今日ご紹介する本は、

『ケーキの切れない非行少年たち』

 

ケーキが切れないってどういうこと?と思いますが、

 

表紙のイラストをみると衝撃が走ります。

 

ヤバイでしょ・・・・

 

『ケーキの切れない非行少年たち』

 

プロフィールや自己紹介記事にも

少書いてますが、 
 (自己紹介記事はコチラ)

 

わたしは、その昔、少年補導員を

 

やっていたことがあり、

 

ボランティアで不登校や非行、

 

親のネグレクトなどで保護された

 

子どもたちが暮らす施設にも

 

お邪魔させてもらったことがあります。

 

 

そこでは、心理カウンセラーのもと

 

音楽療法の一環で、子ども達に

 

クラシック音楽を聴かせるのですが、

 

非行などの問題行動のある子は、

 

クラシック音楽に不快感を示し、

 

1分も聴けずにヘッドホンを外したり、

 

暴れる子もいると聞いたことがありました。

 

 

私は初め、この本もそういった事例や、

 

少年院に入ってくる子の成育歴、

 

家庭環境に原因や焦点を当てて

 

書かれているのだろうな~と思って

 

読んでいましたが、

 

全然ちがっていましたあせる(笑)

 

 

 

 

 

『ケーキの切れない非行少年たち』

まず、このタイトルとイラストの示す

 

非行少年たちが書いたという

 

「三等分にしたケーキの図」

 

インパクト、でかすぎやしませんかはてなマーク

 

 

 

著者の宮口幸治さんは、

 

公立精神科病院や

 

発達障害・知的障害を持つ非行少年が

 

収容される医療少年院に6年間、

 

女子少年院に1年間勤務していた

 

児童精神科医の方。

 

 

著者は、犯罪を犯す少年少女たちには、

 

共通点があると明記しています。

 

 

多くの人は、

 

親から虐待を受けて育ったとか、

 

家庭内暴力を受けていたとか、

 

離婚しているとか、貧困とか、

 

親の犯罪歴といったことを、

 

非行に走る子どもの「条件」にあげると思います。

 

(私もそんな類のことが書かれているんだろうと予想してました)

 

 

しかし、本著では、そうした項目は

 

確かに一部では見受けられるけれど、

 

それは必ずしも全員に共通した項目ではないと指摘しています。

 

 

では、彼らの共通点とはなにか…?

 

その共通点が、

 

性格や特徴として現れだすのが、

 

小学校2年生からであること。

 

しかし、その「サイン」が、

 

発達や学習の遅れ、いじめ、粗暴行為、

 

不登校、非行などの課題と

 

入り混じってしまって、

 

親にも学校の先生にも気づかれないこと

が書かれています。

 

 

 

その背景に、かつては「IQ85未満」

 

とされていた知的障害の定義が

 

あまりに人数が多くなり過ぎるために、

 

1970年代に「IQ70未満」に下げられた

 

経緯があったのだという事実には、驚きました。

 


たとえ、定義が変わったとしても、

 

IQ70~84の子どもたちの実状が

 

変わるわけではないですよね。

 

 

本来なら適切な援助や支援があって、

 

守られるべき子どもたちが、

 

親からは「育てにくい子」と煙たがられ

 

学校では、勉強できないのは「努力不足」だ、

 

とバカにされていたとしたら・・・

 

 

 

私が、かつて補導した非行少年たちも実際、

 

「自分の名前以外の漢字は書けない」

「(長年住んでる家の)住所が覚えられない」

 

という子が多くいました。

 

あの子たちは、勉強がキライで、

学校をさぼって遊び歩き、

非行を繰り返していたから

漢字が書けなかったわけではなかったのです!

 

この本を読んで、腑に落ちました。

 

 

殺人を犯した少年が、

 

「自分は優しい人間だ」と思っていたり、

 

「刺した時の感覚が忘れられず、また人を殺したい」という気持ちを捨てていなかったり。

 

 

反省させるとか、「褒める教育」とかいうのは、彼らの前では無意味に近い。

 

では、どうすれば???

 
第7章の、
 

非行少年たちを指導してきた著書が教える

 

お金をかけないでも、1日たった5分でできる「認知機能」を高めるの方法、

 

子どもたちのやる気をUPさせる方法は、

 

子どもを持つすべての親や学校の先生に

 

ぜひ知っててほしいなと思い、

 

この本をご紹介しました。

 

 

今回のような重たいテーマの本ではなく、

 

日頃、家事や育児や仕事に追われて疲れているママたちが

 

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