肩甲骨から腕、はよく聞かれる注意のひとつで、そのことをずっとこんなふうにイメージしていた。


それじゃあ、肩甲骨ごと腕だよ。


肩甲骨はそんな大雑把な考えでわかるような骨じゃなかった。

まず、他の関節と違って、肋骨の上に浮いてる
かろうじて鎖骨を通じて間接的に体軸と繋がっているけれど、肩甲骨がその辺にいるのは僧帽筋とか広背筋とかの筋肉にくっついているから。


肩甲骨を頭上から見た図。
鎖骨と繋がっているのがわかる。
これが後々の話に効いてくる。


サラッと言った僧帽筋とか広背筋なんて、デスクワークで背中ガチガチの大人の敵じゃんねー。
道理で肩甲骨が動かないわけだよ。


そんな肩甲骨は大きく分けて4方向に動く。
上下、左右、回旋、前後傾。

ああ、頭がこんがらがる。


それを踏まえて、この前のこれ↓


自分の手でつかんで誘導してみる。

左手を後ろに回して、右の肩甲骨下角をつかむ。
右の肩や腕は力を抜く。
あくまでも動かすのは肩甲骨だけ。

肩甲骨下角を中心に寄せると、つられて鎖骨が開いた。
繋がっているから!
胸全体が広がるほど大きな力ではない。
鎖骨がほんの少し横後ろに張り出す感じ。

次に肩甲骨下角をそこから少し上にずらすと、腕が外旋した。
これはなかなかわかりにくい。
上げようと思うと肩が上がる。
それは違う。
とにかく肩や腕の力を抜いて、肩甲骨の動きだけに任せると、腕が動かざるを得ない感じになる。


何もかも繊細だ。
この繊細さを見逃さないように力を抜くことが、もしかしたらいちばん大事なのかもしれない。


もちろん背中や肩まわりをほぐしておきたいし、肩や腕のモリモリする力で動かさないというのもやっぱり気をつけたいところ。


肩甲骨下角と小指のかすかな通信をうっかり切ってしまわないように。