いよいよ夏の発表会のリハーサルがはじまり、出ない私は30分短縮されたクラスが終わったらそそくさとスタジオを後にする。
なるべく事前情報なしで発表会を観たいのもあるし、みんなの楽しそうな様子を目にしたら苦しいのもある。
それでも漏れ聞こえてくる生き生きしたリハーサルの様子。
出演されるお仲間さんたち、がんばってください!
信号待ちの横断歩道で、どうしたって沈んでいく気持ちを地面にのめり込ませながら、さんざん考えて出した結論を自分が支持しないでどうする。
その後すぐ、さっそく危惧していたような出来事があって、そうだ、これに備えていたんだ。
突発的に起きるこういう出来事に、ひるむことなく、いのいちばんに、やさしさとユーモアを持って対処したいがために、決めたことだったんだともう一度気持ちを奮い立たせる。
欠けた部分に不満をぶつけられることはあっても、欠けるかもしれないことへの応援はないし、ましてや欠けたことへの受容はもっとない。
いいよ、やってみなよ、応援するよ、フォローするし。
これまで幾度となく周囲にかけたであろう言葉を私がかけられることはない。
そもそもそんな言葉は説得して言わせるようなものではないし、説明して頼み込んでいる時点で、応援されていないも同然だ。
きっと、言われないだけの理由があるのだろうけれど、それは自分にはわからない。
こういう巡り合わせもあると思うしかなく、さびしいけれど仕方ない。
バレエそのものは逃げない。
でも、チャンスの女神には後ろ髪もまた、ない。
とりあえず、肉だ。