毎度書いていることだが、ワールドカップは、まだまだこれからだ。
日本時間で今夜から、決勝トーナメントだからね。
連日の「実を言うと」だが、俺は1次リーグに関しては、
(1) 日本代表の試合
(2) 興味深い対戦
(3) その他
に分けて、観戦方法にも差をつけている。
(1)はもちろんリアルタイムで見る。
(2)は、たとえば今大会で言うとスペイン対オランダだが、これは録画して90分間見る。もちろんリアルタイムで見たいが、なにぶん、キックオフが深夜や明け方なもので。
(3)は、ダイジェストで済ませてしまう。
サッカー者の風上に置けない、などという声が聞こえてきそうだが、1次リーグは、まあ予選とは違うけど、得失点差やらなにやら関係してくるので、「勝ち点1狙い=引き分け狙い」とか、すでに突破を決めた場合など、メンバーを落としてくる「捨てゲーム」とかが横行してるので。
日本代表の場合、1人退場になって、明らかに引き分け狙いに切り替えたギリシャに対し、その作戦にはまって0-0だった。その結果、ギリシャが決勝トーナメント進出を果たしたから、二重に情けない。
コロンビア戦に至っては、相手にとって「捨てゲーム」だったのに惨敗。
野球にたとえれば2軍に負けたようなものじゃないか。
情けないを通り越してるよ。
なので、サッカー解説者やサッカー大好き人間たちのテンションも下がり気味だが、1人、怪気炎を履いているのが、明石家さんまだ。
ラジオで、日本戦ばかりが盛り上がる風潮をとらえて、
「日本は、にわかファンが多くて困る」
などと発言し、各方面からヒンシュクを買っている。
自国の試合にだけ熱中するのを「にわかファン」と決めつけるなら、世界中で、ワールドカップで盛り上がってる人の90%以上は、にわかファンじゃないか。要するに彼は、
「サッカーに詳しい俺、かっけー」
と盛り上がりたいだけなんだろ。そういうのを、半可通と言うんだよ。
俺なんか、軍事とかサッカーについての文章を書くことがよくあるもんで、半可通から責められることはよくあるんだが、さんまの発言のなにがよくないのかと言うと、
誰だって、最初は初心者
ということを忘れてる点にある。
昨今のサッカー・ブーム、なにより、ワールドカップが
20世紀最大のヒット商品
と呼ばれるまでになったのはなぜか、と考えたならば、それこそ
「にわかファン」の存在を抜きにしては語れない
のであってね。
もうひとつ。ちょっと「今さら感」がある話になってしまうが、香川真司がマンチェスター・ユナイテッドに移籍した時、さんまがなんと言ったか。
「マンチェスター・ユナイテッドと言えば、聖域みたいなもん。日本人選手がメンバーになるなんて、違和感がある」
違和感なんて個人の自由だし、年配のサッカー好きの気持ちとして、分からないでもないんだが……
赤提灯でのサッカー談義ならまだしも、影響力のあるタレントの発言としては、こっちの方がむしろ問題。イエロー・カードもんだな。
あまりにも古すぎるんだよ、サッカー観が。
こういうことを言ってる限り、日本サッカーが世界互角に戦えるようにならない。ある意味、彼自身の言う「にわかファン」より数段タチが悪い。
俺は決して偏狭なナショナリストではないけれども、日本サッカーをそこまで自己差別的に語るなら、いっそ日本のメディアでサッカーの話を、日本語でするのやめたらどうだ、とは思う。
もともと彼の番組あまり見ないし、ラジオも聞かないが、こっちは仕事のかなりの部分をそっちのけにして、世界最高レベルのサッカーの真剣勝負を見たいんだから。
余計なことは言わないでくれ!