どこからかカラスの鳴き声が聞こえてきて、それがカァーとかいうふつうの鳴き声ではなくて、甘えているのかなんなのか、ぐるぐる猫みたいで、見上げるといたいた電線に2羽のカラス。

 

曇り空の夕暮れ、スマホのカメラでズームでやっと撮れた絵はちょうど、そっぽを向いている。

 

 

おかしなふたり

 

 

それまでごにょごにょしゃべってはじゃれ合っていたのに、その決定的瞬間は捕らえられなかった。

どちらかが幼鳥なのか、どちらもそうなのか、遠くてわからなかったけれど、また会いたいおかしなふたり。

 

 

カラスの黒光りする羽と、まるいおでこが好きだ。

ゴミ収集日の荒ぶるカラスには眉をひそめても、それはカラスのせいというよりは人間のせい(ネットからゴミがはみ出しているとか、場所と時間がずれているとか)。

 

 

賢くてお調子者な彼らとお近づきになりたくて、時折フェンスなどに留まっていて目線が近いと話しかけたりするのだけれど、どのくらい通じているのだろうか。

友人は何度も頭上から攻撃されて以来、天気に関係なく必ず傘をさして歩くと言っていて、私はまだその憂き目には合っていない。

 

 

昨日の続きで、それでは何のためにバレエをやっているかわからない、と投げかけられ、一言ではなかなか答えられない。

趣味としてはもちろん楽しむためだけれど、大きくは遊びの要素の楽しさと、どこまでも興味が尽きない楽しさとがあって、そこには苦みとか重みとか、そういう一見すると楽しくなさそうなものも含まれている気がする。

変わることを恐れず、かといって白か黒かでもなく、せっかくの大人の趣味だ、広大なグレーの濃淡を楽しんでいけるように、とは思っている。