『闘戦経(とうせんきょう)─武士道精神の原点を読み解く─』(家村和幸編著)
・定価1680円(税込)
・11月15日発売予定
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『軍事情報別冊 「戦う日本人の兵法 闘戦経(最終回)」』
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◇◆◇ 発行講読者数:10,865名/平成23年(2011年)11月11日(金)発行 ◇◆◇
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取材・インタビュー・原稿作成・webコンテンツ用テキスト文作成・自費出版の
原稿作成支援およびアドバイス・その他《書く》ことに附帯する一切の業務に
ついて執筆活動を展開しております。 ライター・平藤清刀
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://homepage2.nifty.com/hirayan/
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● 戦う日本人の兵法 闘戦経(最終回) ~なぜ、今『闘戦経』なのか~
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▽ごあいさつ
日本兵法研究会の家村です。
8月26日以来、闘戦経全52章のうち、主に「日本人としての戦い方」に重点を
置いたものだけを抜粋して8回に分けて解説するとともに、その後は「孫子」と「闘戦
経」を表裏で骨と化すまで学び、その教えを実戦場裏で遺憾なく発揮してきた「兵法の
天才」楠木正成について2回に分けて紹介いたしました。
いよいよ、この連載記事「戦う日本人の兵法 闘戦経」も、今回をもちまして「最終
回」とさせていただきます。
「清く直く明けき心」を根本としつつ「剛毅」と「真鋭」を説く『闘戦経』の教えこ
そ、シナ文明や西欧文明の荒波に曝されて混迷を極めながら生きる現代の日本人に、
今、最も求められる「基本精神」である!・・・この信念をもって、2ヵ月半にわたり
長々と稚拙な文章を書き連ねてまいりました。
偉大なる先人・大江匡房卿が九百年の時空を経て、今日を生きる我々子孫たちに伝え
ようとした「日本とは何か、日本人とは何か」という問いかけへの答え、それは『文武
一元』の教えでした。
ごく簡単に言えば、『強い力』と『正しい心』を兼ね備えた者にしか、真の平和を築
くことはできない、ということであり、人類でこの「真理」に最も近いところに位置し
てきたのが我々日本人なのだということです。
これらのことを不十分ながらも、こうして読者の皆様にご紹介する機会を得ることが
できたことは、兵法研究家として、また予備役軍人として、これにまさる喜びはありま
せん。
最後までご愛読いただき、誠にありがとうございました。
(平成23年11月6日記す)
▼日本人の絶対的な平等の精神「天の分け御霊」
「平和は単なる武力紛争の不在ではなく、正義の実現である。神の恵み、賜物であり、
その実現を妨げているのは偽りである。」(ローマ教皇ベネディクト十六世)
人類の有史以来の歴史は、叡智にして善なるもの(=正義)と、狡猾にして悪なるもの
(=邪悪)との果てしなき「戦争」である。この邪悪な勢力は、巧妙な手口で弱者を目
先の利益に誘導して衆愚と成し、「叡智にして善」なるものを偽って善人を騙し、味方
に引き込むので、往々にして優勢になる。世界の現状は、こうした邪悪な勢力が支配力
を増大しつつある。正義が地上からこの邪悪を一掃しなければ真の平和は訪れず、この
邪悪を倒す「戦争」は、武力を用いる、用いないを問わず、あるいは目に見える、見え
ないにかかわらず常に行われているのである。
今、世界を席巻している西欧的、一神教的な思想や価値観ではこの「戦争」は永遠に終
わることが無いだろう。なぜか、それはこの思想・価値観が「唯一絶対の善」と「唯一
絶対の悪」の存在を前提とし、これを人間社会に実現しようとするものだからである。
しかし、強くもあり、弱くもある人間には、「絶対の善なる個」も「絶対の悪なる個」
も存在しない。存在しないものを存在すると信じ込ませるものは偽りである。
真実として存在するのは、「生成発展」という宇宙万有普遍の真理のなかに、今現在、
ここに実在する一つの霊魂を持った「個」だけである。この霊魂が清浄な状態にある
か、汚れ穢れた状態にあるか、が「正善」と「邪悪」を分かつのである。
目に見える形は無いが、間違いなく実在する霊魂であればこそ、あらゆる時間と空間を
越えて繋がることができる。それは、国土と人間を含む万物が等しく神々の子孫である
からである。個人の霊魂は、同一の根源を有する幾憶兆の無数に分かれた分霊分魂の一
つに過ぎないのである。万世一系の天皇を中心とする共同体に生きてきた日本人は、こ
のことを無意識のうちに理解してきた。だからこそ、男女を問わず、人の肌の色を問わ
ず、人も犬も猫も問わず、皆が信頼し、心を許しあう「地上の楽園」を築くことができ
たのである。
▼『直霊』(なほひ)と『禍津毘』(まがつび)
幾憶兆の無数にある分霊分魂のうち、清浄な状態の霊魂を『直霊』(なほひ)と言い、
汚れ穢れた状態の霊魂を『禍津毘』(まがつび)と言う。
『直霊』は、天地の全てが根源を同じくする同胞であるという意識(心の統一性・絶対
性)に支えられた清く直く明けき霊魂であり、万物の本性を顕現させて生成発展をもた
らす。日本人が元寇や幕末に見られたような外敵による国難に際して、天皇を中心に団
結してきたのも、地震や津波、台風などの大災害に際して、「心で繋がっている。心は
共にある」といった同胞意識が自然に芽生え、被災者救済に皆が協力し、互いに支えあ
ってきたのも、全て『直霊』のなせる業である。
国民の知らない裡に国の平安を祈り、あらゆる禍患は我が身を通れとひたすら祈念さ
れ、常に国民の心を我が心とされる 天皇陛下がおられ、その有難さに応えようと国民
一人ひとりが己れの務めを一所懸命に果たす。これが日本の国体である。皆が『直霊』
の状態にあれば、その本性を存分に発揮し、国は生成発展に向かうのである。
『禍津毘』は、この同一根源の分霊分魂という同胞意識を欠き、あくまで個人を中心と
する意識(心の分裂性・相対性)に支えられた霊魂であり、万物の本性を覆い隠して分
裂解体をもたらす。集団で社会を構成し、その一員としての務めを果たすのが人間本来
の性であるとすれば、それに反し、集団社会を離れて個人主義に走り、自我に執着して
私利私欲に走ることから邪悪が始まる。そして、集団社会の分裂解体こそが人間悪、社
会悪の根源である。それゆえ、天皇を敬う心を失うことは罪の始まりであり、この人間
社会で最も美しく尊い統一体である日本の国体を破壊しようとすることが、最大の罪な
のである。
あらゆる霊魂が根本と抹消の関係で繋がっている以上、相互に影響を及ぼしあうことは
避けられない。邪悪、穢れにより人々の霊魂が『禍津毘』になれば、天地の霊魂もまた
『禍津毘』になる。人心が悪くなれば、天地自然も悪くなり、災難をもたらす。これを
「万有一体の罪穢」という。罪とは、生成発展を延滞させ、阻害し、途絶させることで
あり、穢れとは「気枯れ」、すなわち霊魂が疲弊して、気力を失い沈滞することであ
る。
しかし、『禍津毘』は、その罪や穢れを禊(みそ)ぎ祓(はら)うことにより、『直
霊』に戻ることができる。これこそが、この世に一神教的な「絶対善」も「絶対悪」も
存在し得ない所以である。
禊ぎとは、あたかも清浄な水で汚れた体を洗い流すように、腐敗混乱した部分や癌細胞
のような病んだ部分を摘出して淘汰する「身削ぎ みそぎ」であるとともに、気枯れて
疲弊した霊魂に外部から大自然の清浄な霊気を注ぐ「霊注ぎ みそぎ」である。
祓いとは、あたかも積った塵芥(ちりあくた)を叩(はた)き落として掃除するよう
に、外見上に現れた禍患を除去する「払い はらい」であるとともに、弛緩した精神を
緊張させ、引き締める「張る霊 はるひ」である。
▼『武』の本義
我々日本人にとっての『武』とは、造化の武断によって「万有一体の罪穢」を禊ぎ祓う
ことにより、世界に類無き「日本の国体」を護持し、万物を生成発展させるものであ
る。
それゆえ、『武』の道を説く『闘戦経』は、「真鋭」を指導原理とし、「剛毅」な精
神を尊び、「智」と「勇」を兼ね備えた「強い力」と真の平和を願う「正しい心」を強
調する。そして、自我を棄て、私欲を離れ、天地自然と一体となって大義に随うこと
が、一切の邪悪を絶つ途であることを、『孫子』と『闘戦経』を表裏で学んだ唯一の武
人である楠木正成の生き様が実証している。
世界は今なお、正邪入り乱れた大戦国時代であり、大修理固成時代である。二十世紀
の世界では、共産主義というイデオロギーと政治体制が計画的かつ巧妙に真理を歪曲
し、おびただしい人々を搾取、殺害し、家族や共同体を破壊してきた。中華人民共和国
では、一党独裁政権を維持するために軍隊を「暴力装置」として濫用し、天安門、ウィ
グル、チベットをはじめとする国内各所で強力な破壊力をもって無辜の民衆を殺戮して
きた。『闘戦経』では、「兵の本は禍患を杜ぐにあり(五十二章)」と説き、こうした
軍隊の用い方を厳に戒めている。
又、人類は核兵器という大量破壊手段を手に入れて以来、大規模な武力戦争を行うこと
にはきわめて慎重になり、もっぱら小競り合いに類する紛争や、盗人のように相手の領
土・領…
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