逃げないで向き合わないといけないけれど、かと言って四六時中、目をそらさずにいなければならないものでもない。

課題として手に持って、あっちこっち持ち歩いて、少なくない時間をかけて何かが変わるのを待つ。

自分が変わるかもしれないし、外側が変わるかもしれない。

 

 

そのうちだんだん、シマウマのしまがスライドするみたいに、一見何も変わっていないようでいて少し様相が変わってきて、見逃していた出来事などが今さら思い起こされて、ようやく見えたのが自分の本心だ。

 

 

取るに足らない、気にするほどのことでもない、そう言い聞かせてその場では流したはずのいくつかがやっぱりどこかで引っかかっていた。

認めたくないことほど上手に隠されているから、自分のことなのになかなかわからない。

 

 

ひとしきり言葉にすると、別に泣いてもいないのに、お背中トントンされながらだいじょうぶだいじょうぶとなぐさめられた。

 

 

何がだいじょうぶなのか。

からかっているのか、最近得意の花江ちゃんの真似なんてして。

 

 

あの人が言っていたことも、あの人が泣いていたことも、あの人がもう来ないことも、そういうことだったのかもしれない。

ようやくわかったけれど、今頃わかったって全然だいじょうぶじゃない。