世界中から安心・安全と言われている tails ですが、手元にある一年ほど前に作成しておいた USB を、作りかえることにしました。理由はと言われると、毎日楽しみに覗きに行っている、例の distrowatch にバージョンアップの記事を見つけたからという、単純なことです。こんなツールが役に立つことの無いように願いながら、一本の USB を作成、ついでに簡単メモを作成してみました。メモ


ホームサイトにこんな解説がありました。

「Tails は常にクリーンな状態から開始され、シャットダウンすると、行った操作はすべて自動的に消えます。それどころか、Tails はハードディスクには何も書き込まず、コンピューターのメモリからのみ実行されます。Tails をシャットダウンするとメモリは完全に削除され、考えられるすべての痕跡が消去されます」。

極楽はぜは、Tails を使って毎日怪しいサイトを見ているわけではなく、一本の USB をお守り代わりに持っているのです。



次へ進めていきます。

1.  マニュアル
今回は USB の作成にあたり、本家マニュアルを最初から最後まで参考にさせていただきました。
 

 

マニュアルに従って進めていきます。

2.  インストールに必要なもの

今回のインストール作業に必要なものをリストアップしますと、 8GB の USB 1本、Linux システム、2GB のメモリ、スマホ、トータル1時間の作業時間が必要です。




3.  インストール作業のステップ

インストール作業は、img ファィルのダウンロード、GNOME ディスクでインストール、USB から起動、ウエルカム設定と、このように進めていきます。

 

それではインストール概要がボンヤリとですが掴めましたので、マニュアルに従って進めていきます。


極楽はぜは、 Tails 推奨の方法である USB へのインストールで使用することを目的にしました。そして、今回もこんなことをやっていきます。

1.  USB 作成
2.  ウエルカム設定
3.  日本語入力
4.  TOR ブラウザ起動
5.  TOR ブラウザ経路確認
6.  TOR ブラウザのスピードチェック
7.  メモリテスト


それでは、手元に古い 8GB の USB 1本を用意して始めていきます。

1.  USB 作成
 起動用 USB 作成は、マニュアル推奨の方法ではなく、ごく一般的な OS 内蔵ツールで USB を作成することにします。そこで今回は、常用マシンの MX Linux の内蔵ツールを使用してみました。安直ですね。
 
a.  ダウンロード

使用する image ファイルは、マニュアルの中のリンク先にあります。



b.  MX Live Usb Maker
今回使用するツールは、MXLinux のMX ツール にある「ライブ USB メーカー」です。このツールは、 Tails でも推奨されている dd コマンドで動作しているようなので、安心して使用出来ます。

 


c.  完成

USB へのインストールが完成しました。



USB へのインストールが成功しましたので、次へ進めていきます。

2.  ウエルカム設定
作成した Tails の USB を起動しますと、「ウエルカム」画面が立ち上がり、ここで基本設定が出来るようになっています。



a.  言語設定
残念なことに言語設定には日本語が見当たりません。そのためにメニュー等は日本語表示になりませんが、ブラウザは日本語表示が出来ますので特に不便はありません。


 
 b.  キーボード設定
キーボード設定には、日本語キーボードが選択できるようになっていますので、日本語入力に支障はありません。


 
c.  フォーマット
フォーマット設定にも日本ロケール設定がありませんので、デフォルトのままにしています。



d.  追加設定
追加設定の項目には、パスワード追加、MACアドレスのなりすまし、不安全ブラウザの許可、オフラインモード等があります。



これらの設定の中では、アプリの起動のときにパスワードが必要となりますので、ルート・パスワードだけを追加設定しました。
 


「ウエルカム」画面 の設定では、キーボードしか日本ロケールへの設定が出来ませんでしたが、最低限の使用には差し支えありませんので、次へ進んでいきます。

3.  日本語入力

さて、実際の使用には必須の日本語入力はどうなっているのでしょうか。

 

a.  mozc
驚いたことに、タスクバーに日本語アイコン「JA」が出現していました。となれば、早速、パッケージマネージャを確認してみますと、既に「ibus-mozc 」がインストールされていました。

e
 
b.  日本語設定

日本語入力を使用するためには、上部にあるタスクバーから、Japanese(Mozc)を選択します。


  
c.  日本語入力
基本の日本語入力は「ローマ字入力」になっていますが、パッケージマネージャーから「mozc-utils-gui」を追加することで「かな入力」が出来るようになります。が、これも一回限りで、その都度設定が必要となります。




いよいよメインの仕事、ブラウザ起動へ進みます。

4.  TOR ブラウザ起動
では、早速ブラウザーを起動してみます。


a.  自動接続
設定についてはよく分からないので、ここでは自動接続、ブリッジ無しにしています。
 


b.  接続中
接続中です。

 

c.  接続完了

接続には少々時間がかかりましたが、何事もなく完了しました。二回目からは接続時間は短縮されます。
 


d.  サイト表示
ブラウザを開くと、Tails のサイトが表示されています。
 


e.  日本語表示
心配していたブラウザも、表示を日本語へ切り替えることで無事見れるようになりました。一安心。




一通り使えるようになりましたので、次へ目ていきます。進めていきます。


5.  TOR ブラウザ経路確認
TOR ブラウザの特徴の一つに「インターネットに痕跡を残さない」というのがあります。どんな仕組みになっているのでしょうか。マニュアルには「Tor は、 3 つのリレーを経由することで接続を暗号化し、匿名化します」と解説されています。

 

3 つのリレーを経由するということは、どういうことでしょうか。チェック方法は、アドレスバー欄左側の「経路アイコン」をクリックです。
 

 
ブラウザでホームを開いてみますと、オランダ、ドイツ、ルクセンブルクと3箇所を経由しているのが分かりました。




このサーキットには便利なツールが組み込まれていて、経由地をワンクリックで変更出来ます。サーキットの下にあるリンクの「New Tor circuit for this site」をクリックしてみました。

a.  1回目
経由地  :  オランダ ⇒ オーストリア ⇒ ドイツ


 
b.  2回目
経由地  :  ドイツ ⇒ ドイツ ⇒ オランダ


 
c.  3回目
経由地  :  オランダ ⇒ ドイツ ⇒ ルーマニア


 
このように、クリック毎に新規経由ルートが設定され、表示されます。これが追跡されないよう痕跡を残さないという方法のようです。


次へ進めていきます。


6.  TOR ブラウザのスピードチェック
絶対的に安心・安全な Tails にも大きな弱点がありました。監視、検閲を避け、プライバシーと匿名性を保護するためにネットワーク速度を犠牲にしていることです。そこで実際の速度を USEN のスピードテストで調べてみました。使用したのは自宅の WiFi です。

 

 

a.  MXLinux 23

常用マシンの測定結果です。

 

下り速度 : 22.18M
上り速度 : 1.55M




b.  Tails 5.21
Tails の測定結果です。

下り速度 : 4.18M
上り速度 : 14.03M




やはり、世界一周の旅は長いようで、アクセススピードが低下し、遅延時間が大幅に増加しているのが分かります。ネットワークに負担がかかっているのは、目的実現のためやむを得ないことのようです。


仕組みが分かったところで次へ進みます。

7.  メモリテスト 
いつもの代り映えしないメモリテストです。デスクトップが GNOME なので少々メモリ食いなのは、ご想像のとおりです。




Tails の最大の特長は、毎回クリーンな状態から開始され、 Tails をシャットダウンすると、すべての操作が自動的に消えることです。しかし、これを防ぐ方法もあります。追加のソフトウェア等を永続ストレージに保存することです。

どちらを選択するかは個人の好みですが、安心・安全を第一とすれば、面倒くさいですが余計なものを保存しない、これがベストかなと思います。



近所のりんごの木は、連日の大雪で背中に荷物を背負ったままです。


ネットでこんなニュースを見つけました。


「地元の JR の駅などを管轄する JR 統括センターは、合格祈願できる「りんご神社」や、願い事を書いて貼り付けるボード等を駅構内に設置し、試験本番が間近となった受験生を応援しているそうです。2月末まで」。

極楽はぜもりんご神社へお参りしたいです。




最近の極楽はぜは、神社へ初詣に行かずネットでおみくじを引いてみました。「吉」でした。昨年は、前立腺がんの抗癌剤治療のため、一年間を「凶」のままで過ごしましたので、今年は良いことがあるといいですね。では、また。



尻尾でも振り方次第で吉となる