好きこそもののなんとやら、についてようやく実感を持てたのはバレエの後に編み物にハマってからだ。
好きは執着であり中毒にも似て、ただひたすら脇目も振らずに取り組むということを可能にさせる。
編み物、かぎ針編みに関して、ツラいと思ったことは今のところない。
巧妙にそれを避けているのかもしれないけれど、幸いにもまだその場面に出くわしていない。
その一方で、ひとつ手応えがあったとして、それ以外にはまったく応用が利かないとわかったのもまたこのとき。
人には向き不向きがあって、それとは別に好き嫌いがあって、全てはその掛け合わせみたいなものだ。
好きで向いていればスイスイできる。
ちょっとくらい不向きでも好きなら、楽しいから続けられるしそのうちできるようになる。
向いているのに嫌いというのはあるのかないのか、やればできるけれどあまりやりたくないことというのはままある。
きわめつけが向いていないし嫌いなことで、これとはなるべく距離を取りたい。
何が言いたいかというと、大掃除だ。
バレエの情熱で、編み物の執着心で、片付けや掃除ができたら苦労はないのに!
いまの家に住んで15年くらいか。
子どもの頃は転勤族で2~3年(短い時は半年)で転居を繰り返していたから、こんなに長くひとつの家に住んだことはない。
冷蔵庫の上の、天井の隅に目をやる。