オー、人事じゃん。

という、夫の何とも言えない指摘から始まった我が家の「NHKバレエの饗宴」テレビ視聴。


・・・そうだね。
でも夫のこの一言で、私の中ではもう完全にバランシンに上書きされているということに気づいた。



すぐに退屈してどこかへ消えるかにみえた夫は、予想に反して水香さんの踊りにすっかり見入っていた。
脚がスッと上がるね。

たしかにのびのびとしてすごくきれい。
古典よりネオクラシックを踊る水香さんの方が私も好きかもしれない。


セレナーデといえば、2年前のスタダンの公演がなつかしい。

相当な思い入れをもって観に行き、最初のポーズから感極まって涙があふれたことを思い出す。
当時リハーサルがハードなことを耳にしていたから、きっと東バのみなさんもさぞかし、と思いながら見守る。

セレナーデ、やっぱり好きすぎて30分強があっという間。



そして、最も夫が食いついていたのが意外にも、C/Ompanyの「bolero(忘れろ)」。

私にとっては、今年の「バレエの饗宴」を観に行かなかったことが悔やまれた唯一の作品と言ってもいい。
これだけは、行かなきゃ全然わからない!
どれだけみなさんの感想や解説や評論を読んで追いかけても、観に行かないことには想像もできない。


一体、あの日あのホールで、何が起きたのか。
ずっと気になっていたことをやっと目撃できた。


問題の幕間の出来事から放送されて、そうか、こういうことだったのか。

作品は想像をはるかに突き抜けておもしろく、大植さんと辻本さんの身体能力の高さと息のあったパフォーマンスには、開いた口が塞がらない。
どこがリハーサル通りで、どこがアドリブなのかもわからない、生き物のような作品。
「談ス」だけに、こちらも見ていてつい、わあ!とか声が出てしまう。

テレビの前で拍手喝采よ。



シティのオクテットは昨年7月に、ウヴェ・ショルツ・セレクションを観に行ったばかりで、記憶に新しい。

頻出するアラベスクの切れ味鋭いこと。
女性ダンサーの背中がきれいで、見惚れる。


アラベスク改造計画の今、これでもか!とたくさんの美しいアラベスクを目にできてうれしい。



ロミジュリとドンキは席を外していたので、後日録画を見るつもり。



2019年5月19日 21時 Eテレ

~2019年4月6日 NHKホール~

「セレナーデ」
チャイコフスキー:作曲
(出演)東京バレエ団
(33分30秒)

「“ロメオとジュリエット”からバルコニーのパ・ド・ドゥ」
プロコフィエフ:作曲
(出演)カリーナ・ゴンザレス&吉山シャール ルイ・アンドレ
(10分10秒)

「bolero/忘れろ」
ラヴェル:作曲
(出演)C/Ompany(大植真太郎、辻本知彦)
(25分20秒)

「Octet」
メンデルスゾーン:作曲
(出演)東京シティ・バレエ団
(34分40秒)

「“ドン・キホーテ”第3幕」
ミンクス:作曲
(出演)牧阿佐美バレヱ団
(26分20秒)

「“眠りの森の美女”からワルツ」
チャイコフスキー:作曲
(出演)東京バレエ団、(出演)カリーナ・ゴンザレス&吉山シャール ルイ・アンドレ、(出演)C/Ompany(大植真太郎、辻本知彦)、(出演)東京シティ・バレエ団、(出演)牧阿佐美バレヱ団
(2分15秒)

 

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