■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

メールコラム「使える!ビジネス古典」

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■No.10■■■



古典に学ぶ人物鑑定法
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マルコム・グラッドウェル氏は、全米で52週間ベストセラーとなった
著書『第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』の中で、
こう書いています。

「直観的なひらめき「第1感」は、養うことができ、自由に操れるものだ。」

この話を裏付けるかのように、ヴァージン・レコードや
ヴァージンアトランティック航空を創業した
イギリスのリチャード・ブランソン氏は、こう語ります。


「人に会って30秒以内に品定めするのと同様に、
私は新しいビジネスの提案書も、それがわくわくするものかどうか、
やはり30秒以内に決断するようにしている。」

ブランソン氏は、会って30秒でワクワクしてくるような相手こそ、
見どころのある人材になるというのです。


また、現パナソニックの創業者、松下幸之助氏は、
人材に必要な要素として、「運が強い」ことを挙げ、
人を見る際には、「愛嬌があること」と、「運の強そうな事」の
二点だけに注意したそうです。

そして、その判断は、科学とかそういった知識によって見分けたり、
判断すべきことではなく、いわば経験からくるカンとでもいったもの
によって判断するのだとしています。


同じように能力をもち、同じように努力しながら、
一方は何でも比較的うまくいく。もう一方は何となくうまくいかない。
そういうことを見聞きし、経験していく中で、
何となくカンが養われていくのではないだろうか。
と語っています。



では、古典の中では、人物の判定について、どのように伝えられて
いるのでしょうか。


孟子は、鮮やかな弁論術で、時には相手をやり込め、また、時には
相手を自然に持論へと引き込みました。

そうした弁論の前提となっていたのが、まずは、
「相手がどのような人物であるか」を知る事でした。

そんな孟子が、人物鑑定法について述べた一文があります。



 其の言を聴きて、其の眸子(ぼうし)を観れば、
 人焉(いずく)んぞかくさんや

                離婁章(りろうしょう)句上篇

***解釈***

 人に備わる器官のうち瞳ほど汚れなきものはない。
 瞳は内心の悪をおおいかくすことができぬ。
 胸のうちが正しければ瞳は澄み、胸のうちに不正をいだいていると
 瞳は濁る。

 その語る言葉を聞き、さらにその瞳を観察すれば、
 誰でもその胸のうちをかくしきれるものではない。
 
 ***********



その人物の話す言葉やその内容と、その時の瞳をよく見て、判断した
ということです。

公孫丑(こうそうちゅう)章句上篇では、
「言葉の奥をさっと見抜くとは、どういうことでございますか」
と質問する公孫丑に、こう言っています。


「偏った言葉を聞けば、心のあそこが覆われているから一面しか
わからないのだなと知る。気ままでしまりのない言葉を聞けば、
心がこんなことに溺れているのだなとわかる。よこしまな言葉を聞けば、
あそこが道理からはずれているからだと知る。逃げ口上を聞けば、
あそこで行き詰っているなと見抜く。」


また、『論語』為政第二の中で、孔子はこんな人物鑑定法を述べています。



 子曰わく、其の以(な)す所を視(み)、其の由(よ)る所を観、
 其の案ずる所を察すれば、人焉んぞかくさんや、人焉ぞかくさんや。


 ***解釈***
 
 先生がいわれた、「その人のふるまいを見、その人の経歴を観察し、
 その人の落ち着きどころを調べたなら、(その人がらは、)
 どんな人でも隠せない。どんな人でも隠せない。〕

 ***********

眼と言葉で判断するという孟子に対し、孔子は、今現在の行動だけでなく、
過去の経歴や将来の目的までもを含めて判断すれば、その本性を見極められる
としています。


ついでですから、李克(戦国時代の初期、魏の文公の宰相として、
法治主義の立場から政治改革を断行した)が魏の文公の政治顧問であった時、
文公より宰相選任について相談を受け、それに答えて挙げた5つの条件
を書いておきます。


1.居る時、誰と親しくしているかをよく見る。

2.裕福な時、誰に与えたかをよく見る。

3.高位についた時、誰を登用したかをよく見る。

4.窮地に陥った時、不正をしたかしなかったかをよくみる。

5.窮乏した時、貪ったか貪らなかったかをよく見る。


また、大公望呂が語った形式をとる兵法書『六韜(りくとう)』には、
すぐれた人物を見分ける方法として、8項目のチェックポイントが
挙げられています。

1.質問してみて、どの程度理解しているか観察する。

2.追求してみて、緊急の時の反応を観察する。

3.スパイをさし向けてない通を誘い、その心の誠実さを観察する。

4.秘密を打ち明けて、その秘密を守れるかどうかの人徳を観察する。

5.財政担当にして、その正直さを観察する。

6.女性に言い寄らせて、節操の固さを観察する。

7.困難な仕事を与えてみて、勇気があるかどうかを観察する。

8.酒に酔わせてみて、その態度を観察する。


なかなか厳しいテストですね。(苦笑)
やりすぎはどうかと思いますが、仕事のパートナー選びや、
部下の抜擢の際には思い出してみてください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ご意見・ご感想・メッセージ等はこちらからどうぞ。

https://www.mshonin.com/form/?id=210221277


                    ビジネス古典研究会
             http://ameblo.jp/business-koten/


--------------------------------------------------------------------
このメールの受信停止を希望される方は、下記URLをクリックしてください。
http://www.MShonin.com/regist/rmlist.asp?sid=2102&cid=17400&mid=35938
画面上で「配信拒否」ボタンをクリックすると配信が停止されます。

※上記のURLが折り返して2行になっているときは、1行につなげてブラウ
 ザに入力してアクセスしてください。
--------------------------------------------------------------------