毎日お世話になっている Debian を年末の大掃除してやりました。毎日使っているとどうしてもゴミが溜まっていくようで、定期的な掃除は欠かせないようです。ちょうどポイントリリース版が出たところなので、思い切って総入れ替えの再インストールをしてしまいました。年の暮れにアレコレやりましたので、そんな事などを簡単メモにしてみました。メモ


インターネット経由の Debian のインストールについて解説がありました。
 
ネットワーク経由のインストール方法は、3つありますが、この方法による Debian のインストールでは、インストール作業時に インターネットへの接続が機能している必要があります。 ダウンロードするデータ量は必要に応じて取得するため、 他の方法と比べて少なくて済みます。 

 

ライブ版に比べれば格段の違いがあリますよ。


インストールに使用したのはもう発売してから15年も経過したオールドマシンです。重くて分厚くてとても頑丈な造りで、持ち上げるのにヨッコラショと声が出そうです。

NEC   PC-LL800KG
・発売日  :    2007/09
・CPU     :    Core 2 Duo T7250
・メモリ  :    2G 
・重量     :    3.6 Kg




インストールには mini-ISO を使用する方法をとりました。これはサイズがたったの 48 MB で、このファイルにはインストーラだけが含まれています。

 

 

mini.iso を選択、ダウンロードします。

 



USB に焼いた方法は、今回も愛用の MX Linux の内蔵ツールです。ISO サイズが小さいのであっという間でした。
 


それでは、この方法で焼けた USB を使用してインストールを開始します。インストールしたのは極楽はぜ愛用の軽量でお馴染みの LXDE 版です。そして今回もこんなことをやってみました。

1.  インストール

2.  ブートローダーインストール
3.  日本語入力  
4.  簡単カスタマイズ
5.  メモリテスト


1.  インストール

Debian11 のネットインストールは、最近の他の親切な OS に比べると少し面倒ですが、頑張って進めていきます。


a.  開始

USB から起動、インストール開始します。

 



b.  ランゲージ、場所、キーボード
ランゲージ、場所、キーボードへ日本語を適用します。



c.  ネットワーク
無線と有線が検出されていますが、無線はドライバが無いとか怒られますので、優先が無難で手間いらずです。



d.   ミラー設定
アーカイブミラーを近所でスピードが速そうな所へ設定します。



e.  root パスワード
root パスワードを設定します。解説によりますと、「root パスワードを設定しなかった場合は sudo パッケージがインストールされ、システムで作成された最初のユーザーが root になり、sudo コマンドが使えます」とありますので、お好みでどうぞ。



f.  user パスワード
sudo を使用する場合は root パスワードを設定しませんので、これが唯一のパスワードとなります。



g.  パーティショニング
マルチブートに設定するため、いつものように一番下の「手動」を選択しています。



h.  パーテーション設定
インストール先パーテーションを選択し、内容を編集します。多数ある中から下記3項目を設定します。

・利用方法  :  ext4
・初期化  :  初期化
・マウントポイント  :  /




i.  ディスクへの書き込み
パーテーショニングの設定が終了しましたので、パーテーションの設定内容を確認しディスクへの書き込みます。
 


 
j.  ベースシステムのインストール
 ベースシステムをインストールしています。



k.  ソフトウエアの選択
ソフトウエアの選択では、デスクトップに使い慣れたいつもの LXDE、デスクトップ環境、標準ユーティリティの3項目を選択しています。
 


l.  インストール中
 インストール中です。パッケージ数は 1,200 個弱と表示されていますので、なかなかの軽量版になりそうです。




m.  GRUB ブートローダ
ブートローダをインストールします。



n.  GRUB インストール失敗
「GRUB をインストールできません」、「実行に失敗しました」、「これは致命的なエラーです」。



「再度実行するか」、「スキップするか」、「別のものを選択するか」。



o.  インストールプロセスを戻る
インストールプロセス一覧へ戻ります。


 
p.  ブートローダー無しで続ける
「ブートローダー無しで続ける」を選択し、インストールプロセスを続行することにします。

 


q.  完了
インストールが完了しました。USB を抜き再起動します。



ブートローダーがありませんので、残念ながらどうやっても起動できません。解決策は次へ続きます。

2.  ブートローダーインストール
再起動しても起動してくれません。ブートローダーが入っていないので教科書通りの動作です。しかし、ここで登場するのがマルチブートしている OS や、USB のレスキューツールです。それから GRUB をインストールしてやります。

a.  MX ブートリペア

この非常事態では、MX Linux 内臓の MX ツール「MX ブートリペア」を使用して GRUB を再構築しました。

 

b.  GRUB 設定ファイルの再構築
ツールから「GRUB 設定ファイルの再構築」を起動、既存の設定ファイルへ Debian を追加設定してやりました。
 


c.  完成
一時はどうなることかと思いましたが、なんとかトラブル脱出、ようやくインストール作業を終えることが出来ました。
 


次へ進んでいきます。

3.  日本語入力  
日本語入力はデフォルトで uim-mozc です。これはこれで問題ないのですが、使い慣れた fcitx-mozc へ速攻で変更してしまいました。

やることは、 fcitx-mozc をインストール、uim と uim-mozc を削除することです。たったこれだけです。




おなじみの mozc が入っています。



こんな風にかな入力も出来ています。



 
基本設定が終わりましたので、次は簡単カスタマイズです。

 
4.  簡単カスタマイズ
Debian の特徴は、痒いところに手が届かない、荒削りだと言うのが一般的な評価ですが、そんな Debian を少しでも使いやすくしようとするのが目的です。

a.  自動ログイン
やはり自動ログインが便利ですよね。少しだけ手を入れてみました。



自動ログインの設定は、lightdm.conf の該当箇所のコメントアウトを削除し、ログイン名を記入するだけです。

/etc/lightdm/lightdm.conf
126 #autologin-user=usr name
127 #autologin-user-timeout=0



b.  Grub Customizer
次は、Debian にはデフォルトで実装されていない起動復旧ツールです。今回のような事故には絶対必要な回復ツールで、GRUB を簡単復旧することができます。

メニューリストは、起動するだけで自動的に作成され、メニューの並替え、追加、削除、名前変更は簡単に出来ます。



一般設定では、デフォルトのブートエントリの変更、カーネルパラメータの編集がお手軽にできます。



外観では、テキストの色やスクリーンの背景画像の変更が、お好みに設定できます。


 

c.  SpaceFM

LXDE 版のデフォルトのファイルマネージャーは、軽量でお馴染みの PCManFM なのですが、もう少し使いやすいものへ変更しました。極楽はぜお気に入りの高機能な「SpaceFM」です。元々は PCManFM のフォークなのですが、root 作業が簡単に出来るというのが特徴です。




ファイルメニューから root ターミナル、ウインドウを簡単に開くことが出来ます。


 

d.  gufw ファイアウォール

ルーターで防護されていると言っても、単体で無防備では少し心許ないので、gufw を導入して簡単・直感的にファイアウォールを構築しています。


起動方法は Status をオンにするだけです。これで基本設定は自宅に設定済みとなり、プロファイルは強度に応じて使い分けられます。



 4.  バックアップ用 img 作成

Debian には、最近の人気 OS にデフォルトで内蔵しているバックアップツールがありません。MX Linux では当たり前のようにバックアップ ISO が作成できるのですが、何とも残念至極なことです。そこで、GNOME Disks を使用してパーテーションのバックアップ USB を作成、再インストールする方法を試してみました。




詳しくは過去ログを見ていただければ嬉しいです。

 


こんな方法で、パーティションのバックアップ img を作成してみました。

a.  ディスクイメージを作成
最初にバックアップ用イメージを作成します。この作業には、「Debian ライブ USB」 で起動するか、マルチブートの場合は別パーテーションの OS から起動する必要があり、また、作成パーティションは作業用パーテーションより小さくしておく必要があります。

使用する USB サイズより小さく、パーテーションサイズを縮小します。




GNOME Disks でパーテーションのディスクイメージ作成中です。




パーテーションのディスクイメージが完成しました。サイズは 5GB に設定しましたので、使い古しの 8GB の USB に収まります。

 

b.  USB から Debian を再インストール
作成されたディスクイメージを USB へコピーします。

 


コピーされた USB から、パーテーションのディスクイメージをリストア開始します。



リストア中です。残り5分と表示されています。意外と早いようです。


 

パーテーションのリストアが終了しましたので、次へ進みます。
 

c.  ブートローダインストール
このバックアップ方法もコピーするだけですので、ブートローダーがありません。手動で対応することとします。ここでは MX Linux のブートリペアを使用して GRUB を再構築しました。 



こんなコピーするだけの方法で、あのとっつきにくくて使いづらい Debian もあちこちの PC へ移植できるようになりました。これは Gparted でも同様に、コピー・アンド・ペーストすることで可能です。ただ、 ISO ファイルでは無いので少し手間がかかるのは仕方ありませんね。


5.  メモリテスト
いつものメモリサイズを確認をニュー Debian11 にもやってみました。やはり、素の Debian は軽量版に仕上がっていました。文句なしですね。パチパチ。


# free -h

 

また、mini.iso インストールでエラーが出てしまいました。どうしてなんでしょうかハードウエアとの相性か悪いからなのでしょうか。全く見当がつきません。それでも解決方法が分かっているだけで良しとするしかないようです。とはいえ、インストールさえ終わってしまえばサクサクです。やはり、余計なものが何にも入っていないというのが、軽量化の一番の手法だと思います。

 

       
近所のりんごの木は、年末年始を迎え薄っすらと雪化粧をしていました。今年はこれで見納めになります。


ローカル新聞にこんな記事が出ていました。


「地元青果市場では 2022年のリンゴ取引を締めくくる止め市がありました。22年産は8月の大雨など一年を通して厳しい天候の影響を受けましたが、円安で輸出需要が高まったことや、他県産の出荷が遅れたことなどを背景に県産の引き合いは強く、相場は堅調に推移。市場関係者は「まずまず」と評価していました」。

いろいろありましたが、りんご相場は堅調だったようです。よかった、よかった。



最近の極楽はぜは、新年早々、ネットでおみくじを引いてみました。吉でした。今年一年もそこそこ元気に過ごせそうです。これからも暇に任せて更新していきますので、今年もブログをよろしくお願いします。では、また。


 

軽いのは何もしないが一番だ