最近の極楽はぜは、ご多分に漏れず Linux のインストールを繰り返しているのですが、使用しているのは 旧態依然とした BIOS 起動なのです。それがとうとう UEFI 起動に目覚めてしまいました。世の中どうなっているのでしょうか。そんなところを簡単にメモにしました。
さて、今回やることは、いままで BIOS 起動で使用してきた PC を UEFI 起動へ変更し、新規に OS をインストールすることです。
何故こんなことを始めたのかと言いますと、先日、近所の中古屋さんで 3,980 円で購入した PC が、何故か不安定なのです。HDD は付属してはいませんでしたが、比較的年式が新しく、Batt も6時間ほど持ち、使用感のないものでした。
TOSHIBA dynabook B25/22TB
・CPU:Celeron Dual-Core N2820
・メモリ:2GB
・発売 : 2016年 4月
その現象はこんなものでした。
1. 時々電源が入らない
2. 時々電源が切れない
3. 時々再起動ができない
いろいろ起動オプションを変更したり、対策はやってみましたが、効果は全くありませんでした。一週間ほどアレコレやりましたが、出した結論は、CSM と呼ばれる従来の BIOS をエミュレートしている仕組みが、どうしようもない欠陥品であるということです。
ということが UEFI 起動へ変更した言い訳です。
ネットをググってみますと、「UEFI」環境において最低限必要となるパーティションは以下のとおりのようです。
1. ブートローダーをインストールするEFIシステムパーティション
2. Ubuntuをインストールするルートパーティション
3. スワップ領域用に「スワップパーティション」
という事なので、最初にすることは、EFIシステムパーティション ESP を作成することです。これには簡単な方法と、ややこしい方法の2つあります。
1. HDD 全体をを削除し、新規インストール
これが一番簡単な方法です。マルチブートが不要、または他の OS は後で再インストールしても良いなら、これを選んだほうが賢明です。なんてったって手間いらずで、HDD が大掃除されます。が、マルチブートにするためには、インストール後にパーテーションの切り直しが必要となります。
2. 既存のパーテーションへマルチブート
これは事前にパーテーションテーブルをGPT でフォーマットし、ESP を作成しておくことが必要で、前項に比べると少しややこしいです。
a. GPT 形式の作成
パーティションテーブルが存在しない場合や、パーティションテーブルが GPT 形式で作成されていない場合は、デバイスからパーティションテーブルを作成する必要があります。
これには、インストール用の Live-USB の Gparted を使用して、既存の HDD のパーテーションをすべて削除し、新規に GPT 形式で作成します。パーテーションがマウントされていると削除できません。
b. ESP の作成
新規に FAT32、512M でESP を作成します。ちなみに ESP のサイズにはこんな値が推奨されています。
・Debian、ArchLinux : 512M
・Ubuntu : 200M
・Windows : 100M
c. フラグ編集
「boot」と「esp」にチェックを入れます。
d. ESP 完成
新規に FAT32、512M で ESP が作成されました。
e. パーテーションの切り直し
必要に応じてパーテーションを切り直します。
極楽はぜは実験的に両方をを試してみてましたが、実際は新規インストールで、HDD を真っ更にしてやりました。こんな機会がないと HDD をきれいにすることができませんので、良いチャンスでした。
さて本題に入ります。実際に有名どころの OS を新規インストールし、ブートローダーのインストールと本体のインストールについて、ポイントを簡単にまとめてみました。ポイントはインストーラーの種類により区々ですが、要はブートローダーを明示的に指定するか、しないかの違いです。
1. Xubuntu
Xubuntu(ズブントゥ)とは、Ubuntu コミュニティーから公式に派生した Linuxディストリビューションで、デスクトップ環境には Xfce を採用しています。
a. パーテーション編集
インストール先のパーテーションを編集します。これは BIOS の場合と変わりはありません。
・内容 : フォーマット
・ファイルシステム : ext4
・マウントポイント : /
/sda5
ブートローダーのインストール先を指定します。今回は sda1 に ESP パーテーションを作成しましたので、ここを選択します。
/sda1
Linux Mint(リナックス・ミント)は、洗練された、最新で快適なLinuxデスクトップを提供することを目標としています。Ubuntuをベースにしており、リポジトリを共有しています。
a. ブートローダー編集
ブートローダーのインストール状況を確認します。これだけで何もしません。
/sda1
b. パーテーション編集
インストール先のパーテーションを編集します。
・内容 : フォーマット
・ファイルシステム : ext4
・マウントポイント : /
/sda3
3. MX Linux
MX Linux は、中量級の LinuxOS で、Debian 安定版がベースになっています。また、MX コミュニティによって作られ、パッケージングされた追加のソフトウェアと共に、antiX のコンポーネントを用いています。
a. パーテーション編集
インストール先のパーテーションを編集します。ラベル付は任意です。
・root : sda4
・home : root
・swap : sda6
・boot : root
Choose Partitions
b. ブートローダー編集
ブートローダーのインストール方法を指定します。今回は sda1 に ESP パーテーションを作成しましたので、ここを選択します。
・Location : ESP
・Partition : sda1
Select Boot Method
4. Sparky Linux
SparkyLinuxは、 Debian に基づくデスクトップ指向のオペレーティングシステムです。 このプロジェクトは、カスタマイズされた軽量デスクトップのセットを備えた、すぐに使用できるオペレーティングシステムを提供します。
a. ブートローダー編集
ブートローダーのインストール先を指定します。もちろん、フォーマットはしません、ESP が壊れてしまいます。
/dev/sda1 を選択
マウントポイント : /boot/efi に設定
/dev/sda1
b. パーテーション編集
インストール先のパーテーションを編集します。
・内容 : フォーマット
・ファイルシステム : ext4
・マウントポイント : /
/dev/sda2
5. Debian
Debian(デビアン)は 、Debian GNU/Linux を中心とする Unix 系システムを作成しているプロジェクトです。名前の通り、GNUプロジェクトの精神の尊重と、同プロジェクトによるプロダクトの積極的な採用などが特徴です。
今回はネットインストールではなく、他 OS と足並みを揃えるため、LXDE 版の Live-USB を使用しました。
a. ブートローダー編集
ブートローダーのインストール先を指定します。インストーラーは Sparky Linux と同じ Calamares インストーラーです。これは分かりやすくていいですね。
/dev/sda1 を選択
マウントポイント : /boot/efi に設定
/dev/sda1
b. パーテーション編集
インストール先のパーテーションを編集します。
内容 : フォーマット
ファイルシステム : ext4
マウントポイント : /
/dev/sda2
全体の設定事項の一覧です。Debian だけですが、備忘録のため貼り付けておきます。
色々やってみましたが、HDD を削除しての新規インストールは思ったより簡単で、通常インストールよりワクワク感があり楽しめました。本当の目的の電源不安定現象は今のところ完全に解消されており、「やってよかった」というのが正直な感想です。 ついでに PC の年末大掃除も出来ました。
近所のりんごの木は、少しずつ雪に埋もれていきつつあります。先日こんなニュースがありました。「農林水産省は12日までに、国産リンゴを試験的にインドへ輸出する方針を決定し、県に通知しました。インドへの国産リンゴ輸出は初めてのようです」
そういえば、昔、インドりんごという品種があり、甘かった記憶があります。インドと言ってもインドから来たわけではなく、アメリカのインディアナ州から来たものがなまったようでした。
印度りんご
最近の極楽はぜは、3ヶ月に一度の高血圧の薬をもらいに、近くの県立病院へ行ってきました。診察での開口一番、「最近外来が多すぎてパンクしそうです。個人病院へ移っててもらえませんか」。実は春先にも一度言われていましたが、断っていた件でした。
人の良い極楽はぜは、すぐに「オッケー」と返事をしてしまいました。その訳は、確かに診察は混んでいて、今日は1時間40分待ちでした。最近はこの状態が当たり前になっていて、主治医の先生はどうにも身動きが取れず、困り果てているようでした。では、また。
年の暮れ思わぬことで大掃除