グレヴィレアを育てていらっしゃるお客様から、「種から育てることはできるんでしょうか?」という質問をときどき頂きます。
【G.プーリンダマリオンのシードポッド(鞘)】
昨日もグレヴィレアをはじめとするプロテア類を熱心に育てていらっしゃるお客様より、同様の問い合わせメールを頂きました。
確かにグレヴィレアを育てていると、品種にもよりますが花後にサヤのようなものを付け、その中に種が入っているのを見かけた方も多いかもしれません。
果たして、その種から新しいグレヴィレアは育つのか…?
グレヴィレアを販売している側としましては、お客様にどんどん殖やされてしまうと、商品が売れなくなってしまいます。
ある意味これは【豪花舎annex】にとって自殺行為にも近い記事になるのですが、このブログをお読みの探求心の強いお客様のために、今回は特別に種を発芽させやすくするノウハウを消費税込9800円にてPDFファイルで販売致します。
お申し込みは今回の記事の最下段にある「購入フォーム」よりお願い致します。
…って、どこかの悪徳教材会社みたいなことを言っておりますが(汗)、それは冗談でございます。本ブログの読者の皆様には、もちろん無料でお読み頂きたいと思います。
かなり長い記事になりますが、あなたの人生を大きく変えてしまうほどの内容ですので、どうかトイレに行くのも我慢して読み進んで下さい。
【グレヴィレアの増殖法3つ】まずは基本的なところから。グレヴィレアを殖やすには、一般的には3つの方法があります。
・挿し木
・接ぎ木
・播 種(種まき)プロの生産者をはじめ、最も多く利用されている増殖手法が挿し木だと思われます。
グレヴィレアの場合は簡単・確実なので、切り取った若木を培養土に挿して殖やす方法ですね。
品種により難易度は異なると思いますが、とくにスパイダー系は簡単に根付きます。
店主もG.ファイヤーワークスを自分で殖やした経験がございます。
接ぎ木はテクニックも台木(土台になる木:例・Gロビュースタ等)も必要なため、一般の方にはなかなか難易度が高いかもしれません。
そして最後に、今回のテーマである種から殖やすという方法です。
グレヴィレアを種から育てるのは、そうそう簡単ではないようです。やる気のない店主は、オーストラリアのサイトで「結構難しい」と書いてあるだけで即、素直に、真剣に「よし、それならば、なおのこと止めておこうっ!」と固く決意した次第です。(汗)
しかし、考えてみると自然界においては原種のグレヴィレアは種で殖えるのが当たり前。
ならばこの私にできないはずはない!という皆様の気持ちも分からない訳でもありません。
ところが本場オーストラリアのサイトでも、しかもANPS(オーストラリアのネイティブプランツ協会)においても、なかなか上手く行かないと書いてあるんですね。
悪いことは言いませんから、無駄な抵抗は止めておきなさいって。
【種を撒く前の準備】それでもまだ「いやっ、私にはきっとできる!」と固く信じているあなたのために、発芽率を上げる方法をお届け致します。
《ここから先は、営利目的の増殖を目指す方の立ち入りは固くお断り致します。》グレヴィレアをはじめ、オーストラリアの植物の種は、見た目同様「変わり種」が多いようです。
ユーカリやアカシア、そしてもっとも有名なバンクシアのように、火事で焼かれないと発芽しないという植物も多いです。
古来、彼らは山火事を引き金として子孫を殖やしてきたのです。
ですから今でもオーストラリアにおいては「コントロールド・ファイヤー(Controlled Fire)」、つまり計画的山火事を発生させて、国立公園などの一部をわざと焼き払うことを行っています。
その原理がグレヴィレアの種にも応用できるわけですね。
誰でもできる種を撒く前に行うべき準備は以下の通りです。
・カッターナイフなどの刃物で種の皮をむく
・80℃のお湯に一晩浸け込む
・薄めた木酢液・竹酢液に浸け込む(1日~1日半)という方法がオーストラリアのサイトではお薦めのようです。
上記の全てをしなければならない訳ではなく、いずれかを行えば発芽率がアップするということでした。
どれもそれほど難しいことではなさそうです。
中でも、最近のお薦めは「薄めた木酢液・竹酢液に浸け込む」でした。
現地では「Smoked Water」といいます。直訳すると「燻製にした、いぶした水」ということです。
つまり我が国においては、木酢液・竹酢液ということになるのではないでしょうかね。
ちなみにオーストラリアは「Regen2000 Smokemaster」というブランドで、10Ⅼ入りA$8.95で販売されていました。なるほど、彼の地でも木酢液を作っていたのですね。
ちなみに「リゲイン」ではありません。念のため。
また、上記木酢液は日本では売られておりませんし、きっと国内で購入した方が価格も安く、品質も良いのではないかと。
要するに、種に何らかのイチャモンを付けて刺激し、発芽を促そうという魂胆です。
【どんな土を使うのか】もちろん、当社オリジナル培養土「ネイティブの土」をお使い頂いて全く問題ございません。まぁ、肥料が入っているという点は少々気になりますが、水はけなどの点を考慮すれば、やはり安心して使えると考えます。
なお既にネイティブの土をお持ちで、まだ残りがある方は、そちらを優先的にお使い頂ければと思います。
全く土を用意していない、またはご自分でオリジナルのシードミックスを作ってみようという方は、以下の方法を試してみて下さい。
パーライト3:ピートモス1の割合で配合し、それを水で湿らせて、軽く絞って余分な水分を抜きます。絞り過ぎてカラカラにしないようにご注意下さい。常識の範囲内でご対応を。
それをシードトレー(卵パックで代用可)に均(なら)して入れ、木酢液に浸けておいた種をきれいに拭いてから撒きます。
その後、先ほどの同じシードミックスを1cmほど被せて、水やりして完了!
水やりの際にはジョーロよりもシュカシュカこと、霧吹きをお使い頂ければと存じます。
置き場所は意外なことに日当たりの良いところで、とありました。地面にトレーを直置きするのではなく、テーブルやイスなどの上で風が自由に流れるところで管理して下さい。
できるだけ湿度を保ち、あとは発芽を待つだけ!それでも数週間~数か月かかることもあるそうなので、気長に管理しましょう。
【種を撒くのはいつが良い?】種を撒くにも適期があります。
常識的に考えても真夏や真冬に種まきをすることはないと思います。
一番良い時期は春先、だそうです。
ですから初夏というか、もう夏に入った地域では「種を撒くにはもう遅い」ということになります。
最低気温が15度を上回ってしまうと、発芽にブロックがかかってしまうとのことですからご注意下さい。
次にお薦めなのは秋だそうです。
以上、グレヴィレアの種から育てる方法を【無料】にてお届け致しました。
なお、上記の方法で試してみても発芽をお約束するものでは全くございません。
あくまでも「実験」的に、遊び感覚でお試し下さい。
何度も言いますが、そもそもグレヴィレアの種は発芽しにくいものなのです。
また、園芸品種はさらに発芽しにくいですから、試すとしたらできるだけ原種をどうぞ。
仮に園芸品種で発芽したとしても、それは皆さんが思い描く品種ではないことが多いそうです。つまりその品種の親種が発現するんでしょうね、きっと。
本日は、そんなこんなの大作ブログでしたー。
あーっ、こんだけ書いて疲れた割には、一銭にもなりゃしない…。(泣)