バータグ後期のTシャツに見かけるディテール | チャンピオンマニアの視点

チャンピオンマニアの視点

チャンピオンTシャツ、リバースウィーブを中心にマニアの視点で50~90年代まで幅広いアイテムの細部を詳しく解説していきます!また、チャンピオンの魅力をIVYに始まる東海岸のカルチャー、70sの西海岸カルチャーの中から当時の写真を交えながら迫っていきたいと思います!

今回紹介したいのはこちらのTシャツ

 

最近はボディーに大きく入るプリントものだけではなく

 

胸のワンポイントが意外といいなと思って

 

こういうのも着ていこうと思ってます。

プリントされているのは実シューズをモチーフにしたアディダス風ウイングフット。

 

70sのチャンピオンではリバースでもTシャツでも実シューズモチーフのウイングフットは

 

このアディダス風のデザインが多いです。

 

また、タグはというとバータグ後期。

バータグの後期ものでもネックの縫製糸も見ての通り

 

ナイロンなんで後期の中でも後期です。

 

 

そして、このころのTシャツでよく見かける特徴的なディテールがあります。

 

それがこちら

 

脇の下の大きくラウンドしたこの袖のカッティング。

 

ちょいちょい見かけます。

 

同じ時期のバータグでも

 

このようなデザインでないものの方が勿論多い。

 

例えばこちら

 

そして、こちらも

こんなラウンドしたデザインではないです。

 

おそらく、ある一定の時期にこのようなデザインで生産していたように思います。

 

ではなんでこのような大きなラウンドのデザインにしたのか?

 

70sでこのラウンドした脇の下は88のTシャツにしか存在しないです。

 

100%cottonものにはありません。

 

88Tシャツは杢生地でその特性から汚れを目立たせなくするため。

 

そして、レーヨンを混ぜることで、よりヘビーデューティーな生地にしていました。

 

それはアスリート向けに作っていたTシャツだから。

 

なので脇の下の汗の速乾性を向上させるため

 

このように生地の面積を大きくして、さらに肌と生地が離れる機会を増やすことで

 

速乾性を向上させる目的があったと考えるのが妥当だと思っています。

 

このような袖のカッティングはチャンピオンにしかありません。

 

本当に着る側の立場に立った機能性をいろいろ考え

 

Tシャツ1つをとっても、こういう新しい試みをしていた企業なんだと

 

つくづく関心させられてしまいます。

 

素晴らしいモノづくりの会社ですね。

 

それでは最後にウイングフットのTシャツのある風景を

 

ウイングフットの羽が文字を貫いていくこのデザインは珍しいです。