『数学者が見た 二本松戦争─武士道の精髄を尽くした戦い─』
⇒ http://tinyurl.com/3uu4wro
配信解除はこちらからお願い致します。
http://www.mag2.com/m/0000049253.html
┏★☆☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
『軍事情報特別企画 (荒木肇の「戦車と日本人」第25回)』
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆☆★┛
◇◆◇ 発行講読者数:10,856名/平成23年(2011年)10月12日(水)発行 ◇◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
取材・インタビュー・原稿作成・webコンテンツ用テキスト文作成・自費出版の
原稿作成支援およびアドバイス・その他《書く》ことに附帯する一切の業務に
ついて執筆活動を展開しております。 ライター・平藤清刀
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://homepage2.nifty.com/hirayan/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
----------------------------------------------------------------------
● もくじ
----------------------------------------------------------------------
◎ 特別企画 『戦車と日本人』 連載第25回(荒木肇)
◎ 著者略歴
◎ 著者・荒木さんにメールする
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●特別企画 『戦車と日本人』 連載第25回(荒木肇)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□自衛隊の活動を支えたもの・こと
急に気温が下がり、一気に秋が深くなった思いです。ついこの間、汗をだらだら流し
ながら歩いていたかと思うと、今週は上着がどうしても必要になりました。街ゆく人た
ちの中にもネクタイが復活しています。私も先日、久しぶりに締めてみたら、ちょっと
違和感もありました。つくづく慣れというものは恐ろしいものです。
しかし、ネクタイがあるVゾーン、やはり改まった雰囲気は感じます。対面する相手
がきちんと迎えてくれるなら、こちらも服装を整えようというのはモラルです。とはい
え、しょせん、モラルは絶対的なものではなく相対的なものでしょう。暑い季節に長袖
の上着やワイシャツ、ネクタイなど非合理的だ。礼装や正装など無駄なのだ、という
考えもありましょう。しかし、モラルはあったほうが無いよりは絶対に良い。そんなこ
とを改めて感じたものでした。
ネクタイをしたのは熊本の西部方面総監部へ出かけたからです。久しぶりに大きな駐
屯地で拙い話をする機会がありました。主催して下さったのは健軍駐屯地修親会の皆さ
んです。今回は「大震災派遣でわかったこと」と題しました。自衛官の過酷で、長い活
動を支えたものは何かをテーマにしたものでした。
『奇妙だけれど居心地がいい社会』と評されたのは、自らの体験を元に陸上自衛隊を
描かれた直木賞作家の浅田次郎氏です。庁舎前の掲揚塔にひるがえる日の丸。刈り込ま
れた芝生。ゴミ一つ落ちていない通り。節度ある警衛隊の敬礼動作。隊員同士の厳正な
敬礼交換。外来者に対する懇切な対応。形式を守る美しさ。すべてが、わが国の一般社
会から失われつつあるものと感じるのは私だけでしょうか。
まさに自衛隊は、世間から見れば、堅苦しく、形式的で、自由という名の気楽さがま
るでない奇妙なところです。体操をする隊員が足元に並べた小銃は、きちんと一直線に
置かれています。そろって行う身体の動きは、ほとんど同じ。荷物は適当に置き、ラジ
オ体操などといえば、それぞれが我流でチンタラするのが当たり前の私たち一般人。こ
んなこと、あんなことまで統制して、ほんとうに奇妙なところです。しかし、何とも居
心地がいいのはどうしてだろう。
それは、おそらく、彼らが日本人の伝統文化をきちんと継承しているからではないで
しょうか。現代は江戸時代の延長線上にあります。18世紀末から19世紀の初め、寛
政から文化・文政時代にいまの私たちの元があるのです。古典落語が理解される、時代
小説では武士たちの暮らしが描かれて共感を呼ぶ。映画化されても人気がある。それ
は、いまの私たちのルーツが、その時代あたりにあるからです。
他者を思いやり、周囲の人々と温かいつながりをもち、分を守り、自分の役目をきち
んと果たすことが大切とされました。わが国なりの、優しい合理主義が生まれた時代で
す。藤沢周平の書いた小さな藩の物語の数々にそれらは描かれています。それに比べれ
ば、今の私たちをとりまく欧米型の合理主義は、いささか乱暴な、荒っぽいものです。
自己責任とか、格差社会とか、ほとんど欧米型合理主義社会に近くなっています。
人間は社会的な存在であり、歴史的存在でもあります。過去の人々とつながり、自分
の存在の意味を昔からの流れの中に理解する。そうしたことで、人は孤独感を持たなく
てすみ、他者とのつながりを意識できます。実は、それが渇望されているからこそ、
人はメールを打ち続けているのでしょう。
大震災の派遣期間中、自衛官は何を思っていたのか。彼らを支えたものは何だったの
か。調べてみると、「これまでの訓練、教育」をあげた隊員がたくさんいました。
また、感動した言葉や行為はという問いには、多くの人が「任せたぞ」「頼んだぞ」と
いう上司の言葉、「言われなくても自分からやる」といった若者たちの行動をあげてく
れました。「国民の最後の砦の自衛隊だ。俺たちがやらなければ誰がやる」という思い
もあったと、お便りからは出てきました。
「無理をしないで」とご主人の自衛官にメールをした奥さんがいたそうです。「自衛
隊をなめるなよ」。自衛官の返事だそうです。その後段、「いま、無理をしないで、い
つ無理をするんだ」という言葉が世間では評価されました。でも、私が気になったの
は、「なめるなよ」という言葉です。それは世間に対する自衛官の心の底からの叫び
だったと思っています。
自衛官はわが国伝統の軍人らしく、ことさらに言揚げすることもなく日頃の教育訓練
の成果を見せつけてくれました。その日頃の教育訓練の価値を認めず、というよりふだ
んは無関心で、自国の防衛について他人事で語り、いざとなると自衛隊をあてにする、
そういった戦後社会全体への怒りだったと思います。
自衛官は過酷な、異常な環境の中で訓練を続けています。ふだんの生活もまた、私た
ちよりずいぶん不自由な暮らしをしています。そうでなくては、過酷で惨烈な戦場とい
う環境で生き残れないからです。
今回もまた、自衛隊の武装を解いて、災害派遣専門集団にしようという論者も出てい
ます。いつもの・・・の伝ではありますが、そうした考えをもつ人がまだまだ、どこや
らで再生産されているのだと考えてゾッとしています。その論者たちは、近代国民国家
の成り立ちや、国家の安全保障というものをどう考えているのか。何か、現実認識の能
力において、根本的な欠陥をもっている人たちではないかと思います。
現実を見るより、スローガンが大切な人たちなのです。現実を素直に見ることなく、
自分の好きな理論にあてはめて解釈する人たちの危うさ。70年代までの自称革命勢力
がその代表でした。もう、あんな粗雑な人たちは現れないだろうと思っていたら、どっ
こい、大学やマスコミにしっかり生き残っていたのです。
自衛隊は精強な武装集団であるからこそ、あれだけの活動ができたのです。また、自
然災害は力を伸ばそうとする他国にとって、大きなチャンスです。現に周辺各国では、
しっかりと軍による示威行動を行いました。政治家の(といっては怒られそうですが、
投票した国民です)命令で、全隊員の半数近い派遣。第二の災害や不測の事態への備え
もしながら、不備な装備、仕組みの整わない物資調達の難しさ、苦しい環境の中で歯を
食いしばって活動を続けた自衛隊員(制服を着た人々だけでなく、事務官、技官などの
防衛省職員の皆さん全部をいいます)がおられました。
だからこそ周辺諸国の勝手な行動を抑えることができた、そう考える私は「地球市
民」とかいう進んだ考えをもてない貧しい人間でしょうか。
最後に、彼らの活動を別の側面から支えた「一般の人たちからの感謝や声援」が大き
かったことをお伝えします。決まった時間に道路端に立って、車列が通るたびに1台
1台に頭を下げ続けたご老人。「うみちゃん」に代表される子供たちの感謝の便り。あ
る音楽隊員は、避難所で慰問演奏をする中で、聴衆の表情を見、感謝の言葉をもらい、
音楽の価値をあらためて確かめられたと答えてくれました。
隊員の若者たち、それぞれの自己有能感(けっこう自分はできるのだ)や自己効力感
(自分は人の役に立っている)を育てたのは、被災した方々や感謝の声をかけてくれた
一般の人たちでした。自衛隊関係者の一人として、あらためてお礼を申し上げます。
□お便りへのお礼
斎藤様、ご父君はいっさい、聯隊についてのお話をされずに亡くなられたとか。ご父
君も、その聯隊の方々の中にもノモンハン戦についてのご記憶があったのかもしれませ
ん。後世の私たちや、ご家族にすら語れないことがたくさんあったのでしょう。
築山様、戦車乗員の生存性を高めるシステムのご高見、拝読しました。陸自の将官か
らもイスラエルのメルカバの例をひいて、わが戦車や装備全体に『とにかく隊員の身体
を守る』といった話を聞いたことがあります。まさに、築山様のおっしゃる通りでし
た。文体について、褒めて下さり、いつもありがとうございます。毎週、ご意見、ご感
想をいただけるので元気…
[続きはコチラから]
https://mypage.mobile.mag2.com/WebLeading.do?id=2OrTcsuCFRn&position=4500#position
◎軍事情報
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://bn.mobile.mag2.com/bodyView.do?magId=0000049253