原論、
交通論、倉庫論、取引所論、金融論、貿易実務といった科目はもちろんあった。

しかし、特筆すべきはやはり中国語で、授業の中でも最優先にされていた。
1年から4年まで、毎日の授業科目の中には、必ず中国語関係の科目が組み込まれていた。

英語教育や漢文の授業にも力が入っていた。
『春秋左氏伝』『四書五経』なども学んだ。


その実務的な面に力点を置いたカリキュラムにより「東亜同文書院はビジネススクールだ」ともいわれる。



・東亜同文書院を語るときに欠かせないことは、最終学年に行う大イベント「大旅行」である。

3人から6人が一つの班を編成して、3ヶ月から半年をかけて中国大陸や周辺国を調査旅行するものだ。
頼れるものは、身に付けた中国語と若さだ。



・同文書院OBで有名な人は、外務省東亜局長を務めた石射猪太郎である。

当時の外務官僚といえば、華族など名門の出が多いなか、
のちに「戦う東亜局長」という異名をとるなど、胆力とタフな知性を兼ね備えた外交官として知られる。

福島県生まれ。同文書院を卒業後、満鉄に4年勤務、家業を手伝い、その後、外交官試験を受ける。
東亜局長時代、軍部とも対立、その後、ブラジル大使、ビルマ大使などを歴任した。



・同文書院OBの商社マン、小田啓二は、次のようにいっている。
中国人は、イエス、ノーをはっきり言う点は欧米式。
しかし、一度築いた友好関係を大切にする。
こうした人と人との信頼関係が、ひとたび危機的な状態になったときに極めて重要になってくる。
それが、中国が「人治の国」といわれるゆえん。



・ビジネス成功の大前提として、「取引先との和」も不可欠であることは、つねに肝に銘じてきた。

「商社の仕事は、一方だけが有利な取引はありません。
取引の相手国の人が喜ぶこと、それがひいては自分の国、会社のプラスになる。
それが我々商社の究極のテーマ。
そういう取引をしないと、長続きしません」


・商品売買に欠かせないのは、迅速な情報収集だ。
中国語に堪能な者は、中国人たちと頻繁に情報交換を図った。

「情報のやり取りには、人間の信頼関係が大切だとわかったね。
情報は一人ひとりの人間が持っている。
ただ、それを手にするにはお互いの信頼関係と、日常における情報のギブ・アンド・テイクが不可欠になる。
つまり、教えるから教えてくれる、ということだね」



・外交は外交官の仕事であるけれども、彼らだけにしかできないものでもない。
ほんとうの外交は個人対個人。
温かい心で接するということ。
心は必ず通じる。
詰まるところ、アジアの人々を大事にすることが、大切な草の根外交になる。



※コメント

語学を勉強することによって、相手を理解すること理解されることが深まる。
それに加え、学ぶプロセスにより、相手の身になって考える、という姿勢が育まれることは良いことだ。
人間の持っている大事な部分であり、真の人間関係が構築される。








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