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メールコラム「使える!ビジネス古典」
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■No.47■■
彼を知り己を知れば、百戦して殆からず
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『孫子』の著者は孔子とほぼ同時代に、現在の蘇州を都として栄えた
呉国の将軍であった孫武です。
『史記』の列伝には、孫武が呉王闔閭(こうりょ)に謁見した際の
エピソードが綴られています。
孫武の兵法書十三篇をじっくり読んだという呉王に、
「実際に軍隊の訓練を見せてほしい」と頼まれた孫武は、
宮中の美女百八十人を借り受け、練兵することになります。
まず、女たちを二隊に分け、王の寵姫二人をそれぞれの隊長に任命し、
全員に鉾を持たせて下知(げち)しました。
「わたしが前と号令をかけたら胸を見よう。
左と言ったら左手を、右と言ったら右手を見よ」
そして、軍令に従わない者を斬る鉞を手にし、
軍鼓を打ち鳴らしてさらに下知を繰り返してから号令をかけましたが、
女たちは笑うばかりです。
「説明が不十分で号令が徹底しないのは、将軍たるわたしの責任だ」
孫武はこう言って何度も下知を繰り返したうえで、また号令をかけました。
しかし、女たちはなお笑うばかり。
「説明が不十分で号令通りに動かないのは将軍の責任だが、
十分に説明されているのに、号令通りに動かないのは隊長の責任である。
隊長を切る。」
高台で見物していた王は驚き、慌てて伝令を飛ばして助命を懇請しますが、
孫武は「臣、すでに命を受けて将たり。将は軍にありては君命を受けざる
ところあり」と断わり、寵姫2人を切り捨てて、別の美女を後任の隊長とし、
改めて号令をかけました。
今度は一同声も立てず、整然と号令通りに動きます。
「練兵は完了しました。どうか王みずから成果をお試しください。」
王はほうほうのていで引き上げましたが、孫武が信頼できることを知り、
ほどなく彼を将軍に任命しました。
このエピソードの真偽は定かではありませんが、蘇州の郊外の、
呉王闔閭の墓があると伝えられる虎丘(こきゅう)の一角には、
孫武が美女を訓練した場所だという広場があるそうです。
さて、そんな孫武が残した『孫子』は、名言として名高いこの一節から
始まります。
孫子曰く、「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道、察せざるべからず。
故にこれを経(はか)るに五事をもってし、これを校(くら)ぶるに計を
もってして、その上を索(もと)む。一に曰く道、二に曰く天、三に曰く
地、四に曰く将、五に曰く法なり」。
(計篇)
***解釈***
孫子は言った。「戦争は国家の重大事件で、国民の生死、国家の存亡を
左右するものである。戦争をはじめるには、慎重に考察を加えなければ
ならない。戦争をするには、五つの基本的な条件がある。第一に道、
第二に天、第三に地、第四に将、第五に法である」
********
「道」とは、原則と方針のことで、国民と為政者との意志を
一心同体させることです。
「天」とは、情勢とタイミングのことで、天候上の明暗、
季節と時の変化などの時間的な条件もさします。
「地」とは、環境条件のことで、両国の距離、地形の険しさ、
土地の広さや高さなどです。
「将」とは、指導者のことで、知恵と信頼、仁愛、有機、威厳などの
徳性を備えていることをいいます。
「法」とは、組織と規律のことで、軍隊の編成・規律・装備と
それを運営することを言います。
この基本条件をしっかりと認識している指導者は勝利し、
もし、認識できていなければ戦っても敗れることになるというのです。
そして、予め勝ちを収めるための五つの条件も示しています。
ここには、あの有名な「彼を知り己を知れば、百戦して殆(あやう)からず」
の名言が登場しています。
勝を知るに五あり。もって戦うべきと、もって戦うべからざるとを知る者
は勝。衆寡(しゅうか)の窈を識(し)る者は勝つ。上下の欲を同じく
する者は勝。虞(ぐ)をもって、不虞(ふぐ)を待つ者は勝つ。将、能に
して君の御(ぎょ)せざる者は勝つ。この五者は勝を知るの道なり。
故に曰く、「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず。彼を知らずして
己を知れば、一生一負(いっぷ)す。彼を知らず己を知らざれば、戦う
ごとに必ず殆うし」。
(謀攻篇)
***解釈***
あらかじめ勝ちを収めるための五つの条件がある。彼我(ひが)の優劣
を比較して、戦うべきか否かが判断できれば勝つ。彼我の兵力差を知って、
用兵に応じた戦いができれば勝つ。君主と国民が同じ意志をもっていれば
勝つ。態勢を万全にして、敵の不備を突けば勝つ。君主が将軍の指揮に
干渉しなければ勝つ。この五つが勝利する条件である。
したがって、こう結論づけられる。敵を知り、己を知るならば、絶対に
負けることはない。己を知って、敵を知らなければ、勝ったり負けたり
する。敵も知らず、己も知らなければ、戦うたびに必ず危ない。
********
弊社の社長は今の会社を始める前に、徹底的に自己と向き合い、
自身の内面を見つめ直す時間を持ちました。
そこには、決して認めたくなかった真実があり、それまで長い間、
この真実から目をそらして認めようとしていなかったことに気づいたそうです。
しかし、大変苦しい思いをしながらもこの真実を認め、
ありのままの自分と向き合うことができたとき、
滞っていた様々な問題が解決し、とても清々しい気持ちで、
確固たる信念を持って、ビジネスに取り組むことができるようになったといいます。
この経験から、社長はクライアントの皆さまにも自己と向き合うことをお勧めし、
セミナー等では、自己の内面と向き合うを方法をご紹介して、
実践された皆さまからは、多くの嬉しいご報告をいただいています。
孫子もまた、己さえも知らない者は決して勝てないことを、
はっきりと教えています。
もし、あなたが今、なかなか勝てないことに悩んでいるとしたら、
一度、自己と徹底的に向き合う時間をつくってみるべきかもしれませんね。
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呉国の将軍であった孫武です。
『史記』の列伝には、孫武が呉王闔閭(こうりょ)に謁見した際の
エピソードが綴られています。
孫武の兵法書十三篇をじっくり読んだという呉王に、
「実際に軍隊の訓練を見せてほしい」と頼まれた孫武は、
宮中の美女百八十人を借り受け、練兵することになります。
まず、女たちを二隊に分け、王の寵姫二人をそれぞれの隊長に任命し、
全員に鉾を持たせて下知(げち)しました。
「わたしが前と号令をかけたら胸を見よう。
左と言ったら左手を、右と言ったら右手を見よ」
そして、軍令に従わない者を斬る鉞を手にし、
軍鼓を打ち鳴らしてさらに下知を繰り返してから号令をかけましたが、
女たちは笑うばかりです。
「説明が不十分で号令が徹底しないのは、将軍たるわたしの責任だ」
孫武はこう言って何度も下知を繰り返したうえで、また号令をかけました。
しかし、女たちはなお笑うばかり。
「説明が不十分で号令通りに動かないのは将軍の責任だが、
十分に説明されているのに、号令通りに動かないのは隊長の責任である。
隊長を切る。」
高台で見物していた王は驚き、慌てて伝令を飛ばして助命を懇請しますが、
孫武は「臣、すでに命を受けて将たり。将は軍にありては君命を受けざる
ところあり」と断わり、寵姫2人を切り捨てて、別の美女を後任の隊長とし、
改めて号令をかけました。
今度は一同声も立てず、整然と号令通りに動きます。
「練兵は完了しました。どうか王みずから成果をお試しください。」
王はほうほうのていで引き上げましたが、孫武が信頼できることを知り、
ほどなく彼を将軍に任命しました。
このエピソードの真偽は定かではありませんが、蘇州の郊外の、
呉王闔閭の墓があると伝えられる虎丘(こきゅう)の一角には、
孫武が美女を訓練した場所だという広場があるそうです。
さて、そんな孫武が残した『孫子』は、名言として名高いこの一節から
始まります。
孫子曰く、「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道、察せざるべからず。
故にこれを経(はか)るに五事をもってし、これを校(くら)ぶるに計を
もってして、その上を索(もと)む。一に曰く道、二に曰く天、三に曰く
地、四に曰く将、五に曰く法なり」。
(計篇)
***解釈***
孫子は言った。「戦争は国家の重大事件で、国民の生死、国家の存亡を
左右するものである。戦争をはじめるには、慎重に考察を加えなければ
ならない。戦争をするには、五つの基本的な条件がある。第一に道、
第二に天、第三に地、第四に将、第五に法である」
********
「道」とは、原則と方針のことで、国民と為政者との意志を
一心同体させることです。
「天」とは、情勢とタイミングのことで、天候上の明暗、
季節と時の変化などの時間的な条件もさします。
「地」とは、環境条件のことで、両国の距離、地形の険しさ、
土地の広さや高さなどです。
「将」とは、指導者のことで、知恵と信頼、仁愛、有機、威厳などの
徳性を備えていることをいいます。
「法」とは、組織と規律のことで、軍隊の編成・規律・装備と
それを運営することを言います。
この基本条件をしっかりと認識している指導者は勝利し、
もし、認識できていなければ戦っても敗れることになるというのです。
そして、予め勝ちを収めるための五つの条件も示しています。
ここには、あの有名な「彼を知り己を知れば、百戦して殆(あやう)からず」
の名言が登場しています。
勝を知るに五あり。もって戦うべきと、もって戦うべからざるとを知る者
は勝。衆寡(しゅうか)の窈を識(し)る者は勝つ。上下の欲を同じく
する者は勝。虞(ぐ)をもって、不虞(ふぐ)を待つ者は勝つ。将、能に
して君の御(ぎょ)せざる者は勝つ。この五者は勝を知るの道なり。
故に曰く、「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず。彼を知らずして
己を知れば、一生一負(いっぷ)す。彼を知らず己を知らざれば、戦う
ごとに必ず殆うし」。
(謀攻篇)
***解釈***
あらかじめ勝ちを収めるための五つの条件がある。彼我(ひが)の優劣
を比較して、戦うべきか否かが判断できれば勝つ。彼我の兵力差を知って、
用兵に応じた戦いができれば勝つ。君主と国民が同じ意志をもっていれば
勝つ。態勢を万全にして、敵の不備を突けば勝つ。君主が将軍の指揮に
干渉しなければ勝つ。この五つが勝利する条件である。
したがって、こう結論づけられる。敵を知り、己を知るならば、絶対に
負けることはない。己を知って、敵を知らなければ、勝ったり負けたり
する。敵も知らず、己も知らなければ、戦うたびに必ず危ない。
********
弊社の社長は今の会社を始める前に、徹底的に自己と向き合い、
自身の内面を見つめ直す時間を持ちました。
そこには、決して認めたくなかった真実があり、それまで長い間、
この真実から目をそらして認めようとしていなかったことに気づいたそうです。
しかし、大変苦しい思いをしながらもこの真実を認め、
ありのままの自分と向き合うことができたとき、
滞っていた様々な問題が解決し、とても清々しい気持ちで、
確固たる信念を持って、ビジネスに取り組むことができるようになったといいます。
この経験から、社長はクライアントの皆さまにも自己と向き合うことをお勧めし、
セミナー等では、自己の内面と向き合うを方法をご紹介して、
実践された皆さまからは、多くの嬉しいご報告をいただいています。
孫子もまた、己さえも知らない者は決して勝てないことを、
はっきりと教えています。
もし、あなたが今、なかなか勝てないことに悩んでいるとしたら、
一度、自己と徹底的に向き合う時間をつくってみるべきかもしれませんね。
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