手元に3ヶ月ほど前に作成した tails の USB が一本あるのですが、その間にこれを使用したことがありませんでした。何故でしょう。多分、病気療養中のため危険なところにモバイルしなかったし、やばいファイルも送信しなかったからなのでしょう。

そうこうしているうちに、Tails にもバージョンアップの季節がやってきました。という事なので一本の USB を作成、ついでに簡単メモを作成してみました。メモ



ホームサイトに「Tails を使う人」の解説がありました。

①  活動家
Tails を使用して身元を隠し、検閲を回避し、安全に通信
②  ジャーナリストとその情報源
Tails を使用して機密情報を公開、危険な場所からアクセス
③  家庭内暴力被害者
Tails を使って自宅の監視から逃れる
④  あなた
デジタル世界で特別なプライバシーが必要なとき


警告: Tails は安全ですが、魔法ではありません。

極楽はぜの Tails の使い方は、万が一のためのお守りです。




今回は USB の作成にあたり、本家マニュアルを最初から最後まで参考にさせていただきました。
 

 

極楽はぜは、 今回も Tails 推奨の方法である USB へのインストールで使用するにしました。そして、こんなことをしながら暇つぶしをしていました。


1.  USB 作成
2.  ウエルカム設定
3.  日本語入力
4.  TOR ブラウザ起動
5.  TOR ブラウザ経路確認
6.  TOR ブラウザのスピードチェック
7.  メモリテスト


それでは、手元に使い古した 8GB の USB 1本を用意してから始めていきます。

1.  USB 作成

今回も 起動用 USB 作成は、マニュアル推奨の方法ではなくごく一般的な方法にしました。

 
a.  ダウンロード
使用する image ファイルは、マニュアルの中のリンク先にあります。サイズは 1.4G でした。

 

 

b.  Ventoy

今回も使用するツールは、「Ventoy  USB 作成ツール」です。これは Tails では推奨されていませんので、チャレンジ精神が少し必要ですが、やってみれば簡単です。不安な方は MXLinux の内蔵ツールでどうぞ。

 

 

c.  完成

ダウンロードした image ファイルは、Ventoy のフォルダへコピーするだけでインストール用 USB の完成です。

 


USB へのインストールが成功しましたので、次へ進めていきます。

2.  ウエルカム設定

Ventoy で作成した Tails の USB を起動しますと、最初に「ウエルカム」画面が立ち上がります。ここから基本設定が出来るようになっています。



a.  言語設定

設定に入っていきます。言語設定には、残念なことに日本語が見当たりません。そのためメニュー等は日本語表示に出来ませんが、ブラウザのコンテンツ内容は日本語表示になりますので、とりあえずの使用には支障ありません。



 
 b.  キーボード設定

キーボード設定は、日本語キーボードが選択出来ますので、日本語入力に支障ありません。


 
c.  フォーマット

フォーマット設定にも日本ロケール設定がありませんので、デフォルトのままにしています。



d.  追加設定

追加設定の項目には、パスワード追加、MACアドレスのなりすまし、不安全ブラウザの許可、オフラインモード等があります。



これらの設定の中では、アプリの起動のときにパスワードが必要となりますので、ルート・パスワードだけを追加設定しました。
 


設定が終了し、このようになりました。「ウエルカム」画面 の設定では、キーボードしか日本ロケールへの設定が出来ませんでしたが、最低限の使用には差し支えありません



次へ進んでいきます。

3.  日本語入力
基本設定は終わりましたが、肝心の日本語入力はどうなっているのでしょうか。

a.  mozc

ビックリです。タスクバーに日本語アイコン「JA」がありました。早速、パッケージマネージャで確認してみますと、既に「ibus-mozc 」がインストールされていました。


 
b.  日本語設定
日本語入力をするためには、上部にあるタスクバーから、Japanese(Mozc)を選択します。


  
c.  日本語入力

日本語入力は「ローマ字入力」ですが、パッケージマネージャーから「mozc-utils-gui」を追加することで「かな入力」が出来るようになります。ただし、これも一回限りでその都度設定が必要となります。



次へ進めていきます。

4.  TOR ブラウザ起動

では、早速ブラウザーを起動してみます。

a.  自動接続

理屈についてはよく理解できていないので、ここでは自動接続、ブリッジ無しに設定しています。
 


b.  接続中

接続中です。

 

c.  接続完了
接続完了までには少々時間がかかりましたが、無事終了しました。

 


d.  サイト表示

ブラウザを開くと、Tails のサイトが表示されています。
 


e.  日本語表示

心配していたブラウザの日本語表示も、表示を日本語へ切り替えることで見れるようになりました。



ここまでで、一通り使えるようになりましたので次へ進めていきます。

5.  TOR ブラウザ経路確認

TOR ブラウザの重要な機能の一つに「インターネットに痕跡を残さない」という項目があります。どのような構成になっているのでしょうか。マニュアルには「Tor は、 3 つのリレーを経由することで接続を暗号化し、匿名化します」と解説されています。

 a.  経路確認
3 つのリレーを経由するということは、どういう意味なのでしょうか。チェックしてみました。方法は、アドレスバー欄左側の「経路アイコン」をクリックすることです。
 

 
ブラウザで「Tails ホーム」を開いてみますと、カナダ、英国、オランダの3箇所を経由して目的地へ到達しているのが分かりました。



b.  経由地変更
3箇所を経由しているのが分かりましたが、このサーキットにはもっと便利なツールが組み込まれていて、経由地をワンクリックで変更出来ます。上図のサーキットの下にあるリンク先の「New Tor circuit for this site」をクリックしてみました。


経由地  :  ドイツ ⇒ フィンランド ⇒ オランダ



 
このように、クリック毎に新規経由ルートが設定され、表示されます。この仕組みが「追跡されないよう痕跡を残さない」という方法のようです。凄いですね。

次へ進めていきます。

6.  TOR ブラウザのスピードチェック

こんな仕組みで安心・安全な Tails にも大きな弱点がありました。監視、検閲を避け、プライバシーと匿名性を保護するために、ネットワーク速度を犠牲にしているようなのです。そこで実際の速度を USEN のスピードテストで調べてみました。
 


a.  MXLinux 23.2
自宅の常用マシンの測定結果です。
 

下り速度 : 27.21M
上り速度 : 2.58M




b.  Tails 6.1

Tails の測定結果です。

下り速度 : 2.53M
上り速度 : 35.36M




やはり、世界中を3箇所も経由してくるのは遠いようで、ダウンロードスピードが低下し、遅延時間が大幅に増加しています。ネットワークに大きな負担がかかっているのは、目的実現のためやむを得ないのでしょう。


仕組みが分かりましたので次へ進みます。

7.  メモリテスト 

いつものメモリテストですが、ご覧の通りのメモリ食いなのがバレてしまいました。前回は普通のメモリ消費量だったのですが、どうしたんだのでしょう。




Tails の大きな特長の一つには、Tails をシャットダウンするとすべての操作が自動的に消えることで、毎回クリーンな状態から開始されます 。これで安全性を担保している訳です。しかし、これが嫌な方には回避する方法もあります。

 

最初の「ウエルカム設定」画面から追加のソフトウェア等を永続ストレージに保存する方法です。どちらを選択するかは個人の好みですが、安心・安全を第一とする極楽はぜは、「保存しない」を選択しています。



近所のりんごの木は、ようやく小さな蕾をつけ、春を取り込もうと一所懸命です。


ネットでこんなニュースを見つけました。

「地元りんご醸造所では、熟成ブランデーである「アップルブランデー 12年 カスクストレングス」を4月より100本限定で発売します。オーク樽で12年間熟成させ、加水調整やブレンドなどを一切行わず、樽から出したままのカスクストレングスのアップルブランデーです」。

極楽はぜはアップルブランデーを一度も飲んだことがありませんよ。美味いんでしょうね。




最近の極楽はぜは、10回の前立腺ガンの抗ガン剤治療を受けもう5ヶ月経過しましたが、未だに副作用に悩まされています。そのため折れてしまった奥歯の治療はまだですが、ようやく歯茎の腫れが納まりつつあります。来週また、遠くの大学病院まで通う予定です。では、また。

 

がん細胞監視検閲して欲しい